私が取り出した鍼入れには紐で厳重に封がされている。 手入れ以外一度も封を解いた事がない、すなわち治療で使うのは今回が初めてになる。 やはり皆の注目は鍼入れに集中する。
楓「爰京殿……その箱は?」
爰京「鍼入れです。 いつも使っているのとは違う特別な鍼が入っています」
そう言いながら私は封を解き、蓋を開ける。
菖蒲「赤い……鍼?」
韓遂殿が驚きと疑いが混じった様な呟きが聞こえる、他の皆さんもその様な表情だ。 確かに初めて見る人は驚くかもしれないこの鍼は言葉の通り真っ赤な色をした鍼なのだから。
星「爰京殿、その鍼は一体……」
爰京「私が師の元から離れる時に餞別として貰った物です」
菖蒲「華佗殿から?」
爰京「いいえ、師に取り付いた『二匹の筋肉達磨』から……」
『…………………………は?』
この場にいた私以外の全員が声を上げる。
菖蒲「華佗殿は妖にでも取り付かれていたのか?」
爰京「妖ならまだよかったかもしれません……害があるのは見た目と話し方のみだから余計に性質が悪い…」
苦々しく話す私の様子に気を使ったのか、これ以上聞いてこなかった。 正直私が師から離れた理由の半分は自分の目的の為だが、もう半分はあの筋肉達磨の仲間だと思われたくないからだ。
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筋肉1「爰京ちゃんほんと~うに行くのぅ?」
筋肉2「寂しくなるのう……」
爰京「寄るな変態二人、あんたらは一人でもキツイのに揃うと圧がすごいんだから」
筋肉1「失礼しちゃうわね~こんな可憐な漢女(オトメ)に向かって~」
筋肉2「うむ、ワシら程どこに出しても恥ずかしくない漢女はおらんだろう」
爰京「寝言は寝て言え、歩く恥辱ども。 師匠…今までお世話になりました」
華佗「あぁ、正直俺はまだ人に教えるのも甚だしい未熟者だが、共に学ぶと言う意味ではお前との旅はいい刺激になったよ。 ありがとう爰京」
爰京「私もです、生きていれば会う事もあるでしょう、再開できるその日を楽しみにしています。 それでは……」
筋肉1「ちょ~っと待って爰京ちゃん」
爰京「何? 正直あんたら二人とは一刻も早く離れたいんだけど」
筋肉2「まぁそう言うな。 ワシ等二人からオヌシに餞別をやろうと思ってな」
爰京「餞別? まさかお揃いの褌とかぬかすんじゃないでしょうね?」
筋肉1「それもと~っても魅力的なんだけどねえぃ、違うわん」
筋肉2「うむ、これだ」
爰京「赤い鍼……?」
筋肉2「名を『礼神具破悪兎』と言う」
爰京「鍼に名前があるの? 名工が作る武器みたいね」
筋肉2「その考えはあながち間違っておらん」
爰京「確かに持ってるだけですごい力がある様に感じるわね。 まぁこういう物だったら貰っておくわ」
筋肉1「えぇ、今度会う時はお揃いの褌を用意しとくわねん♪」
爰京「それはいらないわ」
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爰京「時間も惜しいので早速治療を始めましょう」
椿「えぇ……」
馬騰様は返事をすると目を瞑る。 周りの皆さんは黙って見守っている。
爰京「頼むわね、礼神具破悪兎。 ……はぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」
私は鍼を握り力を込める。 この治療法は師匠直伝の技法なので見た事がないのだろう、周りが騒ぐが一回始めると余裕が無くなるのでこの際無視させてもらう。
爰京「我が身、我が鍼と一つになり! 一鍼同体! 必察必治癒………病魔覆滅!」
初めて使うはずの赤い鍼が妙に私の手に馴染む。 これなら……
爰京「全力全開! 痛いの痛いの……飛・ん・で・いけぇぇぇぇぇぇぇえええええっ!!!!!」
どうも茶々零です。
第18話いかがだったでしょうか?
やっと復活出来ました; 恋姫まつりに熱中症ネタを投稿を画策して見事に失敗した茶々零です。
まぁ自虐しすぎると悲しくなるので
『全く関係ない冬にでも投稿出来たらいいなって思ってます』www ※予定は未定
~現実の事~
引っ越しました。
引っ越した次の日にネット開通するはずだったのに大元が壊れて出来ないと笑いながら言われました。
作業員に殺意が沸きました。
工事が2週間後だと言われました。
オペレーターに殺意が沸きました。
今は上の階の友達の部屋からケーブルを垂らして事なきを得てます。
よくよく調べたら大元が壊れてるんだから友達の部屋もよくネットが切断されます。
N○Tに殺ry
~本編の事~
やばいはっちゃけすぎた……
まぁ直す気はありませんがw
今度からはっちゃけた回を『沢村回』と呼ぼうwww
でわまた第19話でお会いしましょう。
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お久でございます。18話です。