No.228048

真・恋姫無双~2人の飛将軍~ 第9話

cavalさん

反董卓連合と董卓軍の争いは終わった。
だが新たな戦乱は刻一刻と迫ってきていた・・・

作者)
第10話の投稿予定は7月15日か16日

2011-07-15 06:50:20 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:19100   閲覧ユーザー数:15705

どうも、作者です。

 

本編に入る前にいくつか謝罪をしておきます。

 

まずこの物語ではよく殺気や闘気、気合、氣といったものを多用します。

 

前回のコメントにもありますが、たしかにこれらは他の小説、漫画等で良く使われているのは作者も重々承知しております。

 

これらを多用する理由ですが、いままでの話を呼んでくださった方はなんとなく分かっているかもしれませんが、よくある「~流奥義!」とかなどのいわゆる「技」の使用をしないためです。

 

1対多数戦が多い一刀を描くときにプレッシャーを与えるということを闘気や殺気であらわしているつもりです。

 

このプレッシャーで人が倒れたり、なにかしらの破壊を生み出すことは現実では基本ありえないためにあまりピンと来ない方もいると思います。あまりこのように言うのは原則禁止かもしれないのですが「そういうもの」と解釈していただけると作者側としては執筆作業が楽になります。

 

しかしそういうのはやめろという方が多い場合は作者側で考慮できる部分は考慮します。しかしその場合すべての設定、話の流れを元から変更するため再設定のためのお時間を頂くことになります。

 

また前回「洛陽に入った際の諸侯の反応を見てみたかった」というコメントが多くありました。前回の話し中の時系列の関係上、諸侯達の洛陽見学を埋め込むことができませんでした。

 

先に今回の内容で「諸侯が洛陽を見てどう感じたか」という描写はあまり書かれておりません。

 

桃香や白蓮は別にして、史実を元に華琳や雪蓮など事実がどうあれ、天下統一や自国独立のための第1歩と考え連合に参加している諸侯が多いというのが理由になります。

 

このことをご理解の上本編を読み進めていただけるとありがたく思います。

第9話 新たな光

 

反董卓連合との戦いから2日後、勅命によって反董卓連合に所属した華琳・雪蓮・翠・桃香・白蓮・麗羽が洛陽の東門前に集まっていた。

 

「ここが洛陽・・・」

―――あのことが本当かどうか確かめないと・・・

桃香が洛陽の城壁を見上げる。

 

 

「開門!」

門番の声に合わせ、洛陽東門が開き洛陽から白銀の羽織をまとった一刀が歩いてくる。

そして諸侯達の顔を一通り見た上で声をかけた。

 

「ようこそ。洛陽へ」

一刀は各諸侯たちを洛陽へ招き入れた。

 

「こ・・・これは・・・」

さすがの華琳すら驚愕をあらわにする洛陽の町並み。

洛陽城までの道は綺麗に整地され、その両側では多くの商人たちが店を構えている。

裏道等も明るく、衛生面もかなり良い。そしてなによりも洛陽の町人は皆笑い活気に満ち溢れていた。

諸侯たちはその光景を純粋に敬意を持って眺めていた。

 

諸侯達を先導していた一刀は振り返りつつ言い放つ。

「さてこれが真実だ。」

 

桃香は本当の洛陽の姿をみて恐怖で体が震えだした。帝へ歯向かったことへの恐怖ではなく、もしかしたら自分達の勘違いでこの町を戦場にしていたかもしれないという恐怖。

 

「これから洛陽城に向かう。献帝があなたがたに話があるそうだ」

 

その後一刀に先導された諸侯達は洛陽城に入り、玉座の間へ。

 

「陛下。反董卓連合に所属した諸侯達を連れてまいりました」

一刀が協に報告を行う。ほかの諸侯は頭を下げている。

 

「それでは陛下。私は長安へ移動いたします。」

 

「うむ、なにか助けをもとめるかもしれんがそのときは頼むぞ。道中気をつけてな」

 

「ありがたきお言葉。それでは失礼いたします」

そして一刀が立ち上がったときに協と目が合う。

 

―――一刀あとは私にまかせよ

―――頼んだよ、協

 

もう一度礼をした一刀は玉座の間から退室した。

 

そして協が言葉を出す。

 

「反董卓連合大将袁紹!顔を上げい!」

協の言葉に一度体を震わせた麗羽は顔を上げる

 

「そなたはなぜこのような連合を起こした」

 

「そ、それは悪政に苦しんでいるという洛陽の民を助けるべく・・・」

 

「袁紹!ならば聞こう。民のためというならばなぜ軍を率いる前に洛陽に来なかった!」

 

「そ、それは・・・民も救い、そして陛下をお助けするために」

 

「朕を助ける?」

 

「董卓めに傀儡とされていると聞き、董卓からその御身を・・・・「だまれ!下郎!」・・・へ・・・陛下?」

 

「朕が董卓の傀儡にされている?朕を助ける?そなたに朕がいつ助けを求めた!それどころか朕を誘拐し幽閉しようとした十常侍からの情報を鵜呑みし、朕を助けてくれておった董卓を討とうとしたそなたに『朕を助ける』という言葉をいう資格などない!」

 

「し、しかし陛下・・・」

 

「もうそなたに話すことはない!」

そして協は麗羽から視線を離し華琳に向き直る。

 

「曹孟徳!劉備元徳!公孫伯珪!馬孟起!孫伯符!」

 

「は!」

協に呼ばれた華琳たちが顔を上げる。

 

「そなた達なにか申し開きはあるか!」

最初に華琳が口を開く。

 

「袁紹の檄文が真実と思い兵を挙げ、結果として陛下に刃を向けてしまったこと真に申し訳ありません。いかなる処罰をも受ける所存でございます。」

 

桃香・白蓮・翠は華琳とほぼ同じ返事、雪蓮は美羽に小蓮を人質に取られ参加せざる得なかったと説明した。

 

「反董卓連合に参加した諸侯への処罰を発表する。曹孟徳、劉元徳、公孫伯珪、馬孟起、孫伯符!袁紹の虚言であったとはいえ洛陽の民や朕を思い兵を挙げたというその思いはよくわかった。またそなたらは先の黄巾党討伐においても大きな成果を挙げておる。任地での政務の評判もよく民たちにとって良い領主だとも聞いている。よってその功績によって今回連合に参加したことへの処罰は不問にいたす」

 

「「!」」

予想もしていなかった協の言葉に華琳たちは驚いた。

「そして曹孟徳!そなたに謀反人袁紹・袁術討伐連合の大将に命ずる。」

 

「は!陛下への信頼を必ずや取り戻せるよう全力で勤めます!」

 

「劉元徳、公孫賛、馬孟起、孫伯符!そなたらも同様謀反人討伐を命ずる!漢への真の忠誠を見せてみよ!」

 

「「「「は!」」」」

 

その言葉に呆然としていた麗羽が声を上げる

「へ、陛下!華琳さんたちはお許しになって私達は謀反人なのですか!?」

 

「袁紹。朕はすでに言ったはずだ『そなたに話すことはもうない』と」

協が麗羽に冷たく言い渡す。

 

「そなたは朕の命を狙ってきた十常侍の言葉に乗り、朕の恩人である董卓を貶めようとし、あまつさえこの平和な洛陽に戦を持ち込もうとした。この罪は万死に値する。袁術は朕に刃を向けたのにもかかわらず勅命にも逆らい自領へ戻っている。これは朕への謀反である。それに曹操たちの善行は天の御遣いと民が保障している。」

 

「な!あの者はただの飛将軍よばれるだけの男で・・・」

 

「だまれ袁紹。それ以上我が命の恩人である北郷一刀を汚すことはゆるさん。そうそうにこの城から立ち去れ!」

 

その言葉に一瞬我を忘れた麗羽だったが、麗羽同様呆然としている斗詩と猪々子を連れて玉座の間から退出する。玉座の間を出たあとの麗羽の顔は怒りで埋め尽くされていた・・・

 

―――北郷一刀・・・あの男だけは絶対にゆるせませんわ・・・

麗羽が出て行くのを確認した協が華琳に話しかける。

 

「曹操、逆賊討伐には今洛陽から長安に向かっている『飛将軍』北郷と呂布も参加することになっておる。また先の戦いにおいて兵糧が心もとない場合禁軍のを分け与えよう。しっかりとやってみせよ」

 

「はっ!陛下の温情に感謝いたします。各諸侯の準備が出来次第討伐を行います」

 

そして華琳たちも玉座の間から退出していく。

その様子を見ながら協は心のなかで一刀に呼びかけた。

 

―――月、一刀そなた達からもらった恩をこれで一部は返せたかしら・・・

 

 

洛陽中心街

 

「ふむ、さっき袁紹らしく人がすごい形相で出てきましたけど、こちらの方々はなにか共通意思をもってますねー。さしずめ袁紹討伐といったところでしょうかー」

宿屋の2階からその諸侯達を見ている少女は頭に彫像のような者を乗せていてそれに棒つきの飴を持たせている。彼女の名は程仲徳。真名は風。

 

「風、どうです?曹操様はいましたか?」

「あの人ですねー」

風の後ろから道を覗き込んだ女性は風の指差した華琳をみて、

 

「あれが曹操様・・・ぶはっ!」

綺麗な鼻血のアーチを描いた。

 

「はーい、凛ちゃんートントンしますよートントン」

「フガフガ」

彼女の名は郭奉徳。真名は凛。1個妄想の材料を与えると10個の妄想をしてしまうのが玉に傷。

 

彼女たちは軍師希望でどこかの諸侯に仕官をしようとして諸国を回っていたとき、反董卓連合のことを聞き、凛が「諸侯が洛陽にあつまるのでは?」という予想し洛陽を目指して到着したのが昨日。

 

そして凛の予想通りに諸侯は洛陽に集まりいまその代表達を見ることができた。

 

「凛ちゃんのその様子だとやっぱり当初の希望通りに曹操様のところですかー?」

凛の鼻血が止まった後、風が凛にたずねる

 

「そのつもりです。曹操様に御使えするのが私の夢だったのですから。それをいうと風。あなたはどうするのですか?」

 

「風も決めたのですよ」

 

「曹操様ですか?」

 

「いいえ、曹操様ではないのです。風は・・・」

一刀は洛陽から長安へ向かう途中で休憩を取っていた。月や詠たちは昨日の段階で出発しており、現在一刀は1人で長安を目指している。

 

―――もうそろそろ月たちは長安に入ったかな・・・さて・・・

 

一刀は腰に挿している日本刀に手をかけながら声を出した。

「出ておいでよ。」

 

すると一刀の後方の草むらのなかから1人出てきた。

「いつからご気づきに?」

足元まで届きそうな長い黒髪に、背中に長刀を背負った少女が現れた。

 

「洛陽を出てからかな。そして君は周泰かな?呉でもっとも優秀な影役といわれる」

 

「な、なぜ私の名を・・・」

名乗っていないのに自分の名を言い当てられた驚きと賞賛されてうれしい気持ちが葛藤している周幼平。真名は明命。

 

「天の知識さ。さて周泰。君はオレを監視してた『だけ』ではないのだろう?」

 

「!」

 

「君が本気を出せばおそらくオレなんかでは見つけることができないはずだ。なのに今回あまりにも簡単な尾行だけ。まるで見つけてくださいといってるようなものだ」

一刀が違和感を説明すると明命は納得した表情で答えた

 

「だからこそ洛陽から離れ人目が少ないところでわざとに足を止めたのですね。さすがは『飛将軍』北郷様ですね。北郷様のおっしゃるとおり周瑜様から言付けを預かっております。『今回は大きな借りをつくったな』と。こう北郷様にお伝えすれば北郷様は分かるだろうとのことです」

明命は冥淋からの言付けを一刀に話す。

 

―――さすがは冥淋。気が付いたか・・・

 

「うん、わかった周泰。そうしたらオレから周瑜に『お膳立ては済んだ。あとは君達次第』と伝えてくれ。」

 

「分かりました。では」

一刀の言葉を聞いた明命は一刀に礼をし姿を消した。

 

明命がいなくなったのを見た一刀は日本刀から手を離し空を見上げる。

「いい天気だ・・・・っ!」

ドクン

 

一瞬であったが胸に強烈な痛みが走った。

 

―――この痛みはいったい・・・

 

しばらくして一刀はこの傷みの理由を知ることになる・・・

あとがき

はい、どうも作者です。あまり時間がなかったため今回はあまり場面が進行しておりません。

 

今回は反袁紹・袁術討伐連合結成を主軸に、洛陽の町並みや、風・凛・明命の新キャラの登場を行いました。反袁紹・袁術討伐連合結成までの流れですが、9割無理やりというダメダメ具合。ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ、作者の創造力ではあれが限界だったのです(´・ω・`)

 

次に風と凛、明命について

風の仕官先は次回分かります。お楽しみに。

凛は本編通りあのあと華琳の元に仕官します。

 

一刀は一応蜀ルートでしたが蜀呉は連合を組んでいたため冥淋や明命のことを知っています

 

次回から第3章袁紹・袁術討伐編に入っていきます。お楽しみに。

 

ここからは本編とは関係のないお話

 

 

皆様の御愛顧のおかげでこの「真・恋姫無双~2人の飛将軍~」が「hot」のところにまさかの2作登場しました。あの場所に出てくるなんてまったく想定もしてなかった作者はリアルに「(゚д゚ )」となっておりました。

 

またお気に入り登録をしてくださった方が現時点で99名に達しており、投稿開始からまだ1週間しかたっていないのに100人に到達しそうなことに作者は感謝感激です。

 

まだまだはずかしいところ、間違っているところなど多々あると思いますが、がんばって完結までもっていけるようにがんばっていきますので、これからも応援よろしくおねがいします。

 

では次回第10話でお会いしましょう。


 
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