No.395754

I・S・R・7<インフィニット・ストラトス・ライダー・7>  始まりのI/再開は医務室にて

どうも。

最近リボビタDが手放せない最高総司令官です。

あれ美味しいよね。久しぶりに飲むとゲロるけど。

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2012-03-21 15:38:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2950   閲覧ユーザー数:2868

~ANCHOR本部・害虫駆除室~

 

 

ANCHOR・・・。それは、この世界『ヴェイタス』を支配している組織『ショッカー』に対抗するべく作られた会社であり、主に武器等を売っている。その中でも害虫駆除室は実力・人望ともにトップクラスの人間が集まっている課である。

 

そんな害虫駆除室に、駆除室の全メンバーが集まって会議をしていた。

 

 

「・・・・以上、チームD&Sの報告を終了します」

 

 

そう言って赤毛の少年『五反田 弾』は椅子に座り、上座の金髪の男『周藤 昭久』の方へ視線を向ける。

 

昭久はふむと肯いてから、一夏の方へと視線を向けた。その意図を察したのか、一夏は立ち上がった。

 

 

「弾の説明にあった『オルフェノク』は、俺の方でも確認及び駆除した。恐らく弾と同種及び同個体だろう」

 

 

その瞬間、駆除室のメンバーがざわめいた。それもそのはず。今まで同一人物が全く別の場所に出てくるといった事は今までなかった事だからだ。

 

するとざわめきの中、オールバックの男が手を挙げた。

 

 

「・・・・何だ連治?」

 

 

「質問です。この個体が分身を主とした特殊能力を持っているといるのでは?」

 

 

「ふむ。一理あるが、それはどうなんだ?一夏」

 

 

「残念ながら詳しいことまでは・・・。しかしその可能性があるとすれば、突然変異かもしくは・・・」

 

 

「ショッカーが何らかの手を使って、能力を二つに増やした、か・・・」

 

 

「おそらくは」

 

 

一夏の考察が終わると、昭久は弾の方に視線を向けて、確認できるだけのデータを求めた。弾はそれを了承し、緑色の携帯電話『ロク』を取り出す。

 

 

「ロク。アクティブに変形してくれ」

 

 

『合点承知!!』

 

 

【506】

 

 

弾の言葉に呼応するかのようにロクが言葉を発し、それを聞いた弾は上記のコードを入力して、ディスプレイを閉じてデスクの上に置く。するとデスクに面している場所から手足を模したマニュピュレーターが展開し、再びディスプレイが展開し、歌舞伎の面のような顔をしたフェイスパターンが出現した。

 

 

『よっと。さぁて、時間がねぇからさっさとやらせてもらうぜ。全員の携帯に直接データを送るから、とっとと出しやがれ!』

 

 

ロクの口調は礼儀のれの字もない言い方だが、皆慣れているのか、何ともないような感じで、自分のフォンブレイバーを取り出して展開する。一夏もセブンともう一台、黒いフォンブレイバー『ゼロワン』を取り出して展開する。

 

それを確認したロクは、すべてのフォンブレイバーに向けて両手を翳した。

 

 

『データ送信・・・・・。完了したぜバディ!』

 

 

「お疲れロク。リトラクトフォーム」

 

 

弾がそう唱えると、ロクは再び携帯に戻る。ただし、ディスプレイは開きっぱなしだ。

 

 

『確かにデータを受領しましたが・・・・、ロク、この画質はどうにかならなかったのですか?ぶっちゃけ汚いです』

 

『シーカー持ってなかったから仕方ねぇだろ伍の字!!大体てめぇはその戦況下でこれ以上のもんをとれる自信があるってのか!?』

 

 

『勿論。私は仮にも昭久のバディですから』

 

 

『んだとゴラァ!!!』

 

 

ロクが怒って伍の字と呼ばれた茶色のフォンブレイバーに怒鳴り散らす。

 

ちなみに伍の字とはフォンブレイバー・ファイブの事である。ロクは基本的に横文字が嫌いで、セブンやフォースの事も七の字や四の字と呼ぶのである(ただし、何故かゼロワン・フォース・セカンドの三台のみ、姉さんもしくは旦那と呼んだりする)。

 

 

「そこまでだファイブ。今回はお前が悪い。弾は後でロクのカメラ画素の調整を行っておくように」

 

 

『はい。申し訳ございませんバディ』

 

 

「了解です室長」

 

 

『ヤリィ!!』

 

 

宥められてちょっとブスっとしたフェイスを取るファイブ、淡々と答える弾、歓喜するロクといったよに三者三様の態度を採っていた。

 

 

「さて、今回はこれで解散としよう。各自データを確認してMSや各々のバディの調整を忘れないように。フォースと未来には俺が連絡しておく。それから一夏とゼロワン、セブンは残ってくれ。他は解散してくれ」

 

 

その言葉とともに、他のメンバーは解散し、一夏、ゼロワン、セブン、昭久のみが残った。

 

 

【507】

 

 

【501】

 

 

そして、一夏は徐にセブンとゼロワンに変形コードを入力した。するとセブンとゼロワンはそれぞれアクティブフォームへと変形し、自律行動を開始した(言っていませんでしたが、ゼロワンのフェイスは血の涙が流れていない初期パターンのものです)。

 

 

「・・・・で?俺に何か用ですか?言っときますけど昭久さんの壺を割ったのは俺じゃありませんよ。犯人は未来です」

 

 

「・・・・・・その話がすごい気になるんだが、実はお前に面会人が来ていてな」

 

 

「・・・・・面会人?」

 

 

一夏は疑問に感じた。この世界に来てから、一夏はANCHOR以外の人間とあまり話さない。というよりもあまり話す機会がないだけなのだが、殆ど話していないことには変わりはない。

 

ANCHORの社員が面会という説は考えなかった。何故ならANCHORの携帯電話には、全社員のアドレスや番号が登録されているからだ。それによって面会などという面倒な手を使わなくて済む。それに極秘話ならば、共通回線ではなく、シークレットチャンネルを使えば済む話である。

 

 

「漂流者でな。任務帰りの未来が連れてきたんだ。ちと暴れたんで気絶させて黙ってもらったらしいが・・・、未来は苦戦して疲れたらしく爆睡中だ」

 

 

「未来が!?」

 

 

これにはさすがの一夏も驚愕した。秋空未来は駆除室の中でもMSを用いない白兵戦ではトップクラスの実力者の持ち主だ。その未来が苦戦したとなれば相当の実力者という事がうかがえる。

 

 

「・・・分かりました。取りあえず面会はしてみます。場所とその人の名前を教えてください」

 

 

「医務室。まだ寝てるはずだ。名前はわからん。ただ、黒いスーツに黒髪の長髪だったと、未来が最後の力を振り絞って報告してくれた」

 

 

「でも報告したのフォースですよね?」

 

 

「まぁな」

 

 

それは未来の報告とは言わないんじゃ・・・・。と思ったが、話がややこしくなりそうなので心の奥にしまっておくことにした一夏であった。

 

 

「分かりました、では失礼します」

 

 

そう言って一夏は、何かを口論していたゼロワンとセブンを肩に乗せ、駆除室を後にした。昭久以外にいなくなった駆除室で、ファイブが口を開いた。

 

 

『よろしいのですか?バディは一応、名前の報告を受けていたはずですが・・・』

 

 

「いいんだよファイブ。あいつにも感動の対面って奴させたいじゃん?」

 

 

先程とは打って変わってカラカラとした笑って誤魔化す昭久を見て、ファイブはため息をつく。そしてその机には、何らかの証と思われるものが置いてあり、そこにはこう書かれていた。

 

 

『IS学園教論・織斑千冬』

 

 

と・・・・。

 

 

~医務室~

 

 

「ん・・・・?」

 

 

一方、そんな会話をされているとは露知らず、その話題となっていた人物『織斑千冬』が目を覚ました。

 

 

(ここは・・・・どこだ?私は確か一夏の墓参りをして、それから銀色のオーロラのようなものに飲み込まれて・・・それから)

 

 

千冬が過去の回想をしていくと、徐々にあの時の記憶を思い出していく。そして完全に覚醒したところで、自動扉のドアが開いた。

 

 

「さて、もう起きた・・・か?」

 

 

「い、一夏・・・なのか?」

 

 

「ち、千冬姉ェ・・・・?」

 

 

それはまさに姉弟の4年ぶりの再会であった。片や二度と会うことはないと思っていた弟、片や自分のせいで何者かに連れ去られ、すでに亡くなったと思っていた姉。

 

 

「一夏ァアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

「なぁあああああああああああああああ!?!?」

 

 

その姿を見た千冬は一瞬で一夏の懐に飛び込んで、一夏を押し倒した(この際、一夏は飛び込まれる直前にゼロワンとセブンをベットへと放り投げていたのだから、流石である)。

 

 

「ちょっ・・・千冬姉・・・」

 

 

「一夏・・・!一夏・・・!いちかぁ・・・!」

 

 

一夏は何処となく顔を赤らめて千冬をどけようとするも、千冬の涙ぐむ声を聞き、自分がどれほど姉を心配させていたのか感じ取り、あきらめた。

 

 

「・・・・・心配掛けてごめんな。千冬姉」

 

 

「いいんだ・・・!一夏が無事でいてさえすれば・・・!!」

 

 

「・・・・ありがとう」

 

 

その後、弾が迎えに来るまで一夏と千冬はしばらくそのまま抱き合っていた。

 

 

 

 

 

『俺達は完全に放置か・・・。クローバーのフラッシュだ』

 

 

『仕方ないだろう。何せ4年ぶりの再会だ。感動の再会に水を差す奴は馬に蹴られてなんとやらだ。ちなみに私はダイヤのストレートフラッシュだ』

 

 

『ぬぅぅ・・・・』

 

 

一方、完全に放置されていたゼロワンとセブンは、トランプ(ブレイバー用に作られた特注品)をしながら暖かく見守っていた。

 

ちなみに勝敗は現在のところ、セブンが7勝1敗で勝利している。

 

 

~十数分後~

 

 

「・・・最初に言っとくが、ここは医務室であって男女の逢引をする場所ではないことは重々承知しているなお二方?」

 

 

「「はい。承知しております」」

 

 

「では何故二人は抱き合っていたのかな?ん?」

 

 

「私が抱きつきました」

 

 

「不可抗力です。許してください」

 

 

そういう二人は床に正座させられ、その目の前には悪魔のような表情を浮かべた弾が仁王立ちをして構えていた。

 

前項でも説明したとおり、治療や手術などは弾を含める治療課の役目である。その中でも医務室は通称:『五反田城』と呼ばれており、そこで不埒な真似などをすると弾によって説教という名の制裁を受けるはめになるのである。

 

 

「・・・はぁ。まぁ、久し振りの再会だから仕方ねぇか。ってか、ゼロワンとセブンは何故止めなかった?」

 

 

『『ほら、人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死ね、いうじゃないですか』』

 

 

「なんでこんな時だけ敬語!?」

 

 

『『いや~、気のせいじゃないですか?HA・HA・HA』』

 

 

「しかも何気に息ピッタリ!?」

 

 

ツッコミを入れる弾に対して息ピッタリなタイミングで回答を返す二人。

 

実はこの二人も弾の説教を受けてしまった事がある故に、この状態の時の弾に対してのみ敬語兼息が合うのであった。

 

 

「・・・・まぁ、言いたいことは分かるけど、今度からは何らかの注意をしておけよ。それから一夏、昭久からの連絡だ。駆除室は、これやれってさ」

 

 

そう言って弾は懐から赤いファイルを取り出して一夏の前に投げる。それを受け取って中身を見た一夏の顔は、その顔を真剣そのものだった。

 

 

(ず、随分格好良くなったな、一夏は・・・)

 

 

そう思う千冬の顔は、頬が赤く染まり、口をポカンと開けていた。それを尻目に一夏は、突然千冬の手を掴んで、弾とともに医務室の外へと駆け出す。

 

 

「い、一夏!?ど、何処に行くんだ!?」

 

 

「千冬姉の親友を助けに」

 

 

「親友って・・・、束!?まさか束の身に何かあったのか!?」

 

 

千冬は珍しくうろたえた様な顔になる。束とは本名を『篠ノ之 束』といい、ISの開発者であり、一夏と千冬の友人でもあるのだ。その束に何かあったとなれば、千冬も冷静ではいられなくなる。

 

 

「あぁ。さっきANCHORのスパイが連絡を寄越してきたんだ。これが原文だ」

 

 

そう言って一夏は、そのスパイが送ってきた原案を千冬に手渡した。そこには英語でこう書かれていた。

 

 

『being arrested by the Shoccer tabane sinonono. Needs to be rescued.

 

Furthermore, in seeking to sortie MS.

 

Is an isolated island where a few hundred kilometers east-southeast from the Japanese archipelago. Perhaps, seems to be attracted to feed houki sinonono.

 

Security is tight, you perceive the internal state is impossible.

 

However, the result of enemy soldiers caught and interrogated, shoccer design theory has been wanted for IS, and seems to induce vomiting by torture.

 

Report completion.(篠ノ之 束がショッカーによって捕縛されている。救助の必要あり。

 

なお、MSにて出撃することを求む。

 

場所は日本列島から東南東へ数百キロ離れた孤島。おそらく、篠ノ之 箒を餌に引き寄せたと思われる。

 

警備は厳重で、内部の様子は窺い知ることは不可能。

 

ただ、敵の兵士を捕まえ尋問した結果、ショッカーはISの設計理論を欲しており、拷問によって吐かせようとしているらしい。

 

報告終了』

 

 

「ふざけるな・・・。ISの理論が欲しいから束を拷問するだと・・・!?」

 

 

「そういうやつらなんだ。ショッカーっていうのは」

 

 

手紙をグシャグシャにした千冬に対して、一夏はあくまでも感情を表に出さないように冷静に言い放った。

 

 

「それに俺は言ったはずだ。篠ノ之・・・いや、束姉は俺達が必ず助け出すと」

 

 

「一夏・・・・」

 

 

千冬は目じりに涙がたまっているのも気にせず、頭を下げた。

 

 

「一夏・・・。頼む!!束を・・・私の親友を救いだしてくれ!!頼む!!!」

 

 

その行動を見た一夏、弾、そしていつの間にか合流した昭久、連治、未来はニッと笑ってこう言ったのだ。

 

 

『任務了解!』

 

 

~NEXT STAGE~


 
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