No.392118

IS《インフィニット・ストラトス》 駆け抜ける光

少年は人の暖かみを知った。
世界から見捨てられていた少年が成長し、ISを動かせるまでになった。
少年は戦う、母の為、この暖かみを伝えるために……

純粋にIS、ガンダム好きの人は嫌悪感を感じてしまうかもしれません。もし感じたならすぐに、戻られることをオススメします。

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2012-03-15 22:08:10 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4133   閲覧ユーザー数:3906

 

 少年は不思議な能力を持ってこの世に生を受けた。しかし、両親は気持ち悪がって少年を研究所に渡した。

 研究所内での生活は残酷なものだった。少年の他にも同い年の子がいたのだが、全員実験材料にされ、幼き命を散らす者もいた。拷問にも近いそれを耐えるのに疲れた少年は運よく研究所から逃げた。

 逃げたのはいいが食料も無し、体力の限界も迎え、少年は倒れた。

 

「あぁ、僕はここで死ぬのか……せっかく逃げたのに、みんなと同じように……」

 

 少年は死を覚悟した。誰も助けてくれない、こんな奇怪な能力があるからこんなことになったと、彼は自分を始めて呪った。

 

「……! 大丈夫か!?」

 

 その声の方向へ向こうとも力が入らない。だが、声からして女性なのは分かった。

 

「誰がこんな酷いことを……! 頑張って耐えてくれ!」

 

 女性は少年を抱き抱えると、走っていく。

 

 

 

 

「目が覚めたか?」

 

 少年はいつの間にか寝ていたようだった。目が覚め、周りを見渡す。

 この女性の部屋なのか、生活に最低限の物しかなく、いたってシンプルだ。

 

「全く、こんな小さな子を捨てるなんて……親失格だな!」

 

 女性は怒りをあらわにしている。少年にはなんで怒っているのか正直分からなかった。

 

「あの……なんで怒ってるんですか……?」

「当たり前だ! 君は捨てられたんだぞ!? 君はどうも思わないのか?」

「……だって、ぼ……僕は、普通じゃないから……」

 

 そう。こうなったのも全部、この奇怪な能力のせい。普通に両親と暮らして、友達遊んだりしたかった。でもそんなことは許されないんだ……。

 

「……何を」

「え?」

「何を馬鹿なことを言っている! 普通じゃない? だから何だ!? だからって人を捨てるのか? 君はそれでいいのか!?」

 

 少年は迷わず答える。その声は小さいが意志のこもった声で、

 

「い、嫌だ……僕だって、お父さんやお母さんと一緒に居たかった! でも……う、うぁぁぁぁぁん」

 

 少年は泣いた。今までの辛かったことを思い出したのだろう。少年にとって世界は残酷なものだった。

 泣いていると、女性が少年を抱きしめた。

 

「大丈夫だ。私が君の母親になるよ。私じゃ、役不足かもしれないが、それでも……」

 

 女性の慈愛に満ちた声とその暖かみを感じて、少年は

 

「お母さん……お母さん!」

 少年はこの時、人の暖かみを知った。そして少年は誓った。

――もう僕は逃げない……この能力も正面から向き合うんだ。そしてお母さんに恩返しするんだ!

 

 
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