No.210162

恋姫無双~天の断罪者~ 出会い編

ノエルさん

もし恋姫無双にこんな設定があったらと書いてみました。

世界の守護者の一人である一刀が外史と呼ばれる三国志の世界で魏・蜀・呉の人々と触れ合い?ながらその世界が破戒するのか、それとも存続するのかを見定めていく物語です。基本中立的な立場からどの勢力にも属しませんが、一時的に属することはあります。

基本的に一刀に関わった女性は惚れますが、本人はいつものことなので相手からきちんとした気持ちを打ち明けられない限り気がつきません。

2011-04-05 21:46:38 投稿 / 全17ページ    総閲覧数:2203   閲覧ユーザー数:1812

常にぐだぐだな状況で進んでおります。

 

今回は、紅鳳達の出会いについて書いてみたいと思います。恋姫の伽羅は一切出てきません。ちなみに文書力のないので伝わってくれれば幸いです。

 

注意していても誤字脱字も多々あるかと思いますが、気晴らしに読んでくだされば幸いです。

 

 

人物紹介

 

櫻煌(ヨウコウ):紅鳳、珠凰の妹で一刀のことは『お兄ちゃん』として慕っている。誇れる武はないが、状況分析に優れており、常に相手の先を呼んで行動している。しかし、一刀の前だとただの甘えん坊となっている。一刀のことは好きであるが、一刀からはあくまで『妹』としか見られていないのを知っているし、自分も一刀とは夫婦よりも兄妹の関係でいたいと思っている。週に1度城の厨房を任せられるほどの料理の腕を持っている。が一度怒らせると機嫌が直るまで数週間をゆうし、料理も苦味がおおめの薬膳料理だけしか作らない。今でも一刀とは手紙のやり取りをしている。

 

星覇(セイハ):紅鳳達の母親で和国の王妃である。先代の王の娘でもあるが、身分を気にせず自分の信じるままに生きている。夫の国王とはお忍びで街に出ていたときに知り合う。文武両道で、娘達に武芸を教えたのも彼女である。国王は娘の相手は相応の身分の相手と思っているが、夫と違い娘の結婚は身分関係なく娘が本気で惚れた相手にすべきだと思っている。一刀のことは気に入っているが、歳??が離れすぎていることと夫がいるため諦めている。

 

 

錫唳(セキライ):瑪瑙の妹で黒耀の姉。王国の守護を任されている貴族の次女だが、警護より氣を用いた科学技術の主任を任されている。戦うことは好きではないが、敵対する者には容赦をすることはない。力は瑪瑙をかるく凌駕するが、戦いよりも本を執筆することが好きなため、滅多に戦わない。が、その戦い方から殲滅の剣という通り名がつけられている。一刀のことは気に入っているし、『姉さんと妹にはもったいないぐらい素敵な人』と評価している。普段は彼氏と一緒に本の執筆に追われている。

 

 

 

世界的に一刀達のような存在が明るみにみなって数十年何のわだかまりも無く平穏に過ごしていたが、欲におぼれた数十名は、自らを元老院と名乗り、彼らのパイプ役と世界に伝えた。実際彼等は、一刀達の所有する建物の一室を自分達のものとし、彼らの技術や力を自分のものにしようと模索していた。

 

一刀達は気付きながらも、気付いていないふりをして、無闇に敵を作らないようにしていた。そんなある日、一刀は空間の歪みを感じとり、その場にいたガーディアン全員にそのことを伝えその場に向かった。

 

「作ってから一度も使われていないから作動するか心配だったけど、この部屋を使うことになるなんて…何があるか分からないわね」

 

「けどな、ここがなかったらある意味大変だぞ…」「それはそうだけど…」

 

「森羅、将…夫婦漫才は後にしろ「ちょっと一刀!!」開くぞ…一応用心しろ」

 

その言葉と共に目の前の空間『ブゥゥゥゥゥン』と歪みながら裂けた。一刀達は向こうから何が来てもいいように臨戦態勢でいたが、声を聞いた途端脱力した

 

「さぁ、紅鳳様開きました。時間もありませんし早く行ってください」

 

「え、でもちょっと怖いかな」

 

「紅鳳姉様…国民の為自分が交渉に行くと言っていたではありませんか。母様から後学のため私達も同行するのです。どんなやからがいても問題ありません」

 

「そうよ紅鳳様、私達も護衛の為一緒に行くのだから…それに、私達よりも強い人なんてあいつを除いて滅多にいません」

 

「うん…あれだけは…どうしようもない…だから助けを求める…そのために姉様に…造って貰ったのでは…」

 

「そうだよ紅鳳姉さん。姉さんが行かないなら私が先に行くよ」

 

「あははは、紅鳳お前戦いでは強気なのにこういうときだけは弱気になるね。その点櫻煌は好奇心が旺盛だね。よし、私が許す櫻煌そこでビビッテいる姉に代わりあんたが先に向こうの連中に挨拶してきな」

 

「ちょっと母様「はぁ~い」…あ、櫻煌待って」「何…「やっぱり私が」えぇ~でも」

 

「なぁ、一刀「なんだ」害はないようだが…いつまで待てばいいのだ」

 

「さぁ、もう10分は経つが来ないな…声だけだと困りごとみたいだが…」

 

「ええ、それにしても私達以外は呆れて戻りましたね。兄様…戻りましょうか?」

 

「ん、一花とレイスは戻ってもいいぞ。後は俺とセレネで話を聞くから」

 

「えぇ~俺も残るの……ま、いっか一花ちゃんは旦那様…今は恋人?と、ゆっくりとしてれば…私は一刀とラブラブしてるから…ヒュッ!!…ひっ」

 

「…何か言いましたかセレネさん「…普通に待つことにする」当たり前です」

 

「(なぁ一刀)「(何だレイス)」(一花は相変わらずのブラコン気味だな)」「(そういうお前も一花から愛されているだろう…なら問題ないだろう)」「(…まぁ///けど、今の一花はどうにも怖い)」「(俺もだ)」

 

「レイス「…は、ハイ」部屋に戻りましょう」「ああ、それじゃ一刀、セレネ後宜しく」

 

「ねぇ、一刀「…ん」もうまどろっこしいから引っ張ってきてよ…もし閉じても世界を認識できるあんたなら帰ってこられるでしょう」

 

「…まぁ出来るが「なら」もう少しまとうよ。あっちも話がまとまってきているみたいだし」

 

 

錫唳は未だにぐずっている第一王女にいい加減苛立ちを覚え武力に訴えようと考え

 

 

「紅鳳様、怖い気持ちは分かりますが、これ以上ためらうようなら…(ニコ)分かりますよね」

 

「……は、ハイ。直ぐ逝き??ます」

「あは、姉さん字が違うよ。それじゃ先に行っているね」「そうだな。紅鳳姉様には悪いが先に行っています」

 

「そうですね。なんだかあちらで待っている人たちも呆れているようですし」「うん、私達の会話を聞いて…呆れられていた」

 

ブゥン!! 「あ、ちょっと置いてかないでくださいそれで母様、錫唳行ってきます。6日後にまた開いてください。皆さん待ってください」ブゥン!!

 

 

錫唳の笑顔??に恐怖(櫻煌以外)した珠凰達は矛先がこちらに向く前に出発することにした。紅鳳は波だめになりながら出発する。

 

一刀達が無理矢理引っ張って来ようとしたとき子供が1人裂け目を通ってやって来た。それを皮切りにゾクゾクと荷物片手にやってきて結局5人の女性が裂け目を通ってきたと思ったら、空間の裂け目が閉じた。

 

「…やっと来たか「ん、お兄ちゃん達誰??」ああ、俺の名は北郷一刀。ガーディアンの一員で竜帝師団師団長を勤めている。それでこっちが…」

 

「俺はセレネ…一刀と同じくガーディアンの一員で大空師団師団長を務めている…ちなみに女なので悪しからず」

 

「ふぅ~ん、私は櫻煌っていいます。えっと和国の第三王女で…えっと何だっけ」

 

「櫻煌、初対面の相手にはちゃんと挨拶しなさいと教えたはずです。始めまして、私は珠凰。櫻煌の姉で第二王女です。信用できないうちは通り名の弓姫と呼びなさい……やはり話しかけないでください。名前が穢れます」

 

「珠凰様…相変わらずですね。私は瑪瑙といいます。王国の守護を任されている家の長女で通り名を月下といいます。初対面ですし、こちらを呼んでもらえると嬉しいです」

 

「……「黒耀??」…私は…黒耀…瑪瑙姉様の妹で…三女で…通り名は毒炎…宜しく//」

 

「皆さん私より先に自己紹介をすませるなんて…あっ、私は珠凰達の姉で紅鳳といいます。和国の第一王女にて扇姫と呼ばれております。貴方方には信じられないかもしれませんが…「別の世界から来たのだろう…セレナみんなを会議室に集めてくれ」…別の…えっ「分かった。それじゃ、また後でね」あの、驚かれないんですか」

 

「驚くも何も俺達は別の世界が複数あることを知っているし、そのなかの一つがこの世界に来たって事だろう…君達が初めてだが…」

 

「はぁ」「まぁ、貴女方の話もその辺のことも全員がそろってから話すし聞きましょう」

 

「気安く話しかけるなといったはずだ。この屑が…それになんだこの部屋は妙な機械があるな…なんだか錫唳が作った部屋に似ているが……はっ、盗撮が趣味なのかお前達は」

 

「…なぁ、あの人はいつもああなの」「ええ、初対面の人には大抵…怒らないのですか」「何所に起こる要素が…なんか彼女を見ていると怒る気がなくなるんだよね。会議室に案内しよう」「はぁ、そうですか」

 

クイックイッ!!会議室に向かう途中袖を引っ張られ、振り返ると目を吊り上げた黒耀が睨みながら

 

「…貴方は清国の…スパイなのか…」「何故そう思うんだい」「だって…錫唳姉様の…造った装置と同じものが…あるから、和国の技術を盗んだんじゃ…それにしては…埃まみれだったけど」

 

「どう説明するか、あの装置は他の世界からコンタクトがあったとき、騒ぎにならないようにするためにあそこに開くようにするために造ってあったんだが「あったんだが…」今日まで使われていなくてねそのせいだろう」「…ふぅ~ん…そう」「そ、っとここだ。全員居るかな」

 

そうこうしている内に会議室に着き扉を開けると全員着ていたみたいでとりあえず再び全員の自己紹介からはじめ、彼女達がこの世界に来た理由を聞くと、彼女達の世界の時間が狂っていることに気がつき、その元凶を断とうと敵である清国と手を組み討伐に向かったが手も足も出ず両者共にかなりの打撃を受けた。その際、紅鳳と瑪瑙がそいつに連れ去られかけたが何とか逃げ仰せる事ができた。このままではいけないと、両国の協議の上、他の世界に助けを求めることにし、錫唳の協力の下でこの世界に来たらしい

 

 

 

 

その話を聞いた一刀達ガーディアンは、暫くの沈黙の後

 

「一刀…「なんだ」どう思う」「そうだな。恐らくはある事情から時間を操ることが出来るようになった人だろう」…殺すことは出来るそうか「ああ、俺達とは違い死の概念はあるみたいだし恐らく自分の時間を止めているのだろう」そうか、扇姫さんといったか「はい」そいつの討伐は任せてもらおう………一刀が。それで出来れば今後とも貴女方の世界と交流をしたいのだが」

 

「本当ですか…けど、彼が強いのかどうか私達と勝負して見極めさせてください。あと交流の件は今回の件が片付いたらいいでしょう」

 

「分かった。じゃ一刀後はよろしく…俺達は各国との調整をしておくから」

 

「ちょっと待て、何で俺が」「時間を操る人なら兄様以外うってつけの人はいません」「…ぐッ」「そういうわけよ…あそうそう、勝負なら訓練場を好きに使っていいから」

 

その言葉を残しそれぞれが調整に向かおうとしていたが櫻煌の一言で部屋の空気が一気に下がった

 

「ねぇ、ねぇ一刀おにいちゃん「…ん、なんだい」さっきのセレネさんは彼女なの…」

 

「それはない。「そうなの。ここに来たときセレネさんが抱きついていたから」…あいつは誰かまわず抱きつくから誤解されやすいけど、本気で好きな相手には抱きつこうとしないんだ」

 

「ふぅ~ん。変なの」

 

「セレネ……少し向こうで話しましょうか?」「いや、ほら仕事しないと「話しましょうね(ニコ)」…はい」

 

「………さて、俺達は仕事にかかるか「ああ、そうだな」…君達も一刀の力量を測るなら早く行ったほうがいいぞ」

 

「…??何故ですか?まぁ、直ぐにでも見極めようと思いますが、そういうわけで北郷さん案内してもらえますか」

 

「ああ、それじゃこっちだついて来てくれ」「変な事する訳じゃないだろうな?」「するか…」

 

一刀達が会議室を後にし、それぞれが持ち場に向かった。セレネはこってり絞られたらしくげっそりした顔で仕事に取り掛かり、一花はストレスの発散として仕事中のレイス(毎度のトバッチリ)を部屋に連れ込むことになった。一刀は5人を訓練場に連れて行ったが、隊員達が訓練をしていた。

 

「まだ訓練中だったか、どうする。ここで待つか、それとも茶でもしながら待つか」

 

「この変態がおかしなところに連れ込むに決まっている。ここで待ったほうが無難ですよ、姉様」

 

「珠凰…少しは信じましょうよ…そうですよね北郷さん」

 

「いえ…紅鳳様直ぐに信用するのも…どうかと思います…まだ、何処かのスパイの可能性も…」

 

「まぁ、なんにしても戦えばその人のことがわかるものでしょう」

 

「そんなことしないし、スパイでもないし…じゃ、ここで待つか」「お兄ちゃん「…ん」お兄ちゃんはあそこに参加しないの」

 

「今日は隊員同士での訓練だからな…明日は俺達も混ざるが」「そうなんだ」

 

 

 

 

 

「…団長…こんな綺麗な女性を5人もつれて何しているんですか…仕事はどうしたんです」

 

「…またですか。そんなことだといつか一花団長に後ろから刺されますよ」

 

暫く休憩をしながら話し?(一部罵倒、一部無言の圧力)ていると、隊員連中が好き勝手話しながら歩いてくる。

 

「「(…やっぱり前科があるんだ)」」

 

「変な事言うな。彼女達は俺の力量を確かめた上で助けを求めたいんだと」

 

「…へぇ、竜帝殿の力量をねぇ。命知らずもいたものだ」「そうだな。彼女達…一人を除いてだがかなりの使い手だが、北郷殿には届かないな」

 

 

 

「…先ほどから聞いていれば、何なのですか。私達の力がこんな変態よりも劣るというのですか!!」

 

「落ち着いてください珠凰様。私達よりも強くなければ助けを求める意味がないじゃないですか」

 

「…お前達はもう上がるのか「ハイ。この後ショッピングに出かける予定がありまして」そうか。…それでは、訓練場も空いたことだし、始めようか。得物は持ってきているのだろう」

 

「当たり…前です…私達位か…強くなければ…助けを求めても…無駄ですから」

 

「ああ、しかし、貴様みたいな変態の力は借りたくないがな」

 

「まったく、珠凰にも困ったものです。…では、始めましょうか北郷さん」

 

「そうだな。貴方の力、見極めさせてもらおうか」

 

「…お手柔らかに…では、勝負!!」

 

「(団長酷い言われようだな…まさかとは思うが団長何かしたのか)」「(それはないでしょう。それよりも、ショッピングは中止して、少し見学しないか)」「「「(…賛成)」」」

 

各部隊の隊員はこれ見よがしに師団長の戦いを見学し始めた。紅鳳達は一刀に攻撃を仕掛けるが、ことごとくいなされ幾度となく投げられるか、吹き飛ばされること2時間、4人とも息を切らしてはいるが戦意は衰えることを知らなかった。一方一刀は、内心焦っていた。それは『負ける』かもしれない事ではなく、彼女達を殺してしまうのかもしれないことにである。

 

(全く、今に始まったことではないが、どうしようもない殺意何とかならないか?これ以上長引くと殺しかねないな…次で終らせるか)

 

「次で終らせる。覚悟しておけ」

 

「それなら、次は手加減しないで全力できてくれないか」

 

「そうね。そうでなくては北郷さんを信用してよいかどうか判断できません」

 

「うん…どういうわけか…知らないけど…辛そうにしていると…やりにくい」

 

「ふん、変態なだけにフェミニストでも気取っているのだろう。女性という理由だけで加減されるのは腹が立つ!!」

 

「…そうか。言い訳になるかもしれないが、手加減している理由は、貴女方を殺したくないのと、綺麗な女性を傷つけたくないんだ」

 

「…貴様のような変態に私達が殺せるか…それに来ないならこちらから行くぞ!!」

 

カッ!!

 

珠凰が最後の気力を振り絞り一刀に向かっていく。残る紅鳳・瑪瑙・黒耀も同様に一刀に襲い掛かる。が、次の瞬間には紅鳳たち4人は激しく吹き飛ばされ壁にめり込んでいた。何が起きたのかわからないまま、紅鳳達は気を失った。一刀は櫻煌といつの間にか見学に来ていた一花に手当てを頼むとフラフラとしながらその場を後にした。

 

パァァァァァァ

 

「兄様が相手をした割には手ひどくやられているわね…ああそういえば今日あたりが暴走する日だったかしら。だとしたら、暴走の対象は彼女達ということになるのだけど……また恋をしたことに対して喜んでいいのか悪いのかちょっと複雑な気分…「姉さん達は大丈夫?」ああ、治療も終ったしもう大丈夫。そろそろ目覚める「う、ん」たわね」

 

 

 

 

「はっ、北郷一刀は何所だ」「お兄ちゃんならあっちに行ったよ」

 

「ひっ捕まえて再戦を「待ちなさい!!」…貴様は確か北郷の妹だったな、何故止める」

 

「兄様が貴女方に危害を与えない為にわざわざ離れたというのに、それを無駄に出来ません…ところで、毒炎さんは何所に行ったの」

 

「黒耀さんでしたら、珠凰と話している最中に一刀さん「…兄様を勝手に名前で呼ばないでください」…北郷さんを追いかけていきましたけど」

 

「ええ、何か思うところがあったみたいだったが…しかし、黒耀が積極的に行動するとは…明日は雨でも降るかな」

 

「いけません。直ぐに毒炎さんを止めないと!!」

 

「??どういうことだ。先ほども私を止めたな。それに危害を加えるとはどういうことだ。十分に与えられているような気がするが?」

 

「そういえば手当てのお礼を言ってなかったわね。ありがとう。それにしても、私達が望んだといっても、ここまでする必要があるのかしら」

 

「そうね。危うく死ぬところだったぞ…」

 

「その辺は加減をしていたから問題ありません。一番の問題は毒炎さんが兄様『殺されてしまう』かもしれないと言うことです」

 

「どういうことですか?」

 

「…兄様が言わない限り私からは詳しくはいえません。早く追いますよ」

 

「…あ、ああ、黒耀が直ぐに負けると思えないが」ドオォォォォン!!

 

その瞬間激しい音が鳴り響き紅鳳達は一体何事かと、櫻煌を取り囲むように身構え、一花は額に手を当てため息をついた。

 

「全く、貴女達と話しているうちに毒炎さんが接触したようですね「…何だと!!」…心配しないでください「何が心配しないでくださいだ」毒炎さんの気配はまだあります。どうやら、他の場所を破壊したみたいですね……ハァ」

 

一花はそういって紅鳳たちを案内した。

 

 

少し時間が戻って

 

一花が紅鳳たちに説明を求められているとき毒炎は一刀に訓練をして欲しく追いかけていた。

 

「北郷に…訓練してもらえば…もっとみんなを…守れるくらい…強くなれる」

 

廊下を進んでいると直ぐに一刀を見つけることが出来たというよりも床に倒れこんでいた。少し心配になり、不用意に近づこうとすると先ほどとは比べ物にならない敵意が放たれた。

 

「……クッ!!…何これ……こ、怖い…」

 

「…………………殺す。何もかも破戒する…ハァァァッ!!」ゴォォォッ!!

 

「キャッ…………えっ、生きてる…何故」ドオォォォォン!!

 

一刀の殺意に金縛りにあったように動くことが出来ず、目を開いた。しかし、轟音と共に何も変化がなく攻撃が来るものと思っていた黒耀は、目を開くと自分の直ぐ下と横の壁と床が無残にも破壊されていた

 

 

 

 

「…黒耀、無事かそこの変態に何もされていないか」

 

「珠凰様…も…問題ない…けど、一体どうなっているの…瑪瑙姉様」

 

「ああ、実は…………」「…そう…」

 

「それにしても、さっきの轟音といいここで何があったの」

 

「よく分からない…うちに一刀が「何で名前で呼ぶんですか?」…私の勝手…とにかく一刀が…廊下を破壊した」

 

「はぁ、(パァァァァ)兄様、大丈夫ではないかもしれませんが大丈夫ですか」

 

「イテテ………ああ、一応な。ところで、毒炎さんは大丈夫だったか」

 

「うん…」

 

「礼を言われる筋合いはない…それで、俺は貴女達の要望にこたえられたのか?」

 

「…その点は予想以上だった。若干不安はありますが、問題ないでしょう」

 

「目が覚めたのなら話は早い。もう一度勝負しろ!!」「私も…勝負…」

 

「…あーそのなんだ。「??どうかしたか」…いやなんでもない。それにしても話がこんな早く済むとは思わなかったからな。向こうが装置を動かすのは6日後なのよね」

 

「そういえばそうでしたね。どうしましょうか「何がです」いえ、後6日を何所で過ごそうかと「それでしたらここで過ごしては」…えっ、いいんですか」

 

「はい、皆さんの荷物からそんなことだと思いまして既に部屋を手配しています」

 

「いえ、しかし…「何か問題でも」か…本郷さんの事もありますし「…ええい、鬱陶しい、俺が何か」…えっと、私達もその心の準備が…」

 

「いえ、この施設の部屋を手配しておくといったら、渋りまして…「確か今世紀の管理人は…レイスのはずだが…いいのか」…ええ、かまいません。彼は兄様と違って優柔不断ではありません…それに、暴走の時期も終ってますし」

 

「えっ……それじゃ…勝負できない…」「おい変態ではないな、最早そこの鬼畜逃げるのか?」

 

「逃げるも何も俺の当番は今度だし…文句を言われても」「えー、お兄ちゃんと遊びたかったのに…ねぇ、私だけお兄ちゃんの家で過ごす手もいい」

 

「だめです。と言いたい所だけど、櫻煌さんはなら問題ないでしょう。「私達は…駄目なのか…何故」それはですね、私としても兄様が好きなら問題ないのだけど「誰が誰を好きだって」…私からそれを言わせますか。とにかく、これ以上兄様を悲しませたくないので…」

 

「どういう訳かは知らないが…私達が北郷に好意を向けることはない。所詮男は権力に群がる虫のような物だ。そんな奴を好きになるか」

 

「私は…まだスパイの容疑を…晴らしたわけではない…常に監視…しておきたい」

 

「それでは、一刀に家にお邪魔するということで」「「「異議なし…」」」

 

「(どうします。兄様)」「(あいつ等の好きにさせればいいだろう)」「(…私は兄様が彼女達を襲わないか心配なのですが)」「(確かに暴走の時期だが、あって間もないあいつ等が対象になるわけないだろう)」「(そうだといいわね)」

 

一刀が一花と話している間に向こうは向こうで話がまとまっているらしく既に一刀の家に行く気満々のようだった。一花は一刀が彼女達を襲うことを確信しているが、とうの一刀が気がついていない状態で止める術があるはずもなく、暴走の時にできるだけ彼女達を近寄らせないようにするだけである。

 

 

 

「分かりました。それじゃ、兄様帰りましょうか…」

 

「何故貴方も一緒に帰るのですか?」「兄弟だからに決まっているではないですか」

 

「けど…いきなり…大勢押しかけて…大丈夫なの…か」

 

「そうですね。貴方達の両親はビックリするのではないの?」

 

「…それは大丈夫だ…さて、帰るか」

 

壊した廊下を無視して一刀たちは家に帰る。家に帰るまでの間黒耀から執拗に視線を感じ、櫻煌からはこっちの世界のことを教えてとねだられた。そんなこんなで家に着くと5人は驚いた。広い家なのに一刀達以外の人の気配を感じないことに。そのことに説明を求めると、両親の存在もともと存在せず、戸籍上のみの存在であることを聞かされ唖然とした。それから、黒耀が一刀に色々とちょっかいを出す以外は3日は平穏無事に過ごしていたが、4日目のある日、一花が紅鳳たちを連れシュッピングに出かけている中、一刀は一人暴走しないように耐えていた。

 

「油断したなぁ。あいつが彼女達を泊めることに渋っていたのはこれが原因か…まっ、幸い一花がみんなを外に連れ出しているから問題ないか…」

 

「うん…これでやっと…一刀を調べられる…」

 

「ちょっと待て、何でお前はいるんだよ(通りで収まらないわけだ)「一刀を…監視するのが…私の目的」いいから家からでてくれないか…クッ」

 

「何を…焦っている…やはり、何か隠して………えっ!!…何するんですか」ビリッ

 

黒耀の体を床に押さえつけ、服に手をかけ破こうとする。しかし、どうにか欲望を押さえ込みその手を止めるが、徐々にではあるが、黒耀の服が破かれていった。

 

「ちょっと…何をする…放して…」

 

「俺も好きでやってるわけじゃない「…なら」…この後、どうにかして手を放すからその隙に離れてくれ。頼む」

 

「分かった…説明は…落ち着いたらしてもらう」「…ああ……スゥゥゥッ…ハッ」ビリッ!!

 

次に瞬間手の力が緩まり、黒耀は一刀から離れることに成功したものの、服が指に引っかかり破けてしまった。が、そんなことお構い無しにその場よりはなれ身を隠したところで、一花たちが慌てた様子で帰宅してきた。

 

「黒耀、無事かそこの変態に何もされていないか…」

 

「珠凰様…押し倒されはしたが…それだけで…問題ない…けど、一体どうなってるの…瑪瑙姉様」

 

「その前に服を着なさい…破けているわね。新しい服持ってくるから、ちょっと待ってなさい」

 

「兄様…大丈夫ではないかもしれませんが大丈夫ですか」

 

「ハァ、ハァ、まだ無理…後10分は近付けないようにしてくれ」「分かりました。二階にいますから落ち着いたらいらしてください」「…ああ」

 

「お兄ちゃん大丈夫なの」「ええ、櫻煌さんは問題ないかもしれませんが、一緒に二階で待っていましょうか?貴女達も詳しくは二階で話しますから」

 

「…ええ、分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

「それで、何がどうなっているのだ…何故北郷殿は黒耀を襲ったのだ」

 

「私も気になる…それに襲っている…一刀、なんだか辛そうだった」

 

「分かりました。兄様に今起こっている状況についてお話しましょう…」

 

一花は私たちガーディアン全員が年に1回、暴走の危険があること、一刀の暴走の引き金になる欲望とは『自らが心より愛する者を自分のものにしたい』というもので、その対象がいない、相思相愛なら起きないことを話した。瑪瑙や珠凰は『私達を好きになるなんて裏があるに決まっている』といっていたが

 

「じゃぁ…辛そうにしていたのは」「好きな人を襲いたくなかったのでしょう。全く、暴走するまで自覚がないんだから」

 

「そう………一刀も苦しんでるんだ…それに、優しいんだ…」

 

「なぜだ!!お前を襲っておいて優しいとは」「だって…泣いてた…それに…襲わないように…抑えてた」

 

「はぁ、貴方達を家に招待したのは間違いだったみたいね…櫻煌さんと納得いかないけど毒炎さん以外は」

 

「何だと!!」「どういうことですか?」「説明してもらおうか」

 

「まず始めにそこの2人…「なんだ」信じないでしょうが、そもそも私達は権力なんて興味がないんです。ただ自由に生き、人の生き方を見ていたいだけで…」

 

「ふん、口ではなんとでも言える」

 

「そもそも…」「そもそも、俺達からすればあんた達が何処かのお偉いさんだろうと、世界に生きている人であることには変わらない。そんな人を何故特別扱いしないといけないんだ?」

 

「兄様もう大丈夫なんですか」「ああ」

 

「ふん、貴様達が特別だとでも言いたいのか」「いや、俺達はガーディアンなんていっているが、限りある命を懸命に生きる貴方達が羨ましいんだよ。故に人の生き方を見ていたいんだ」

 

「そうでしょうか。永遠に生きることは私達からすればまさに目標のようなものですが…」

 

「どっちがいいのかよく分からないが、俺達は人並みの人生を送ることが夢なんだ」

 

「私はレイスといれて、幸せですが。全員、そんな幸せを見つけられませんから…」

 

「なら…私は…一刀を…幸せにしたい…」

 

「毒炎さん「黒耀…と呼んで」…黒耀あのねぇ。生きている場所が違い過ぎるよ「…大丈夫…私が一刀のほうに…行くから」…おい」

 

「黒耀ずるい、一刀さん私のことは紅鳳と呼んでください」「…姉様」「……もう好きにしてくれ」

 

「やっぱりこうなりましたか…後3日…何事もなければいいのですが」

 

それからは、黒耀の位置に珠凰が入り、一刀が姉に付きまとわないようにしたり、黒耀と紅鳳、瑪瑙は一刀に訓練をしてもらったりと色々ややこしい日が続いた。そして3日後、再び入り口が開き、紅鳳達は一刀をつれて自分達の世界に戻ってきた。紅鳳達はさっそく王妃に事の顛末を話し、瑪瑙たちは一度家に戻り黒耀は親に一刀のことを相談、始めは驚いたが直ぐにその話を肴に宴会をし始めた。一刀は王妃との会談後、さっそく討伐相手のところに向かった。

 

 

 

 

 

一方一刀がいた世界では…

 

「ふむ、これを気に一刀が素直になることを祈るなぁ…」

 

「そうじゃのぉ。一花にはちとこくかも知れんがいい加減兄離れしなされ」

 

「うるさい…それにしても、いつの間にかねずみがうろちょろしているみたいですが…」

 

「ああ、この部屋のことは知られていたけど全員が2回もここに集まったのがあだになったみたいだな」

 

「一刀は気がついていたみたいね。それでも無視していたのは…」「これを気にあいつ等を死による断罪をする気だろう」

 

「なら、俺達も準備を急ぐか…一週間もあれば問題ないな」「ええ、全くとっとと動いてくれればこんなまどろっこしい事しなくてすむのになぁ」

 

「そういうな。あいつがあれを使うような状態を作るわけにはいかないからな」「ああ、あれだけは一花じゃないが使わせたくないからな」「「「…うん」」」

 

 

一花たちがそんな話をしている頃別の部屋では数十名の人が集まり報告を聞いていた。

 

「あやつら…わしらに隠れてそんな技術をもっていたとは…許せん」

 

「そこは貴様の管轄だろう。何故気がつかなかった」

 

「無理を言うな。がしかし、これは使える。「ああ、その世界をわしらの手に」ああ、それでは全ての部隊をこの施設に送ってくれ」

 

「どうする気だ「竜帝の小僧が帰還後その世界に攻め入る」なるほど、それはいい「で、いつ頃こっちに送れる」そうだなぁ3週間はかかるか」

 

「わしらもそんなものだ…これであの気味の悪い連中に傅かんでもすむわい」

 

「では3週間後に行動開始ということで」「うむ」

 

 

時間は戻り一刀は…

 

紅鳳達の情報を元にこの世界の時間を狂わせているももと対峙していた

 

「貴様は誰だ…なぜ俺と同じような力を持っている」

 

「へぇ、分かるのか。まぁそうだろうな。けど、あんたに教える義理もないが、名前だけは教えておいてやる。俺は…竜帝師団師団長・北郷一刀…お前を殺しに来た」

 

そういって一刀は槍を構え、鋼線を延ばし周囲に張り巡らせた

 

「そもそも何故俺が殺されなければならないんだ…貴様にはわかるはずだ俺はただ」

 

「…ただ、好きな人とずっと一緒に居たいだけ…だろう」「それなら何故俺をみんなして殺そうとする」

 

「当たり前のことを言う。あんたは、所詮自分の満足の為に時間を狂わせているに過ぎない」

 

「違う!!俺は彼女とずっと一緒に居たいがために世界の時を…」

 

「ふざけるな!!時を自己満足のために狂わせていい訳がない!!」「自己満足だと…好きな人とずっと居たいことの何所が自己満足だ!!」

 

「…相手の気持ちも考えず自分の気持ちを押し付けるだけで周りのことも考えられない者が…大方この力も持って生まれたものではなくその人といたいがために身につけたものだろう」

 

「それの何所が悪い!!」ガキィィィン!!

 

「悪いに決まっている。周りを見ろ、それで幸せなのは貴様だけだ…」ガキィィン!!

 

話し合い??が無駄と知り相手と戦い始めた。相手の攻撃をいなす事無く槍で受け、攻撃の隙を突き鋼線で攻撃していくが、その攻撃をことごとくかわしていく。両者とも一歩も引かず激しい攻防が繰り広げられる度に周囲が削られていき2ヶ月後には最初の風景は見る影もなく、両者とも深い傷を負っていた。

 

「ハァ、ハァ、最早我慢できん。貴様を殺して彼女を奪いに行く。ハァァァァ!!」

 

「…ハァ、ハァ、させないと言った。獅幻流鋼糸術・神衣終乃型…天翼」

 

再び攻防が繰り広げられると、一刀は鋼糸を身に纏い始め、その背中から羽のような物が生えてきた。その瞬間一刀は重傷をおっていると思えない動きになり、捉えられなくなった。相手は何がどうなっているのか分からず、驚きの色を隠せなかった。

 

「なんだ、その姿は…何所に消えた。クソ!!姿を現せ…そこかッ…ズバッ!!……畜生…ガハッ!!」カランッ!!

 

「ザシュッ!!…ポタッ!ポタッ! …チッ、畜生はこっちの台詞だ……予想以上にダメージを負ったな…少し休むか…」ドサッ

 

 

 

暫くして一刀が目を覚ますとそこは先ほどまで戦っていた場所ではなく、見知らぬ部屋であった。

 

「クッ…何所だ、ここは?確か…」「気がつきましたか?」

 

「貴女は…紅鳳だったか「はい」ここは何所だ。どうして俺はここに…」

 

「その前にそんなところにいないでこっちに来たらどう…黒耀」

 

「…一刀…目が覚めた…の。良かった」

 

「まったく。心配だからって、仕事を放りだして毎日来なくても…」

 

「…その辺は…父様が…変わってくれるから…問題ない…むしろ…将来の婿を…頼むって言われた」

 

「全くあの人は…だったら、部屋の前をうろちょろしてないで、中に入ればいいじゃないですか」

 

「話の途中悪いが「なんですか」…俺はどのくらい寝ていたんだ…」

 

「確か…3週間ほど…「そうか。なら急いで向こうに連絡を」…あ、それなら」

 

とそこへ扉から2人の人物が現れた。

 

「必要ない。「レイス…一花を置いてきたのか」まさか。一花なら櫻煌ちゃんと遊んでいる」

 

「うむ。しかし、本当に奴を退治してくれるとは…ありがとう。「…あいつは」知っておる。あいつはまだ人だったころ娘に求婚を求めたが娘が振っての、それでこうなってしまったのだが…」

 

「そうか。ま、そんなことだと思ったが。それで、お前達がいるということは…」

 

「ああ、時の乱れは元に戻った。それでだな…一度こっちの戻ってくれ「どうした」なに、ねずみがその本性を表したといったところだ」

 

「なにやら込み入っているようじゃのぉ」「ああ、俺達の世界のある馬鹿がちょっとこの世界に攻め込もうとしていてな」

 

「そうか…ならこっちも準備しておこうかね」「そのことだが「なんじゃ」そいつらのことは俺達に任せてくれないか」

 

「指をくわえて見ていろと…」「違う。住民を避難させておいてくれ。こっちに来る部隊の連中は俺達が殺すから」

 

「…ふむ。わかった。だが、もしお主達が間に合わなかったら、こっちで対処させてもらう」

 

「ああ。それでいい」「娘達にも何も言わないからね。誤解は自分で解きなよ」「…それは話しておいてくれても」

 

「嫌だね…面白くないじゃないか…娘も少しはあんたの事を知るべきだしね…紅鳳はもう少し素直になりなよ」

 

「…はい」「私は…どんなことになっても…一刀を信じる…それじゃ…すべて終ったら…うちに来て欲しい…父様が…話があるみたい」

 

「…そうか。分かった…それで、レイス準備は済んでいるのか」「もちろん。それより、あっちは放っておいていいのか」

 

「…たぶんな。それじゃ急いで帰るか」「…待ってるから」「珠凰と瑪瑙は前線で指揮するよう手配しておくからがんばりな」「一刀さんお気をつけて」

 

 

 

 

「それでだな、一刀不味い事になっているのだが…」「なんだ、嫌な予感がするんだが」「レイス戻るのね」

 

「実はだな…お前がここまで目が覚めないことは少々予定外で、「それで」いまあそこにはあいつ等以外誰もいないんだ」「…な、に」「ええ、兄様…それなので急いで帰りましょう」

 

「分かった。それで、どこにゲートを繋げたんだ…」「それはだな…ここから北に10㎞のところに造った」「遠くないか」「あいつ等を排除したら場所を移すさ」

 

「それよりも兄様…「なんだ」黒耀さんは本気で好きみたいですよ「…なんで分かる」だって、自分の薬の効果が薄いと知ると私に薬の調合の仕方を教えてもらいに来ましたから「それは俺だけの話じゃ」いえ、理由を聞いたら貴方のためにがんばりたいそうです」

 

自分達が使っている施設にねずみ以外の人がいないと分かった以上急いで戻ることにした一刀達だが、一花が真剣な顔をしたので話を聞くと一瞬気が抜けたが、そこまで思われていたのかと思い嬉しくも思ったが、あれ知ったらどうなるかと思いその期待を捨てることにした。

 

そうこうしている内にゲートに着き急いでもとの世界に戻った。そこは予想と違いとても静かで逆に不気味に感じた。そこで一刀達は2手に別れ、施設内を見て回る事にした。一刀は一度振り返ると気付かれないように上に向かった。一花達は丁度、各国を回っていた仲間が帰還したので、彼らに合流どうするか話しているところへこの施設の受付をしている女性が話しかけてきた。

 

「すみません。実は皆さんにお伝えしておきたいことが…」

 

「そうか、俺達と入れ違いで向こうに向かったのかしかも、完全武装か…まったく馬鹿の考えることはよく分からない。そんなことをしたらどうなるのか分かっているはずなのに……ところで一刀は何所に行った」

 

「一刀様ですか…ここへ来る前に見ましたが、なんだか怖い顔して上に上がっていきましたが」

 

「………どうする。もう一刀を止める事は出来そうもないし…」「ああ、あれを使う気…じゃな」「あれを使っても自分が辛くなるだけだと言うのに…いつになったら全てを背負う事をやめないのかしら」

 

「無理でしょう。兄様のことですから他の人に背負わせるくらいなら自分がと考えますから…私達にできることは出来るだけ背負うような状況を作らないことぐらいです」「ああ、そうだな。…四神流剣術の本来の形、裏四神流剣術…ただ守る者のための力か」

 

 

 

 

 

一刀が、元老院たちが居る部屋までたどり着くとドアを蹴破ってなかに入った

 

「失礼するよ」

 

「何だ、貴様…ドアを開けてはいることを知らんのか」

 

「ふん、所詮人外のもの…人の常識を問うのはいささか無理なことか」

 

「…ところでお前達「儂らに向かってなんて口を」黙れ「ヒッ」まだ交流をするかどうか分からない世界に部隊を送ったな」

 

「ふん、何のことだ「とぼけても無駄だ」なにがじゃ」

 

「俺が気付かないとでも…空間の歪みが3人を通した割に開きすぎていたぞ…」

 

「…分かっているなら話は早い。そうだ、儂等はあちらの世界を手に入れる。そして永遠に世界を支配するのだ」

 

「ええ、残念ですが貴様等には消えてもらう」ガチャッ!!

 

「わし等の精鋭100名じゃいくら貴様でも勝てぬだろう」

 

「………アハハハハハ「何がおかしい」笑いたくもなる。たかが100名ごときで俺を殺すか。死の概念がない俺達を…まぁいい。それじゃ、貴様等をとっとと殺して向こうに行った奴等も殺すとするか」

 

「ふん。忘れたのか、この場所にいるのは1人だけで後はモニター越しだということが」

 

「ああ、分かっているさ。けどな…ブゥゥゥゥゥゥン!!…「何をする気だ」そんなもの無意味だということを教えてやる」

 

「か、かまわん殺せ!!!!…どうした。何故攻撃しない…」グシャッ!!「な、何をした」

 

「ここにいたその100名の精鋭はこの世にはいないということさ「貴様何をした」…安心しろ次はお前達の番だ」

 

「ふ、ふはははっ、言っただろうほとんどがモニター越しだとそれをどうやって殺すというのだ」

 

普段の一刀からは創造できないようなドス黒い殺意が周囲を支配し、唯一この場にいる元老院は震えていたが、他の者たちは自分達は安全だと確信しているようで、強気な姿勢を崩すことはなかった。しかし、彼等は忘れていることがあった

 

「あんたらは忘れているかもしれないが…「なにをだ」俺が時間と空間を司っている事を「えっ」だから何所にいても…そうだな、そこのあんた「…何か」そうあんたを吹き飛ばすことも出来るんだよ「…貴様」けど、それをやると色々問題があるからな「…ほッ」だから、本来の俺の戦い方で殺してあげよう」

 

「ふん、貴様の本来の流派・四神流剣術は使えないことは調べはついている」

 

「なら、特と味わえ…裏四神流剣術…破滅の光…」ブンッ!! カッ!!

 

「…(何だ、眩しい)……う、な、なんともない。分こけおどしを。さて、こいつ等を世界から迫害させ…よう…か」

 

唯一この場にいた元老院は改めて周囲を見渡すと一刀が白黒の剣を握っていることと、モニター越しにいたはずの仲間がいないことに気がついた。しかも、彼等がいた場所にはその量を見ただけでも死んでいることが分かるぐらいに大量の血が飛び散っており、唯一生きていた者に話をかけると

 

「おい、何があった」「私も分からないは…気がついたら…ヒッ!!」「どうした」

 

「私の足が「足がどうした」…足が無くなっているのよ「…何」どういうことよ」

 

「もう一発」ブンッ!! カッ!!

 

「ギャァァァ…グシャ!!」

 

「おい、どうした、おい。貴様、仲間をどうした」

 

「言っただろう殺すって「ふざけるな。どうやったらそんな事」…余り使いたくなかったがこの技は俺が敵と認識した相手を殺す技でね…「だからなぜ他の仲間が死んでいる」…ああ、言い忘れたが…俺が相手を認識さえすればこの世界にいる限り例え何所にいようと逃げることは出来ない。無慈悲に殺すのさ」

 

「く、来るな。頼む、助けてくれ。金なら…」「…愚かだな…あんたは苦しみながら死ね」ブンッ!!

 

一刀が再度剣を振るうと目の前にいた男の足から白い光が広がっていく度に体が砕かれていった。男の光が進むたび、悲鳴をあげ直ぐに殺してくれと懇願するが、一刀はその姿を薄笑いしながら見ていた。暫くすると男の体を光が包み込み全てを砕ききった。それから数秒後、自分が行なったことを思い出し壁にもたれかかると涙を流し始めた。

 

 

 

「兄様そんなに悲しまれるのでしたら、使わなければいいじゃありませんか」

 

「一花か…」「ええ、昔は『破滅の光』なんて名前ではなかったのに…いつからでしょうね。そうなったの…わ?」

 

「さぁな。大切な人を守る為に全てを癒す技だったのにな…それが今では全てを破戒する力とは…まさに歩く厄災だな」

 

「それよりも、ゲートの準備が後5分ほどで出来ます。…そんな状態なら私達が行きましょうか?」

 

「いや、これは俺の仕事だ…途中でやめるつもりはない」

 

「…でしたら。自分の気持ちに素直になってみては「何のことだ」…紅鳳さんたちが好きなのでしょう。でしたら例え振られたとしても告白すべきです(振られないと思いますがそれに、心を支えてくれる人がいないといつか壊れてしまいそうですから)」

 

「そうだな。考えてみよう」

 

「一刀、後始末はこっちでやっておくから気にするな…一応言っておくがあれは使うなよ」

 

「……奴等のでかたによるな」

 

5分後ゲートが再び起動すると空間に亀裂が入り始めた。そして、亀裂が開ききると一刀は自分の部隊を引き連れてゲートを通り向こうの世界へと向かう。一刀達が向こうに向かうと残った人たちは、早急に死体の始末と彼等の遺族に連絡、そして各国に事態の説明に向かった。

 

 

ゲートを抜けると部隊全員が周囲を見渡し

 

「なんか普通ですね。もっとこうドロドロした所を想像していたのだけど」

 

「やっぱり基本は変わらないと言う事でしょうか?…団長大勢の足跡が迷わず向こうに続いています。追いますか」

 

「…ん、ああそうだな。あいつ等を追い抜いて先に向こうの前線の兵士と合流するぞ」

 

「はい。しかし、団長新人もいることですし、余りにもきついものは見せないでくださいね。ただでさえ少ないのに、また少なくなりますから…」

 

「分かってる。が、今回お前達は周囲に被害が及ばないようにするだけでいい「戦闘に参加しないんですか」…ああ、あいつ等は俺1人で叩く。行くぞ!!」

 

「やれやれ、久しぶりに戦えると思ったが…ま、いっか。行くぞ、みんな!!」「「「おお!!」」」

 

一刀達は足跡が続く先…王都に向けて移動を始めた。といっても、彼等にしてみれば10㎞の距離は無いに等しい距離である。その途中、元老院側の兵を見かけたが無視し前線基地に急いだ

 

 

王都から1㎞の位置に前線が引かれ、そこでは戦闘態勢の整った兵が敵が来るのを待ち受けていた。そんななか、珠凰と瑪瑙はなぜ彼等がこちらに攻め込もうとしているのか理解できなかった。ただ王妃より『匿名の垂れ込みにより彼等の世界の住人がこっちに攻め込もうとしている。速やかに住民を避難させ、応戦の準備を…』と聞かされただけで、その理由も誰がもたらした情報なのか一切話そうとしなかった。

 

「ふん、あの鬼畜め。私達の世界を救ってくれ、少しは認めてもいいかと思った矢先にこれか…所詮屑は屑だったということか」

 

「…そうね。あの人がそういう考えの持ち主だといまだ信じられないけれど「現実を見ましょう瑪瑙。現に攻め込んできているではないか」…ええ、やはり彼も権力に屈する人間だということね……それで、斥候からの報告は」

 

「ええ、ここから5キロほどの距離いまだ進軍中だそうよ。しかも、こっちを馬鹿にしているのかのんびりと動いているらしいわ。その数は900ほどだそうよ」

 

「母様も何を考えているのか…打って出るのではなく迎え撃つなんて…絶対裏がありそうだわ」

 

「そうね。星覇様…ああ見えて鋭いところがあるから…「報告します」どうしたの」

 

「はい、それが妙な一団が珠凰様と瑪瑙様に合わせて欲しいと…」

 

「…どうせ向こうから『降伏しろ』とでも言いたいのでしょう。切り捨てなさい…」

 

「いえそれが「何か」…向かってくる連中の対処をこちらに任せて欲しいと…」

 

「…どんな馬鹿かしら…いいわ。通して頂戴」

 

 

 

 

「久しぶりというわけでもないが…久しぶりだな」

 

「何が久しぶりだ。この裏切り者が…私達の信頼を裏切り攻め込むとはどういう了見だ!!」

 

「そうですね。それに、『彼等の対処を任せて欲しい』ですって、どの口が言っているのかしら」

 

「団長…なにやら険悪ムードなんですが…何かしたんですか」「どうせいつもの奴だろう」「…ああ」

 

「(ホントに説明してないのね)俺達は裏切ったわけじゃない。欲にまみれた馬鹿が攻め入っただけだ。俺達に非がないわけじゃない。だからこそ、俺達に処分させてくれといっているんだ」

 

珠凰たちは一刀の顔を見るや否や食って掛かるが、一刀が懸命に話をすると始めは聴く耳を持たなかったが、徐々に話を聞き始め、条件付でなら対処させてもいいといってきた

 

「…納得しないが、まぁいいだろう。条件だけど、一刀の部隊は人質としてこっちで預からせてもらうわ…もしものときは分かっているわね。あと、貴方がおかしな真似しないように対処するときは私と珠凰様が同行させてもらうけどいいかしら」

 

「ああ、かまわない「ちょっと団長もしかして俺等を連れてきた理由って…」…ああ、その予想であってる」

 

「…相変わらず無茶苦茶ですよ…通りで武器を一切持ってこさせなかった訳だ」「団長…酷いです」「まぁそんなところが良いんだけど…」

 

「…信頼されているのかされていないのか分からないわね「そうか」そうよ」

 

「ああ、実は「何だ…鬼畜野郎」…実はね新人を対処の時に連れて行きたいのだが「何が目的」…いや、最後の入団試験を今やりたいと思ってな…なかなか機会がなくて」

 

「何人連れて行くつもりだ「3人だ」………まぁいい」

 

「(団長の最後の試験って…あれか…今回はなんだろう)」「(ねぇもしかしてあれを使うんじゃ…今回は使ってもおかしくないよ)」「(私達はあれだったけど…40人ほどいたのに結局3人しかのこらなかったあれね)」「(よく耐えられたな)」「(耐えたというよりも…支えたくなったといったほうがいいかな)」「(それでいいと思うよ)」

 

「それじゃ、行こうか「もうですか。まだ距離はありますが…」…あいつ等には少し頭にきていてね。この辺を巻き込まない為にもちょっと距離をとりたい」

 

「わかったわ…そこの貴方「ハッ!!」星覇様に報告をお願い。私達も出ると」

 

「(君達…生きて帰ってきてね)」「(えっ…何があるんですか)」「(がんばれ)」「(不安になるような事いわないでください)」

 

一刀は珠凰たちを連れて彼等に攻撃を仕掛けに打って出た。王都に進軍中の部隊は一刀達の姿を見つけると進軍を止め、そのなかの1人がこちらに歩いてきた。一刀達はその場でそいつを待っていると、ある程度近づいたところで

 

「これは、竜帝師団長殿…こんなところで何をしているのですか。それに後ろの女性は誰です。まさか投降しに来たわけではないでしょう?」

 

「まさか、あんた達を断罪しに来たんだが…どれがいい。苦痛の末の死か、一瞬の死かどっちだ。ちなみに貴様等の上司は処刑させてもらった…いい加減貴様達のように欲塗れの連中と付き合うのも疲れたからな」

 

「ふざけているのか…いくら師団長とはいえ、これだけの人数相手に勝てるものか…それに元老院は世界各国に散らばっているんだ、そんな簡単に処刑できるはず無い」

 

「そう思っていたければそう思っていればいい。さて、とっとと始めようか」

 

「ふん、後でほえずらかかないようにな」

 

「おい、あんなこと言っていたが本当に貴様等の上司を殺したのか」

 

「別に俺達の上司というわけでないし、あいつ等が勝手にそういっているだけだ…もういないが」

 

「どうやって殺したのですか?遠く離れた人を殺すなんて…どんな手を使って」

 

「それは、見てもらったほうが早いが…これから使う技は、俺が敵と認識した相手なら例え何所にいようと殺すことが出来る。世界が違うと難しいが、一度その世界を認識さえすれば逃げることは出来ない。」

 

「…敵と認識したらって…それじゃ、貴様が今殺さなくてもいいような連中も殺してしまうんじゃないか」

 

「そうよね。認識しただけで殺すことが出来るなんて、反則のような気もするけど」

 

「殺す相手と壊す場所は指定できるから問題ない…さてお前達には始めて見せるわけだが…その光景に耐えられたら正式に入団を認めよう」

 

「あ、はい」「さて、向こうも動き出したことだし、ちょっと行ってくるか」

 

「……………………………(何だ、この不安は)」「……………………(なんだか一刀さんにその技を使わせてはいけないような気がする)」

 

 

 

珠凰たちは不安になりながら一刀を見送ることになった。一方相手は数で押せば勝てると息巻いており、すっかり勝った気になっていた。一刀が1人突出すると、再び白黒の剣を作り出すと表情が変わり、可哀相なものを見る目で相手を見ていた。

 

「行くぞぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「……裏四神流剣術…破滅の光」ブンッ!! カッ!!

 

ギャァァァァァ!!

 

「お前達、今竜帝師団長は剣術を使えん。所詮こけおどしだ。このまま突き進め!!」

 

悲鳴が聞こえ、安心させようと声を掛けながら後ろを振り返るが、そこで見たものは光に飲み込まれ、悲鳴を上げる者、息絶えるもの様々であった。その場から逃げようと走り出そうとしたが、激しい痛みと共に光が足全体を飲み込み徐々に自分の体を切り刻みながら上へと上ってきた

 

「貴様、剣術は使えないはずじゃ……頼む、もう二度とこんな事はしないだからたすけ……」

 

「…最初に行ってあっただろう死は確定していると……」

 

 

その光景を見ていた珠凰たちは地獄絵図を見ているようであった。一刀の部隊の人も腰が抜け震えながら、どこか悲しんでいる感じがし質問すると

 

「別に彼等に同情しているわけで無く…なんだか団長が辛そうにしているのを見て、それを癒すことが出来ない自分が悲しいんです」

 

「辛そうね。確かに、こんな地獄絵図を作り出した人とは思えないわね…それに、もうこんなことをさせたくないわ」

 

「そうですね。私のきつい言動も笑っていた彼がここまで辛そうにしている姿は見たくありません」

 

「あはは、あの差し出がましい事かと思いますが、団長を宜しくお願いします」

 

「…なにを、お願いするって「…団長」…まだいる気満々って顔だな。気が済むまでいてかまわない。…あと、弓姫さんと月下さんあいつ等の処分は終ったが…」

 

「え、ええそうね。一刀の部下は解放しましょう。その上で母様と交流の件で話し合いましょう」

 

「…………なんだ、その話し方は「いいでしょう別に…あと私のことは珠凰と呼んで」……わかった」

 

「珠凰様、抜け駆けはずるいです。一刀…私は瑪瑙と呼んでください」

 

「……2人ともよく分からないが、珠凰と瑪瑙これからもよろしく」「「ハイ!!」」

 

パチッ!!パチッ!!パチッ!!パチッ!!パチッ!!パチッ!!

 

「まったく、やっと素直になったみたいだねぇ珠凰…ほれ、黒耀すねなさんな。1人や2人どうって事無いだろう」

 

「…別にすねてない…けどやっぱり…好きな人には…自分だけを見て欲しい」

 

「そうよね…けど、それは一刀が決めることであって、私達が決めることではないかしら」

 

「団長、なになに修羅場か、ついに団長の修羅場が見られるのか」

 

「不謹慎ですよ隊長でも、今まで起きなかったことが不思議です」

 

「どういうことですか母様!!」

 

王妃や紅鳳たちが一刀の所まで来ていた。珠凰たちは王妃に問い詰めると、自分が知っていることを全て話した後、今までのことが馬鹿らしくなってきた。黒耀は一刀の側に行くと顔を赤くしながら袖を引っ張り紅鳳は、腕に抱きつきながら嬉しそうにしていた

 

 

「…来ていたのは分かっていたが、黒耀、紅鳳これを見てもまだ俺の側にいるか」

 

「…一刀がどっか…行かないように…私が捕まえておく」

 

「そうね。一刀がどこかに行かないように、押し潰されない様に私達が側にいないとね」

 

「あんたはホントにいい人だよ。「こんな酷い殺し方をするのに?」…その割には泣いているじゃないか……どうだい、あんた達の世界と交流をする代わりに家の娘を嫁に貰わないか」

 

「…話が繋がってないが「まぁいいさ。それでどうだい」…いや本人の気持ちは」

 

「おいおい、星覇王妃いくらなんでもそれは無いじゃないか。「あんたは」…失礼私は、瑪瑙達の父で、無雪という。それよりも、家の娘はどうだい。どの子もなかなかの美人だろう」

 

「あら、父様私には既に好きな人がいるのですが…彼がいなかったら考えたかもしれませんが」

 

「そうだったね。彼もなかなかの好青年だ。大事にしてあげなさい。それでどうだろう」

 

「こら無雪、後から出てきてそれは無いだろう。それを言うなら家の娘も「星覇王妃、国王は反対するんじゃないのかね」なに、あの人が何を言おうと娘の気持ちのほうが大事さね。何所の馬の骨とも分からない家柄だけの人よりも、こいつみたいにしっかりしている人のほうが安心だが。娘のことだ、王位を捨てて一線を越えそうだけどね」

 

「それを言うなら家の娘もそうだろう。それに家では家内も話に聞いてから彼が気に入ったらしくすっかりその気だからね」

 

「あんた等、少しは人の話を聞いたらどうだ「「…なんだい」」…だからその紅鳳達の気持ちはどうなんだ。確かに彼女達のことは俺も好きだが、彼女達の気持ちを無視してまで話を進める気はないぞ」

 

「ふむ、君は1人ではなく何人か好きな人がいるみたいだね…誰なんだい黒耀が好きなことは分かっているんだが…」

 

「そうだね。いったい誰が好きなんだい…それによっては今後のことを考えないといけないからね」

 

ジィィィィィィィ!!

 

「いやだから…って、紅鳳たちも何故そこまで見つめているんだ」

 

「私達のことは気にせず」「そうです。早く言ってください」「ええ、いったい誰が好きなのか」「…私は分かっているけど…他の人が気になる…」

 

「…それは」「「「「それは…」」」」

 

「団長…早く言ったほうが気が楽ですよ。それとも俺達からばらしましょうか」

 

「余計な事するな…ああもう分かったよ。俺が好きなのは…君達だよ」「誤魔化さず名前で言ってください」

 

「ぐッ、かつて俺が愛した人と同じくらい、いやそれ以上に紅鳳、珠凰、瑪瑙、黒耀を愛してるよ。出来ればこれからもずっと一緒に歩いていきたいと思ってる…これでいいか///」

 

「ああ、一花から聞いていた通りだったね。ほれお前達返事はどうしたんだい」

 

「…私はもちろん…うれしい…私も一刀が好き…ううん、愛してる///…ただ、その人のことは気になるけど」

 

「黒耀に先を越されるとは思いませんでしたが…私だって一刀を愛していますわ///そうですね誰なんでしょう」

 

「ほう、4人同時に好きになるとは予想外であるが。これもまた面白い、錫唳お前が言ったとおり、娘達にはもったいないな「でしょう」ああ、娘達も彼と同じ道を歩むことになるのか…少し寂しいな。それにしても娘達よりも前に一刀君の心をつかんだ人か気になるな」

 

「///わ、私は別に嫌いではないのですが…今まで散々避けていたのにここまで言われると…心の準備が…それに、昔の人を持ち出されても…一刀私も…」

 

「私も一刀を愛していますわ…だって戦うことにあそこまで悩み苦悩している姿を見て、心から支えたいと思いました。一刀が誰を愛していたかは関係ありません。今は私達を愛しているそれだけで十分です。ですから、私も愛しています///」

 

「珠凰様……私だって一刀を愛してるぞ///…始めは権力に群がるほかの男と同じだと思っていたが、誰かまわず優しく接している姿を見て好きになったんだが、今回貴方の優しさを知ってますます好きになったんだ」

 

 

 

 

4人同時に告白する一刀とそれに答える紅鳳たちを回りは、『結局みながみな一目惚れだったんじゃ』と思っていたが特に突っ込む事無く話を聞くことにした。その後、一刀が紅鳳たちに大切な話があるといって、彼女達以外を遠ざけた

 

「それで、私達に話とはなんでしょう」

 

「ああ、あんな告白はどうかと思うが…」

 

「はい、昔の彼女?それとも妻?を引き合いに出すなんて…それで話とは」

 

「うん…私達だけに話…一体なんの…話なの」

 

「ああ、あいつのことは愛していたが別に彼女でも妻でもない「??どういうこと」…ちょっと色々あってね。それは今度はなすよ「分かったわ…それで、話って」君達に教えておきたいことがあって」

 

「教えておきたいこと?」

 

「君達や俺にも通り名があるだろう「ええ、貴方は確か竜帝でしたか」…ああ、まぁ、それは通り名の一つなんだが…俺の本来の…大切な人にだけ教えている通り名を教えておきたくてね」

 

「他に誰が知っているんですか」

 

「他には一花だけだ「その…前に愛した人には…」…教えていない「…そう」別に変な意味じゃない」

 

「それでその通り名はなんていうの」

 

「ああ、俺の本来の通り名は黄龍麒麟」

 

「ふぅ~ん。で、どういう意味「さぁ」…さぁって貴方」

 

「一花がつけたのだよ…意味を聞いても教えてくれなかったが…」

 

「そう、でも特別な通り名を教えてくれてありがとう」

 

実際一花は特に考えてつけた訳でもなく、ただ四神流剣術を操るのなら、その中央の存在であることを誇示した方がいいのではないかと思っただけで、特に意味も無い

 


 
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