No.395165

IP〜インフィニット・ストラトス・パラドックス〜 第四話



以前の分はなるべく早く投稿します。

2012-03-20 17:24:24 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2208   閲覧ユーザー数:2132

 

 

 

 

翌日、俺は箒と共に食堂に行き、朝食を取ることになった。

 

箒は和食メニュー、俺は洋食メニューだ。じゃないと、コーヒーが付いてこないんだ・・・・

 

毎朝俺はコーヒーを欠かさない。前までは朝早く起きて自分で淹れてたぐらいだ。

 

でも、ここのコーヒーはな・・・イマイチ・・・・でも、少なくても一週間はこれで我慢か・・・

 

 

「お、織斑君っ、隣いいかなっ!?」

 

「ん?」

 

 

話しかけられた方を見ると、そこには朝食のトレーを持った女子が三名、俺の反応を待ちわびるが如く立っていた。

 

 

「ああ。一緒に食べようか」

 

 

大勢で食べたほうが美味しいからね〜。早く友達作りたいし〜。

 

俺がそう言うと声をかけてきた子は安堵の溜息を漏らして、後ろの二人は小さくガッツポーズ。そしてその際に聞こえた周囲の声は無視。・・・うん、なんか嫌な予感がしたんだ。

 

 

その後、その3人と色々と話しながら朝食を終えた。その際、箒が不機嫌になって先に行ってしまったが・・・・何故?

 

 

 

 

 

 

 

さてさて、休み時間。だとしても、何処へ行ってでも、何をしてでも女の子ばっかりのここ、IS学園。

 

やれやれ・・・ひとりだけの時間が欲しいんだぜ・・。

 

 

「ねえねえ、織斑くんさあ!」

 

「はいはーい、質問しつもーん!」

 

「今日のお昼ヒマ? 放課後ヒマ? 夜ヒマ?」

 

 

山田先生と織斑先生が出ていった途端、女子の半数がすごい勢いで俺の机に詰めかけてきた。

 

・・・・怖いです・・

 

 

「とりあえず、落ち着こうか。一編に聞かれても、少なくとも俺は答えられない」

 

 

そしてそこっ!何整理券(有料)配ってんのっ!?人を使って商売するなっ!!少なくても許可とろうよっ!!

 

しかも、箒がまた不機嫌になってるしっ!!何でっ!?何でっ!?もう訳分かんないっ!!!!!

 

・・・・ウェーイ・・取りあえず落ち着こう・・・・・ビークール、ビークール。

 

 

「千冬お姉様って自宅ではどんな感じなの?」

 

「それは言えないな」

 

「え〜なんで?」

 

「女性というのは秘密というベールを纏ってるからこそ美しいらしい。それに・・・」

 

「それに?」

 

「本人のいる前では喋れないだろう?」

 

「へっ?」

 

「とっとと席につけ。バカども」

 

 

俺の周りの女の子たちが素っ頓狂な声をあげた瞬間、その子たちにはまさに地獄からの呼び声が響き渡った。

 

まあ、俺は気づいてたけどね〜。いやいや、皆の慌てる姿は面白いね〜。

 

その後、皆が席についた頃を見計らって、授業は始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ、織斑。お前のISだが準備まで時間がかかる」

 

 

へっ?・・・・それって政府で用意してるってこと?

 

 

「・・・織斑先生、それは政府で用意してるということですか?」

 

「そうだ」

 

「・・・・・・申し訳ありませんが、その必要はありません」

 

「・・どういう事だ?」

 

「自分のツテを使って用意しているからです」

 

 

俺がそういうと、織斑先生はハァ〜っとため息をついた。・・・うん。千冬姉さんなら分かるよね〜。俺がIS関係でツテを持ってるのはあの人と千冬姉さんぐらいだし。

 

 

「ということですので、政府にはそう伝えてください」

 

「・・・・・・分かった」

 

 

あの人のことを言えば、さすがの政府も黙るでしょ〜。

 

クラスメイトは話しについていけないのか、疑問符を頭の上に出してる。あ、箒以外ね。箒は分かってるからね〜。

 

その後、箒とその姉についての暴露があったが、概ね原作通りと言った感じだ。・・・・・・原作って何だ?

 

 

 

 

 

「間に合うのですか?」

 

「・・・さあな。あの人は気まぐれだ」

 

 

一瞬、何を指してるのか分けわかんなかったけど、次の瞬間には返答してた。・・・やっぱり会話においては、主語は確実に必要だと思うんだ。

 

 

「まあ、訓練機ではないようで安心いたしましたわ」

 

「さすがに、そこまでは馬鹿ではないつもりだ」

 

「どのような機体で来ようともこの私、セシリア・オルコットにはかないませんけどっ!」

 

「まあご期待に添えるようにやらせてもらうさ」

 

 

兎にも角にも、まずISに慣れなくちゃいけない。でも、昨日聞いた話だと、訓練機の申請にはかなりの時間が掛かるみたいだ。

 

・・・・どうしたモンかな〜。今やれること・・・・情報収集かね?それなら一番適した人いるね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳で、昼休み。え?飛ばし過ぎだって?気にしちゃいけない。

 

箒やクラスメイトの誘いを断り、俺は屋上である人に電話をする。

 

 

『はい。こちら鳴海探偵事務所』

 

「久しぶりだな。兄弟子」

 

『お前っ!その声、一夏かっ!?久しぶりだなっ!お前色々と大変みたいじゃないかっ!TVで見たぞっ!!』

 

「あ〜まあ、これについては大体、予測はついてる。まあ、そこは置いといて、フィリップさんはいるか?」

 

『ん?何か探しものか?』

 

「ああ。対戦相手の情報っていうな・・」

 

 

そう言うと電話の向こうからため息が聞こえた。

 

 

『お前・・・早速厄介ごとに巻き込まれてるのかよ・・・』

 

「ただ一人のISを動かせる男だ。巻き込まれないほうがおかしいな」

 

『やれやれ・・・分かった。変わるからちょっと待ってろ』

 

「ああ」

 

 

こっちだって巻き込まれたくないって・・・・でも、向こうからかわせないスピードで突っ込んできたら無理でしょ?

 

 

『もしもし?』

 

「久しぶりだな。フィリップさん」

 

『久しぶりだね、一夏。なかなか面白いことになってるじゃないか。一体どうしたらそうなるのか、興味深いね』

 

「生憎とその質問には俺も答えられない。・・・それより、調べてほしいことがある」

 

『対戦相手の情報だったね。・・それでキーワードは?』

 

「キーワードは『セシリア・オルコット』、『ブルーティアーズ』の二つだ」

 

『分かった。・・・・では検索を始めよう』

 

 

その後、対策を練るのには十分な情報が集まった。・・・・なるほどね、そんな弱点が・・・・・

 

 

「なるほど・・・十分だな。これだけあれば対策は十分に練れる」

 

『それはよかった。ところで、いつ対戦するんだい?』

 

「月曜だ。結果はおって連絡する。依頼金も振り込まなくてはいけないしな」

 

『依頼金は入らないよ』

 

「いや、払わせてもらう。こういうのはちゃんとしたケジメが必要だ。それに・・」

 

『それに?』

 

「そろそろ、所長の結婚式だろう。そのための準備金に使えばいい」

 

『・・・・・分かった。ありがたくもらうよ』

 

「是非そうしてくれ。ではまたな」

 

『ああ。勝利を祈ってるよ』

 

 

激励を受けて、俺は通信を切る。・・・・さぁてと、十二分に対策を練るとしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、放課後。寮への帰り道。

 

只今、頭の中でシュミレートちゅ〜。うむむ、やっぱり自分の機体がどの程度か、正確に把握してないからいまいちシュミレートがうまくいかない〜。注文通りでも実際に動かさないとどんな感じかわかんないもんな~。

 

そんなこと考えながら歩いていると、道のど真ん中にウサミミがあった。そしてその横には『引き抜いて下さい』と書かれた看板が立っていた。

 

・・・・・とりあえず、千冬姉さんに連絡。

 

 

『どうした、織斑?』

 

「千冬姉さん。あの人が来た」

 

『・・・・・何っ!?どこにだっ!?』

 

「寮への道のど真ん中。ウサミミがある」

 

『分かったっ!今からそっちに行くっ!』

 

 

そして連絡を切った。・・・とりあえず、引き抜くか。

 

俺はウサミミを思いっきり引っこ抜いた。するとその先には・・・・『外れ』と書かれた紙が付いていた。

 

・・・・あれ?じゃあ、どこに?

 

すると上空から風を切り裂く音が聞こえた。

 

 

キィィィィィィィィィンッ!!!

 

 

思わず上を見ると、そこにはニンジン型のミサイルが落ちてくる様子が見えた。

 

・・・・・・・ミサイルっ!?

 

俺は慌てて後ろに下がる。そして次の瞬間、着弾。

 

 

「にゃはははははっ!!引っかかったね、いっくんっ!!」

 

 

その言葉とともにニンジンが縦にぱっくり割れた。そこから現れたのは、

 

 

「一か月とちょっとぶりだな。束姉さん」

 

 

篠ノ之束。現在行方不明とされるIS発明者だ。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、健康そうで何よりだ。束姉さん」

 

「束さんはいつでも元気だよっ!ブイブイっ!!」

 

「千冬姉さんがもう少しで来るから待ってくれ」

 

「うんっ!分かったよっ!」

 

 

ちょっと待つと千冬姉さんがすぐにやってきた。

 

 

「ちーちゃんっ!!やっほーっ!!」

 

「束・・・お前は少しは周りのことも考えろ」

 

「千冬姉さん、それを束姉さんに言うのは無駄だと思うが」

 

 

俺がそう言うと千冬姉さんは思いっきり溜息をついた。

 

 

「とりあえず、このあたり一帯は封鎖しておいた。・・それで束、一体何のようだ?」

 

「いっくんのISを持ってきたんだよ〜っ!もちろん、いっくんのご注文通りに仕上がってるよっ!!」

 

 

あ〜それで来たのね。どうやって持ってくるのか気になってたけど、まさかこんな派手に持ってくるとは・・・・

 

 

「あ、後ねっ!いっくん分の補給に来たんだよっ!!」

 

 

そう言うや否や、瞬時に俺に抱きついてきた。やわらかい感触がするけどスルー。・・・スルーったらスルーなんだっ!!

 

 

「う〜久々のいっくんのぬくもりだ〜」

 

「・・・相変わらずよく抱きついてくるな、束姉さん」

 

「だって一か月も会えなかったんだよ〜?」

 

「そこまで長くないと思うが・・」

 

「束さんには十分に長いんだよ〜」

 

 

そのまま俺が抵抗せずに抱き合っていると、なぜか不機嫌になった千冬姉さんが無理矢理引き剥がした。

 

 

「もういいだろう。それよりISはどこだ?」

 

「う〜もうちょっと抱きついてたかったのに〜。ま、いいや。ではではっ!上空をご覧あれっ!!」

 

 

すると、上空から金属の塊が降ってきた。・・・・・危なっ!?当たったらどうするんだよっ!?

 

その塊は黒と赤でカラーリングしてあった。

 

 

「これがいっくん専用機、『黒菊』だよっ!!」

 

「・・・・・黒菊・・」

 

 

また大仰な名前だこと。・・・・菊、ね。花言葉は高貴、真の愛とかか・・・・俺には似合わないな・・

 

まあ、名に恥じぬようにやるしかないか・・・

 

 

 

 


 
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