「あー!? 立ち読み防止のビニールが破られてる!」
「駐輪禁止のところに自転車が!?」
「だれだ! こんなとこにビー玉ばら撒いたのは!」
町の繁華街、普段は大勢の人でにぎわっているこの
場所は混沌の渦に包まれていた。
「にゃははは~♪ イタズラ三昧楽しいな~♪」
言わずもがな、悪の組織の仕業である。
「そこまでだ!」
「むむむ、なにやつ!?」
「「「「「リトルバスターズ参上!」」」」」
悪の組織に雄雄しく立ちはだかるその姿、みんなの
ヒーローリトルバスターズである。
「お前の横暴もそこまでだ! 悪の組織の幹部ハルチ
ン・シャカシャカヘイ!」
「おのれ~こしゃくな~」
「いやいや、横暴ってどうみても子供のイタズラレベ
ルだよね!?」
一人冷静にツッコミを入れるリトルバスターズピンク、理樹。
「気持ちはわからんでもないがな、理樹……」
「おめーよ、しらけるこというなよ」
「ノリの悪い奴だな」
「ええっ!?」
出る杭は打つ、それは味方であっても変わらないのが我らリトルバスターズだ!
「空気の読めない理樹はともかく覚悟はいいな、ハルチン・シャカシャカヘイ!」
「ふっふっふ、あたしが空気の読めない理樹くんのようにあっさりと倒せる考えはチョコ
パフェ以上にスイートですよ」
「いやいや、なんで会話のついでに僕が叩かれているの!?」
もう帰りたい、理樹は心の底からそう思った。
「いでよ、ワンコ怪人忠犬クド公!」
「わふー!」
ハルチン・シャカシャカヘイの号令とともに現れたのは犬耳(尻尾&肉球付き)の怪人
の少女だった。
「ぐはぁ!」
「恭介!? なんでいきなり大ダメージ受けてるの!?」
かわいらしく登場したその姿を見ただけで鼻血を噴出して倒れる恭介。
「ふっ、言うだけのことはあるじゃないか、まさか登場しただけでオレがここまで追いつ
められるとはな」
「それでダメージ食うのはロリのおめーだけだよ」
「オレはロリじゃねえ!」
「鼻血を流しながら否定されても説得力がまるでないんだが……」
「変態だな」
恐るべきは忠犬クド公、出てきただけでリトルバスターズの足並みはバラバラだ!
「ちゃ~んす♪ やっちゃえクド公!」
「わふー!」
その隙を突いて忠犬クド公がリトルバスターズに襲い掛かる!
……ぱたん
「わ、わふ~……」
しかし忠犬クド公は相手にたどり着くまでもなく足をもつれさせて転んだ。ものすごく
いたたまれない空気が周囲に漂う。
「え、え~と大丈夫?」
あまりに気の毒なので手を差し伸べる理樹。
「わふ? ……わふ~♪」
「わ!? なになに? くすぐったいよ」
そんな理樹にじゃれ付く忠犬クド公。
「きょーすけ、何が起こったんだ?」
「よくわからんが理樹に懐いたみたいだな」
「……忠犬なのに寝返ったのか?」
「細かいことは気にするな」
「なんだってー!?」
唖然とするハルチン・シャカシャカヘイ。
「こんちくしょー! 今日のところはこのくらいにしといてやる~、サラバ!」
辛くも敵を退けたリトルバスターズ、だが悪の根が断たれたわけではない。戦え僕らの
リトルバスターズ! 平和を取り戻すその日まで、負けるなリトルバスターズ!
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もしリトルバスターズ! が戦隊ものだったら? というお話。