No.342516

ゴーストと女王 終

ノエルさん

丁度区切りがいいのか分からないがこんな風に終わったと思うので無理矢理終らせてた。
気晴らしになればいいです。

2011-12-03 00:16:49 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:612   閲覧ユーザー数:586

 

3日目

 

朝になり再び戦いが始まってから2時間が経った時、何所からともかく大きな爆発音が聞こえてきた

 

「今の爆発音はいったい」 ダダダダダダッ!!

 

「今はそんな事よりも目の前の敵に集中しろ。倒せるようになったといっても油断すると死ぬぞ!!」

 

10名の男女が円陣を組みながら迫り来るゴーストを相手に銃で応戦していた。

 

「わかっている。けど、いくらなんでもこう多いと、弾が尽きないか心配になるな」

 

「そうね。(ギロ!!)こいつ等がバカな事しなければ、心配なかったんだろうけど…」

 

「なんだよ。俺達だけのせいじゃないだろう」

 

「そうだ。俺達は学園のトップとしてみんなを…」

 

「血を付けずに弾を撃っても効かない事を知っているにも関わらず、こいつ等に血も付けずに無駄弾を使うの事の」

 

「何所が俺達を助ける為だって…えぇ!!」

 

「ちょっと、今はそれどころじゃ…………きゃぁぁぁぁぁ」

 

「しまった!!」

 

ザシュッ!!

 

攻撃の手を休む事無く窮地に陥った原因を責め立てているときに弾幕をぬけたゴーストが一人の女性に迫り来たとき

 

「…まだこんなところに居たのか。何してるんだ」

 

「あの、この人たちは一体?」

 

「あぁ、今回の犠牲者だよ」

 

「…そうですか。ホント申し訳ありません」

 

「あなたが謝る必要はないだろう。しかし、君は誰なんだ」

 

「わ、私は…」 「彼女はヘレン此処の研究員共に捕らえられていた人だ」

 

「で、その人が何故此処にいるんだ」

 

「助けたからに決まっているだろう。そもそも俺は彼女を助ける為に此処に舞い戻ったんだからな」

 

「どういうことだ」

 

「おしゃべりはこの辺にして第2陣が来るぞ」 チャキッ!!

 

 

 

女性性はゴーストに殺されるところを少年により助けられ、さらに周囲に群がっていたゴーストもいつの間にか切り殺されていた。そして、少年の傍らにいる女性ヘレン事少年のことを聞こうとした矢先再び奴等がやってきて攻撃し始めるが少年の手によって瞬殺される。暫くその繰り返しが続くと

 

「もう終ったみたいだな。これでもう何所にいても安全ということだ」

 

「(チラッ)あぁ、だけどまだ一体残っている。それが来る前に此処から離れるんだな」

 

「(コクッ)そうですよ。アレが来る前に離れましょう」

 

「…腑に落ちないが彼が冷や汗をかいているんだ。此処から離れた方が良さそうだな。みんな此処から離れるぞ」

 

「そうよ。とにかく此処から離れましょう」

 

「そうだぜ。とっとと離れようぜ」

 

「……………あんたに頼みがあるんだが」

 

「何だ一体」 「彼女も一緒に連れて行ってくれないか」

 

「私も一緒に…」

 

「俺は沙羅と約束したんだ。絶対お前を助けると。だからこいつ等と一緒に安全なところまで逃げろ」

 

「あの、一人で戦うよりもみんなで戦った方が良いのではないでしょうか?」

 

エレンの言葉に2人ほど嫌な顔をしたが残りは『そうだ』といわんばかりに頷いた。が、ヘレンと少年が首を横に振った

 

「此処にいるゴーストは全滅したが後1体いるんだが」

 

「…1体ならここにいる全員で畳み掛ければ直ぐに済むだろう」

 

「そうよ。全員で掛かれば大丈夫よ」

 

「えっと、その1体が問題なんです」

 

「どういうこと」

 

「その1体は様々な細胞を組み合わせたゴーストなんだよ」

 

「…恐らく、弱点は克服されています。銃に頼っている貴方方では足手まといです」

 

「ふざけるな。それならこいつだって勝てないだろう」

 

「ま、大丈夫だろう。それに、明日の正午になれば死滅するしな」

 

「どういうことだ」 「こいつ等は強大な電力を提供されていなければ生きていけない生物でね」

 

「その供給源は彼が潰してくれましたし、死滅は時間の問題です」

 

「なら、それまで逃げ切れば…」

 

「それができれば苦労はしないんだが」ヒュンッ!! ガキンッ!!

 

 

 

少年が振り向きざまに刀で一閃すると黒い物体に覆われた者によって防がれる

 

「チッ…もう来たのか……おい、隊長さんみんなを連れて逃げろ!!」

 

「…あ、ああ。みんな此処から離れるぞ!!ほら、ヘレンさんも」

 

「え、ええ。死なないでね」

 

ギギギギギッ!! キンッ

 

「それにしても、全く傷が付かないのもちょっと傷つくな」

 

激しい攻防の中、落ち着いて離れていくが、2人ほど我先にと人を押しのけ走り出した。その際、女性が一人吹き飛ばされ足をくじいてしまった。

 

「ちょっと待って…」

 

「何してる早く行け!!」

 

「足をくじいて…イヤァァァッ!!」 ブンッ!!

 

「チッ!!貴様の相手は俺だろう」ドカッ!! ヒュン…ギシッ

 

「ほら、立って此処から離れろ」

 

少年は足をくじいた女性を立たせると戻ってきたエレンに預ける。と同時に『ブチッ!!』と切れた音と共に少年は鋼線を使い2人を遠ざけるが、相手がその隙に少年に斬りかかる。少年も刀でそれに対抗する。

 

キンッ!! ザンッ!! ポタッポタッ ビリッ!!

 

「…………全く、他人にかまっていられる相手じゃないってのに。ま、命があっただけ良かったかな……それにしても、まさか君が実験体になってるとはな。沙羅」

 

「…………そうね。まさかこんな形で生き返るなんて思ってみなかったわよ。でも、今はシオンあなたを消す為の兵器だけどね…(ビリッビリリッ)あなたとは3年ぶりだけど始めましょうか」チャキッ!!

 

ギュッ!!「いいのか折角の防護服を破いて「どうせ破られたんなら意味無いわよ」そうか。じゃ、始めるか」 チャキッ!!

 

両者が再び激突する中、此処から離れた生き残りはヘレンに先ほどのゴーストの事を聞いていた

 

「ねぇ、彼大丈夫かな」 「私のせいで彼の左腕が…」

 

「あれは一体なんなんだ?」 「なんで、ゴーストが刀を使っていたの」

 

「………ゴーストは人型から魚類まで様々なタイプがいるでしょう?」

 

「そんなの常識だろう」

 

「あれは………3年前の犠牲者の中から特に強い人に……ゴーストの遺伝子を組み込んだ全く新しいゴーストです」

 

「はぁ、もともと人型がいるんだから、人に組み込む必要はないだろう」

 

 

 

「…人に組み込むことで人の知能と彼等の動きが合わさっているの。それと同時に刃物に対する抵抗を上げるための材質が唯一適合した存在なの」

 

「そんなものがあったのか。けど、あれは人を基にしたにしても出鱈目だろう」

 

「彼女は…「彼女?女の人なんですか」…ええ、彼女…沙羅は3年前、彼…シオンの次に強かった人ですから」

 

「あの、シオンって誰…」 「誰だ、聞いたことも無い名前だが」

 

「誰って…先ほどまで一緒だったじゃないですか…もしかして名前知らなかったんですか」

 

「………ええ」 「始めて聞いたぞ…というか今まで名前すら出てこなかったが」

 

安全地帯ということもあってか一応周囲を気にしつつ、ヘレンより自分自身がゴーストの王女ということも踏まえて説明を受けていた。

 

沙羅とシオンが戦い始めてから22時間後…4日目の午前10時、終了まで後2時間

 

キンッ ドカッ ヒュンッ ギギギギッ ガキンッ

 

「ハァ、ハァ、ハァ、沙羅…次の一撃で終わりにしないか。それにしても3年前は俺のほうが少し強かったのに、今じゃこのざまか」

 

「…そうね。私もそろそろ限界みたいだし。いいわよ次の攻撃で最後にしましょう」

 

「「ハァァァァァァァァァッ!!」」 ドゴォォォォォォォォン!!

 

身体中が傷だらけのシオンと傷だらけながらも余力を残しているが所々ボロボロに崩れ始めていた。そして両者が激突すると激しい閃光と共に爆発が起き、施設が崩壊した

 

生き残った生徒は爆発による瓦礫からボロボロになりながら脱出。とりあえず、シオンを探す為、全員で手分けをして(2人以外)探すことにした。が、見渡す限り瓦礫だらけで人の姿を見つけることが出来なかった。

 

探し始めてから30分後、どうするか全員で話し合うために一度集合した時、へレンがある一点に眼を向け身構えると全員がその方向に眼を向け同じく身構えた。そこには、シオンと戦っていたはずのゴーストがボロボロになりながらもこちらに向かって歩いていた

 

「…どうする。ボロボロになっているとはいえ、俺達で勝てるか」

 

「弾ももう残ってないし。万策尽きたかな」

 

「…良かった…まだこの辺に…いて」

 

「おい、俺達をどうするつもりだ」

 

「エレンどうしたの?」

 

それぞれが身構えている中、エレンだけが身構えもせずに彼女が背負っている人物を見つめていた

 

「ねぇ、シオンを助けてくれたの」

 

 

 

「…シオン!!どうしたの。沙羅一体何があったの」

 

「…ヘレン…良かった。…無事だったのね…お願い…彼を…シオンを助けて」

 

へレンがゆっくりと、最後の攻撃の祭に自分を攻撃しなかったこと。自分の攻撃を受けてこのままでは死んでしまうこと。研究所が完全に吹き飛んだお陰で、自分を取り戻せたことなどを話した。

 

「命令とはいえ…彼を殺そうとした…でも…シオンには死んで…欲しくないのよ」

 

「助けるたって治療道具なんて持ってないし。どうすればいいんだよ」

 

「ええ、それに、私達を助ける為に不利な状況になったんですもの。助けたいって思うけど」

 

「一体どうすればいいのかしら」

 

それぞれが、シオンを助ける為に一体自分に何ができるのか。どうすれば助けられるのか考えているとヘレンから思いもよらない言葉がかけられた。

 

「…私なら何とかなるかもしれない」

 

「いくら女王だからといってこの傷を治せるわけが…」

 

「ホントなのヘレン」

 

「ええ、私の存在を亡くせばたぶん助けられる」

 

「どうしてそうなるんだ」 「そう世別にあなたが死ななくても」

 

「それは…」

 

「ヘレンは過去…そして現在の自分…と存在は繋がって…いるんだよ…母親も同じだったが…」 ガハッ

 

「シオン!!気がついたのか「君達に…名乗った覚えは無いが」ヘレンさんが教えてくれたんだ。それよりも、それと彼女の死がどう関係しているんだ」

 

「つまり、母親の存在が消えている今、彼女の存在がなくなれば、ゴースト自体が生まれず、それによる今の状況も生まれないということですか」

 

「しかし、貴様はいいのかシオン。ヘレンさんを助ける為に此処に来たんだろう」

 

「いいわけ…無いだろう…」 ガハッ!!

 

「これでいいのよ………さて沙羅、友人としてお願いできるかしら」

 

シオンを気絶させたヘレンはすでに消えかかっている沙羅に最後のお願いをした。

 

「ええ…分かったわ…それに…“王女ヘレン”の存在が消えても、“ヘレン”には会える気がするから…シオンも気づいてる…でしょうに」

 

チラリとエレンを見た沙羅は、残っている最後の力を振り絞り刀を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、シオン知ってる。今日うちのクラスに転校生が来るんだって」

 

「ん、そうなのか。可愛い女性だと嬉しいな」

 

「(ピキッ)あら、私みたいに可憐な女性が近くにいるのに他の女に目が行くってどういうこと」

 

「…可憐って、毎回技の実験台に俺を使う人の何所が可憐だよ。沙羅の技は最早凶器に近いよ」

 

「あら、その凶器に近い技を毎回毎回、紙一重にかわすのは誰かしら(手当てしたいのに///)」

 

「沙羅の技はかわさないと死ぬからマジで…せめて手加減してくれ」

 

「あら、あら道場の跡取りが何言っているのよ。それに、手加減したら当てるどころか逆に攻撃されるじゃない」

 

毎朝そんなやりやり取りをしながら仲良く通学路を行く2人、教室に入るとそれぞれの席(実は前の席)についてもいまだ口論を続けている

 

「シオン。仲が良いのはいいが、毎朝していて飽きないか」

 

「沙羅も、素直になればいいのに」

 

「ん、沙羅をからかうのが楽しいんだが」

 

「ちょっと、何言ってるのよ。私はいつも素直よ///」

 

「アハハハハハハハ」 「お前等、ホームルームを始めるから席に着け。それと夫婦漫才はもういいのか?」

 

「先生、流石に沙羅と夫婦になったら死にますよ(物理的な意味で)」

 

「ちょっとどういうことよ!!」

 

「お前等、夫婦喧嘩は後にしろ………転校生を紹介する…入ってきなさい」

 

2人は納得いかないまま転校生を招き入れる先生。そして、教室の扉が開き2人の女性が入ってきた

 

「始めまして姉のヘレンと言います」 「えっと、妹のエレンです。宜しくお願いします」

 

「妹さんは年下だが、諸事情により2人ともうちのクラスで預かることになった。まぁ、ぶっちゃけ、このクラスには鬼よりも強い2人がいるから護衛には最適だそうだ…シオンは聞いてるだろう」

 

「はい。なんか、派閥だどうたらこうたらとジジイに聞きました」

 

「(ピキッ!!)私は何も聞いてないけど」ゴゴゴゴゴゴッ!!

 

「と…言うわけだ、皆仲良くするように。席はシオンの両隣に座ってくれ。じゃ…」

 

教師は説明もろくにしないまま逃げるように教室を出て行った。決して沙羅の存在が怖いわけではない。

 

「宜しくお願いします。シオン」 「あ、あの、宜しくお願いします」

 

「///まぁ宜しく」 「シ・オ・ン、何デレデレしてるの。あわたしこいつんとこの道場で門下生をしている沙羅というの2人とも宜しく」

 

「貴女が沙羅さんですか。お話はシオンからよく聞いています」 「うん」

 

「ヘェェ。一体どんな話なのかしら」 「それは…」 「ヘレンそれは、内緒の約束だろう。エレンも『じゃ、私が』じゃなくて、内緒で頼む」

 

「しょうがないか。これは貸しにしておくわよ」

 

 

 


 
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