No.209117

真・恋姫夢想 とある桂花のデレ日記 ~番外の弐~

狭乃 狼さん

明日はエイプリルフールです。

それに気づいて思いついた小ネタ。
日記の番外としてお送りしますw

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2011-03-31 19:34:43 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:19162   閲覧ユーザー数:14841

 それを聞いたのは、何ヶ月か前のこと。

 

 一刀が、私たち魏の面々とお茶をしていた時だった。

 

 「えいぷりるふーる?・・・何それ?」

 

 相も変わらず、天の言葉を平気で使ってくる一刀。その度に頭をひねる、こっちの身にも成って欲しいものである。

 

 「直訳すると、四月馬鹿っていうのさ。その日一日だけ、他愛の無い、少々の嘘なら、例えつかれても怒っちゃいけない。笑って流そうって言う日なんだ」

 

 「・・・何の意味があるのよ、そんなことして?」

 

 華琳様のおっしゃることは至極当然だった。全然意味がわからないんですけど。華琳さまの台詞に続いて、私がそんな風に言うと。

 

 「・・・正直さ。俺も何の意味が在るかまでは知らないんだよ。もう、物心ついたときには、そういう日があるってことを知っていただけで」

 

 「・・・は。呆れた。年中行事みたいなのの意味も知らずに、そうやって騒いでるんだ。天の世界ってのはよっぽど平和なのねー。・・・誰かさんの頭みたいに」

 

 そんなことを言いながら、ちらと春蘭のほうを見る私だったりして。

 

 「ん?・・・桂花、なぜ私のほうを見るんだ?」

 

 「さあねー?自分で考えたらー?その筋肉で出来た脳みそで」

 

 「なんだとー?!」

 

 そうやってぎゃあぎゃあと騒ぎ、その日のことはみなの記憶から遠ざかっていた。

 

 ・・・・・・私一人を除いて。

 

 嘘をついてもいい日、か。・・・使えるわね、これ。とある計画を頭に描きながら、私はその日が来るのを待ち続けた。

 

 そして。

 

 

 

 四月一日。

 

 

 ついにその日がやってきた。

 

 ・・・落ち着けー。私の心臓。・・・この日のために、散々練習してきたんだからねー。失敗は許されないわよー。・・・あ。居た。

 

 前から、目的の人物が華琳様とともに歩いてくる。

 

 ・・・・・行くわよ桂花。女は度胸!

 

 「・・・あら?桂花じゃない。どうしたの、こんなところで」

 

 「・・・なんで背中向けてるんだ?いつもなら喜々として、華琳に応えるのに」

 

 「・・・か、かず、と」

 

 「ん?・・・ホントどうしたんだ?珍しく俺を下の名前で呼んで」

 

 「・・・一刀。わたし、わたし、わたし、ね。(くる~り。百八十度回転)私、貴方が、す、す、す、好き!大好きなの!!」

 

 『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?』

 

 私のとんでも発言に、目をまん丸に見開いた一刀と華琳さま。・・・うん、気持ちはすごく分かる。

 

 「今までずっと、冷たい態度を取っていてごめんなさい!でも私気づいたの!貴方にいつまでも、あんな罵声ばっかり浴びせていたら、いつか本当に嫌われちゃうって!だから思い切って、本当のことを言おうと思ったの!貴方が好き!大好き!愛してる!」

 

 ぎゅっ、と。正面から彼に、堂々と抱きつく私。

 

 ビシィィッッッ!!

 

 稲妻が走った瞬間でした。もちろん、発生源は華琳様。

 

 「・・・ふ~~~~~ん。そお~~~~なの。私の前でそういうことを言うってことは、それはつまり、はっきりとした恋敵宣言と。そう思っていいのね?桂花?」

 

 にこにこと。顔は思いっきり最高の笑顔でありながら。その怒りたるや、火を見るより明らか。・・・・・・・やっぱ、ちょっと、怖い。

 

 でも。せっかくの一大決心による今回の計画。ここで止めるわけにはいかないわ!たとえ、華琳さまから、あとでたっぷりお仕置きされようとも。

 

 「・・・そう取っていただいてもかまいません!わたしは、一刀を、本っっっ気で愛していますから!!」

 

 ズゴゴゴゴゴゴ。と。そんな効果音でも聞こえてきそうである。ちなみに、私に突然告白され、抱きつかれた一刀はというと。

 

 「・・・・・・・・・・・・」

 

 ・・・完全に固まっちゃってます。

 

 「ふ、ふふふ」

 

 ??なんか、華琳様が急に笑い出したんだけど。・・・大爆発直前状態、とか?

 

 「・・・そう。桂花もやっと素直になれたわけね。・・・良かったじゃない、一刀」

 

 「へ?」

 

 あれは、あの笑顔は、怒りからくるものじゃない。心底、私を祝福している。そんな笑顔だ。・・・・・・もしかして、信じちゃって・・・る?ていうか、華琳様はまさか、私の”本心”を見抜かれていた・・・?

 

 「さて。そういうことなら、これ以上は野暮というものね。・・・でも桂花?」

 

 「は!はひ!?」

 

 「・・・・・・このまま、負けを認める私じゃないわよ?覚悟しておきなさい?」

 

 それだけ言われて、華琳さまは、なんだかとっても上機嫌で去っていかれた。残されたのは一刀と、その一刀にしがみついたままの私だけ。・・・えっ・・・と。どうしたもんかしら?本当だったら、華琳様の居る間に、今日は例の『エイプリルフール』っていうやつだって、そう落ちをつける気だったんだけど。

 

 「・・・・・・ちら」

 

 視線を固まったままの一刀に向ける。・・・ま、いっか。今日はこのまま、”嘘”を吐き通そう♪

 

 彼を独占できる機会なんて、なかなか無いしね。えへへ。

 

 

 

 でもって、その日の夜。

 

 一日たっぷり一刀に甘えた後、もちろん閨も一緒にしました。・・・なんか、素直な感想を言いながらのって、ちょっと、癖になりそう。

 

 でもまあ。

 

 いつまでも”嘘”をつきっぱなしなのも、それはちょっとどうかと思うので。彼に、全部を暴露しました。

 

 しましたんですが。

 

 大口開けて、ぽかんとしたのは、一刀じゃなくて、私のほうでした。

 

 「へ?エイプリルフール?・・・それってさ、桂花。・・・明日・・・じゃないの?」

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」

 

 

 彼の部屋の暦に、ギギギ、と。体を回して視線を送る私。その日付は。

 

 「・・・三月、三十、一日・・・・・・・・・」

 

 ぼぼんっ!!///

 

 「け、桂花?!しっかりしろよ、おい!!」

 

 ・・・・・・・あ、あはは、あはははははははははははははは///

 

 「こんな、べたなオチ、大っっっっ嫌いよおおおぉぉぉぉっっっ!!」

 

 

 

 

 でもって。

 

 

 次の日からどうなったかは、もう、聞かないでください。

 

 

 

 恥ずかしすぎて、思い出したくも無いです。

 

 

 

 あうう。

 

 

 これからどうやって、一刀と顔合わせたらいいのお?!

 

 

 ・・・はぅ///

 

 

 おわり。

 

 

 

 

 ていうわけで。

 

 

 エイプリルフールにちなんだ小ネタです。

 

 

 言っときますが、続きません(きっぱり)。

 

 

 単なる思い付きですので。

 

 

 とりあえず、2828してくれたら、それで万事オッケーですので。

 

 

 ではまた次回。

 

 

 今度は北朝伝で、お会いしましょう。

 

 

 それではみなさん、再見~!!


 
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