とある魔術の禁書目録
あなたに救われて
「……白井……好きだ!」
「あ、あなたはいきなり、何を言っていますの!?」
そういう白井の顔、耳まで赤く染まっていた。
「いきなりじゃない! 俺はお前のこと……ずっと……好きだったんだ!」
そういながら上条は、白井のことを強く抱きしめた。そして、徐々に近づいてくる。
「………………っ!」
白井は、緊張と恥ずかしさで声を出せなかった。そして、残り数cmにまで近づいていた。白井は、もう少しでキスをする寸前で目を覚ました。
はぁ、またこの夢ですの。
彼女は今、常盤台中学の寮に一人で暮らしている。この夢を見るようになったのは、5日前の出来事がきっかけだ。
なんで、こんな夢を……。
白井は、先ほどまで見ていた夢を思い出す。彼の真剣な顔、彼の力強さ・ぬくもり、そして、彼の唇を思い出す。それだけで白井は、顔を真っ赤に染め上げる。そして、白井は頭を左右に振り、必死に忘れようとするがなかなか頭から離れてくれない。それどころか、どんどん鮮明に思い出してしまう。そして、こうゆうふうになってくれないかなと思う気持ちがあることに、白井自身が驚いていた。
そ、そのようなこと思うわけがありませんの。こ、これはきっと一時の気の迷いですの。
と、心の中で必死に否定しようとするが、そうするたびにあの夢を思い出してしまう。
カァァァァァァッ!
あ~っ! もう、一体なんなんですの~!?
白井は、寮のベッドの中で一人悶々としていた。
その頃、上条当麻は……
「……はぁ……出会いがほしい……」
そうつぶやくと……
ドカッ! ボカッ!
両隣から、こぶしが飛んできた。今、上条は土御門と青髪ピアスと一緒にいる。
「……痛ぅ……何するんですかぁ!?」
「いや~カミやん! カミやんがそれを言っても嫌味にしか聞こえねぇんだよ!」
「その言葉をひがみに、そこいらじゅうからけったいなおなごがでてきそうやもんなぁ~!」
上条は、前にもこれと同じことがあったな、と思い出していた。
今、この三人は日曜日だと言うのに
「あなたたち3人はバカだから補習で~す!」
と、ラブコールを小萌先生から受けて学校に向かっている途中だ。3人は、日曜日まで補習に出ないと留年してしまう恐れがあるのだ。特に上条は、事件に巻き込まれたりしていて、学校になかなか行けなかったりするので特に危うい。そして、上条たちは補習を昼前まで頑張った。
12時半を過ぎた頃、上条たち3人は近くのファミレスにいた。
「今日の補習はこれで終わりでーす! 皆さん午後はゆっくりやすんでくださいなのです」
と、なぜか今日は午前中で補修が終わったため、3人でご飯を食べようということになったのはいいが、
「なぜ、お前らがここにいる!?」
「べ、別になんだっていいでしょ!」
「私と初春は、御坂さんが入ってくのが見えたから、一緒にお茶でもしようかなと思いまして」
「は、はい! そうなんです」
ちなみに、佐天も初春も上条と面識がある。
なぜか、御坂と初春と佐天も一緒になって座っていた。初春と佐天は、本当に御坂がこの店に入っていくのが見えたからなのだが、御坂は、上条が補習を終えるまで待ち伏せをしていたため本当のことは口が裂けても言えなかった。ちなみに、服装は3人とも私服だ。
そして、席順も困ったことになっていた。左から、青髪ピアス・初春・佐天・上条・御坂・土御門といった順番だ。しかも、青髪ピアスと土御門からは殺意のこもった視線を感じていた。
あ~……これは、後でボコられるな
などと思いながら上条はメニューを見ていた。
全員が料理を決めて注文し終えると、佐天が上条にいきなりこんな質問をしてきた。
「上条さんは今、気になる女の子ってだれかいるんですか?」
ヴゥッ!
上条はいきなりこんな質問がくるとは思っていなかったのでむせてしまった。
「ゲホッ……ゲホッ…… な、なんでそんなこと聞くんだ?」
上条は、呼吸を整え質問を質問で返すと、佐天は頬を赤く染め、こんなことを言ってきた。
「……だって……上条さんの……気になる人のこと……気になるんですもん……」
佐天は、最後のほうはうつむいて、声が小さくなり、上条は上手く聞き取れなかったが上条はそんな佐天を見て、
「……かわいい……」
と、思っていると周りの4人と白井が上条のことをジト目で見ていた。
白井は、はぁと溜息をつき呆れたように
「あなたたちは、一体何をやっていますの?」
「白井!? なんでここに?」
「な、なんでって……ぐ、偶然ですの…」
なぜか、あわてる白井。
本当は、町をぶらぶらしていて、お姉さまに会えないかなと思っていたら、このファミレスに入っていくところを偶然目撃して、お姉さまと二人きりになるチャンスをうかがっていたのですけれど、そんなことは言えませんわね。
「お姉さまが一緒なら、ご一緒しますの」
と言いながら、なぜか、上条と御坂の間に座ってくる
なぜ、わたくしはこの殿方の隣に? 違いますの、これはお姉さまとこの殿方を離すためですの。
と、思っていると御坂が不満の声を上げてきた。
「ちょっ、ちょっと! なんで、わざわざこんな狭い所に座ろうとするのよ!」
「まぁ、いいではありませんの! それとも、この殿方の隣がいいとおっしゃいますの?」
「べ、別にそんなじゃないわよ!」
「それでは、かまいませんわよね?」
「……グゥ……」
御坂は今にも、電撃を出しそうなほど不機嫌になってしまった。
ちなみに、青髪ピアスと土御門はものすごい殺意を込めてこっちに見てくる。
「……はぁ……不幸だ……」
周りには聞こえないくらいの小さな声でつぶやいた。
そして、注文した料理がテーブルの上に並べられた。
料理を食べていると上条が白井にこんなんことを話してきた。
「白井、あの後大丈夫だったか?」
白井はすぐにぴんときた。
「ええ、大丈夫ですの」
「そうか、よかった」
「ホントに、心から感謝していますわ」
そう言って、白井は満面の笑みを浮かべた。
それを見た、上条は顔を赤くして照れてしまった。そして、わたくしはお姉さまと話し始めた。そして、上条は佐天と話し始めた。
あれから、少し時間がたち上条は佐天とまだ、2人でしゃべっているとても楽しそうに。
それを、みた白井は
なぜ、佐天さんとばかり……
という気持ちになってしまう。
なぜ、こんな気持ちになりますの? そう思っていると
「はい! 上条さん、あ~ん♪」
「「「あ~っ」」」
と、女性陣が声を上げる。
「さ、佐天さん、な、何やってるんですかぁ!?」
「こ、このバカにそうゆうことすると、危ないわよ!」
「………………」
「何って、上条さんにデザートを食べさせてあげようかなと……」
「そんなのだめよ!」
「え~! なんでですか?」
佐天は、からかうように言う
「……だって、私だって……」
と、小さな声で呟く御坂。それでもなお、佐天は続けようとする
「はい! 上条さん、あ~ん♪」
「…………………」
バンっ!!
すると、白井は無言で立ち上がり上条の手をつかむと、そのまま店を出て行ってしまった。上条は、何かをしゃべろうとしたがそんな暇はなかった。
白井の行動がよほど予想外だったのか、他のメンバーは唖然としていた。そうしていても何も始まらないと踏んだ御坂は、
「みんなで、手分けして探すわよ!」
「「はい」」
女性陣は、上条を探し始めた。
ちなみに、代金は青髪ピアスと土御門のなけなしのお金で払って、中身はスッカラカンになってしまった。
常盤台中学近くの公園
「白井、こんなところに連れてきて何のつもりだ?」
「………………」
「ん? どうした白井?」
「…………がありますの」
「なんだって?」
「お、お話がありますの!」
あまりの大声に上条はビクリとしてしまった。
「聞いていただけますか?」
白井は真剣な表情で上条を見る。上条も白井の真剣な表情を見て、耳を傾ける。
To Be Continued
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