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「大変だ! こまりちゃんがさらわれた!」
「なんだと!? 鈴の友達の神北が!? 佳奈多司令!」
舞い込んだ緊急事態に恭介が司令に出撃を促す。
「わかっているわ……リトルバスターズ、出撃!」
「「「「「了解!」」」」」
「にゃっはっは、遅かったですねリトルバスターズ、
もう少し遅かったら人質のぷにぷにほっぺに落書きを
たくさん書くところでしたよ」
「ほわ~たすけて~」
「こまりちゃん!」
現場に到着すると小毬は悪の組織の幹部、ハルチン
・シャカシャカヘイに拘束されていた。
「お前、こまりちゃんを放せ!」
「いいですよ」
「いいんだ!?」
あっさりと開放される小毬。
「ふっ、所詮人質は諸君らをおびき寄せる手段! 今日こそ一掃してあげますよ、我ら
の組織が誇る発明家、ドクターミオチンの発明NYP(なんだかよくわからないパワー)
ハイパーメガバスーカランチャーでね!」
そういってハルチン・シャカシャカヘイが取り出したのは仰々しいバズーカであった。
「おい、あれやべえんじゃねえか!?」
リトルバスターズの面々がとっさに身構えるも時はすでに遅く。
「覚悟しろ~ファイヤー!」
無情にも引かれるバズーカの引き金。しかし――
「どうやら不発のようだな……」
「ありゃりゃ? おっかしいな~」
何度引き金が引かれようともバズーカからはカチカチと音がするだけでその巨大な砲身
からはなにも出なかった。
「あの~ちょっと説明書を読むんでその間待っててくれませんかね?」
「オーケー」
「ええっ!?」
リトルバスターズのリーダーである恭介の許可も出たところで説明書を読み始めるハ
ルチン・シャカシャカヘイ。
『このNYPハイパーメガバズーカランチャーの使い方は簡単です、構えて引き金を引く、
それだけです』
「うんうん、それでそれで?」
『なおフルパワーで撃つと太陽系を軽く吹き飛ばすくらいの威力が出ますので取り扱いに
気をつけましょう』
「あぶなっ! あたしさっき連続で引き金引いちゃったよ!」
『しかしNYPを持っていない人には使えないのでハルチンさんには使えません』
「んなもんはじめっから持たすなー!」
ちなみにハルチン・シャカシャカヘイが説明書に悪戦苦闘している間、我らがリトルバ
スターズはというと……
「おい、だれだよスペードの九を止めてる奴は……パス二回」
「ん~だれだろうね~パス一回だよ」
「こわっ!? 理樹、なんかこまりちゃんが黒いぞ!」
なんかみんなでくつろいでいた。
『ですが武器の収納ケースにはもう一つ、ハルチンさんでも扱える武器が入っています』
「おお! さすがはミオチン、どれどれ……これかにゃ?」
そうしてケースからハルチン・シャカシャカヘイが取り出したのは割り箸を拳銃の形に
組み合わせて輪ゴムを飛ばすおもちゃ、俗にいう輪ゴム鉄砲であった。
『とはいえその武器で敵を倒すことはおそらく無理でしょう』
「絶対に無理だよこんちきしょー!」
『そこでハルチンさんに秘策を授けます』
「うう……この流れだと期待できないけどなにかな?」
『おもいっきりザコっぽい感じで「これで勝ったと思うなよ~!」と叫んで……』
そこまで読んでハルチン・シャカシャカヘイはおもむろに説明書を閉じた。
「うわ~ん! これで勝ったと思うなよ~!」
そしてなんかザコっぽい捨てゼリフを残して逃げていった。
「みっしょんこんぷりーと!」
「ええ!? 僕らトランプしてただけだよ鈴!?」
「どれも等しくミッションさ」
「トランプが!?」
ドクターミオチンの発明を打ち破ったリトルバスターズ、だが戦いが終わったわけでは
ない。悪を滅ぼすその日まで、戦えリトルバスターズ!
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もしリトルバスターズ! が戦隊ものだったら……? というお話