No.200179

これは使い魔ですか? いいえ、ゾンビです。

RYOさん

これはゾンビですか? アニメ化おめ。

2011-02-07 02:15:15 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4736   閲覧ユーザー数:4492

 

「あ……ぁあ…………あ゛~~~」

 

熱い。俺はギラギラ照りつける太陽の下、家への道を歩いていた。

何故俺がこの時間に家に帰っているのかというと、

 

「歩! 今日は学校終わったらすぐに卵買ってこいよな! 買ってこないと死刑だから!」

 

と、居候の魔装少女にどこぞの団長のように命令されたからだ。

 

「あ?」

 

ふと前を見ると、鏡の様な物が道の真ん中にあった。

 

「何だこれ? また、メガロやら吸血忍者やらがなにかやってんのか?」

 

俺は鏡の様な物に近づいて良く見てみる。

 

訳わからん。訳の分からない物はほおっておくほうが良いか。君子危うきになんとやらってな。

 

そう思い、俺は横を通り抜けようとするが……

 

――スッ

 

「…………」

 

なんと鏡の様な物が俺を通せんぼするように俺の前にスライド移動した。

 

ま、まあなんかの偶然だろ。鏡みたいなのも間違える事くらいあるはずだ! うん。

 

俺は自分を(かなり強引に)納得させた。

俺は鏡をよけて通り抜けようとした。

 

――スッ

 

「…………」

 

――スッスススッ

 

「…………」

 

――ス~ス~ス~ダラダッダスラスラスイスイスイ~

 

「だあああああああああ!」

 

俺は鏡の様な物に突っ込まないように横に走り出した。

俺は林の中に入った。巻いたか!? ……目の前に居た。

 

「ぬおおおおおおおお!」

 

壁を超える! 付いてくる!

 

茂みをくぐる! ダメか!

 

「うおおおおおおお! これならどうだああああ!」

 

100%!

 

俺は人間が持っている力を100%使い、鏡を大きく飛び越えた!

 

「どうだ!? これなら……げぇ!?」

 

すると鏡は俺の着地地点ドンピシャの場所まで移動して止まった。

 

やるな……鏡。

 

お前もな?

 

などと俺が鏡と友情を感じても、地球の重力は残酷にも俺と鏡を近づける。

 

「ぬぁああああああ!?」

 

反転。そして……

 

 

「アンタ……誰?」

 

俺の目の前にはピンク色の髪のチビッ子と変なローブだかマントだかを着た集団が立っていた。

 

「おい! ゼロのルイズが平民を呼び出したぞ!」

 

「さすがはゼロのルイズ! 俺たちに出来ない事を平然とやってのける! そこに痺れも憧れもしねえwwwwww」

 

「これは酷いwwwww」

 

と、周りの変なローブ集団はピンクの髪のチビッ子を捲し立てる。

 

なるほど、あの子は零野ルイズって言うのか……

 

なんて俺がくだらない事を考えていると、ルイズさんが、マント集団の禿の人に食って掛かっていた。

 

聞こえてくるのは「使い魔」「儀式」「平民」などなど訳の分からない事ばかりだ。

鏡が俺を追ってきた事も考えると今日は相当な厄日らしい。

俺がそう思っているとルイズさんが近づいてきて俺に言う。

 

「こ、光栄に思う事ね! 貴族にこんな事されるなんて普通一生ないんだから!」

 

と、訳の分からない供述をしており……まじでここはどこなんだ。それにこいつらは何なんだ?

 

ルイズさんは棒切れを取り出すとこう言った。

 

「我が名は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ。」

 

そう言うとなんとルイズさんは俺にキスをしてきた!? キス。ちぅ~。接吻。色々言い方はあるがつまり、ルイズさんは俺にマウストゥーマウスをかましてきたのだ。

 

いきなりやられた俺はもちろん避けられず接吻を受けることになる。

 

そ……そんな……初めてのちぅ~だったのに! 畜生! orz

 

「…………」

 

「「「「…………」」」」

 

皆が沈黙している。

 

「…………」

 

「……あ…………あれ?」

 

「何も……起こりませんね?」

 

「う、うそ!」

 

そう言ってルイズさんは俺に更にキスをしてきた!?

 

ああ~!? 俺のセカンドが!? サードが!?

 

俺の思いとは裏腹に無慈悲にキスされる俺。

 

「ど、どうして……」

 

うう……こっちが言いたいよ。

 

「し、仕方ありません。今日の所は諦めて、また後日、契約を結ぶこととしましょう。」

 

「で、でも!」

 

「退学の事なら心配いりません。ミス・ヴァリエールは使い魔をきちんと召喚できましたし、退学にはなりませんよ。」

 

「う……はい。」

 

「さてと、じゃあ皆教室に戻るぞ」

 

禿がそう言うとルイズさん以外は空を飛んで行ってしまった。

なるほど、魔装少女の学校ってここだったのか。

 

「あの……ルイズさん?」

 

俺はどうしたら元の場所に戻してもらえるかを聞きたかった。ハルナもこっちの世界に来れたことから2つの世界の行き来は出来るのだろう。

しかし、ルイズさんはキッっと俺を睨んでこう言った。

 

「アンタ……何なのよ!」

 

そう言われたら俺はこう返すしかない。

 

「あ、俺、ゾンビっす。」

 

こうして、俺、平民兼ゾンビの相川 歩と魔法使い兼貴族のルイズさんの冒険が……

 

『歩、迎えに来た』

 

始まらないかもしれない……


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
4
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択