No.151230

真・恋姫無双呉ルート(無印関羽エンド後)第二十一話

海皇さん

 どうも、二十一話投稿いたしました。
 いつもいつも見てくださります皆さん、ありがとうございます。
 今回は劉備との会談のみですので戦闘シーンはありません。

2010-06-17 13:49:12 投稿 / 全12ページ    総閲覧数:10440   閲覧ユーザー数:8095

「ほえ~本当に愛紗ちゃんそっくり~」

 

 「はわわ~、まるで愛紗さんが二人いるみたいです~」

 

 「あわわ~、びっくりです~」

 

 目の前にたっている劉備とこの世界の朱里、そして鳳統ちゃん(この世界の朱里から紹介された)は愛紗をみてびっくりしている。

 

 あの愛紗対愛紗の騒動なんだが、騒ぎを聞きつけてやってきた劉備に向こうの朱里、そして鳳統ちゃんが必死でこの世界の関羽をなだめて収まった。

 ん?愛紗?

 

 いつもどうり俺が愛紗にディープキスして終わらせた。

 

 終わったあとに周りを見たら雪蓮は面白そうに笑っていて、冥琳は見て見ぬふりをしており、この世界の関羽は顔を史実の関羽顔負けに真っ赤にしており(史実では関羽は赤ら顔との事)劉備達も同じく真っ赤になっていた。鈴々は何がなんだかわからないって顔してたけど。

 と、まあこうして騒動は終わり、現在は劉備さんと会談中と言うわけだ。

 ちなみにこの世界の関羽は愛紗を睨み付けている。

 それに対して愛紗はどこ吹く風といった様子だ。

 

 「・・・さて、と劉備」

 

 「あ、はいっ!!」

 

 雪蓮の言葉に劉備は驚いたような声をあげる。

 俺は改めて劉備を見た。

 

 なんというかどこかほんわかした、この乱世に似合わないような女の子だった。

 まあどこか側にいると安心する雰囲気はあるからそれに愛紗や鈴々や朱里は惹かれたんだろうな・・・。

「まあまあそう緊張しないで。冥琳から聞いたんだけど、あなた、今回の戦の先陣になったんですって?」

 

 雪蓮の問いかけを聞いた劉備達は皆暗い顔になった。まあ少数の軍勢で城攻めの先鋒やらされるんだからこんな顔になるのもしかたないか。

 

 「それで、え~と諸葛亮ちゃんだっけ?あなたはこの戦、勝てると思う?」

 

 「・・・難しいとしか言えません。ただでさえ、篭城している敵を力攻めするのは厳しいというのに、さらに敵の軍勢の方が自分達の軍勢より多いとなると・・・」

 

 雪蓮の質問に朱里は深刻そうな顔で答える。

 

 「ふむ、そこでだ。我等孫呉は貴公等と同盟を組みたいと思っているのだが」

 

 「えっ!?」

 

 突然の冥琳の言葉に劉備達は驚いた表情をした。

 確かにいきなり同盟組みたいって言われたら驚くだろうな。

「ああ、ついては今回の汜水関での戦い、我々も協力しようと思うのだが・・・」

 

 「それは願ってもないことなんですが・・・何で私達に協力してくれるんですか?」

 

 劉備が冥琳に不思議そうに聞いた。そりゃあよほどのお人好しでない限りただで協力しようなんて軍はいないだろう。なにか裏があると思うに違いない。

 

 「まあ、理由は二つあるわ。第一にこの戦の戦功、ね。協力してあげる代わりに汜水関での戦功を私達に譲ってほしいのよ」

 

 「はあ・・・私達は戦功に興味はありませんから別にいいですけど・・・」

 

 劉備はまだどこか疑問そうな顔をしながら言った。この世界の関羽は何か言いたそうな顔をしていたが、結局何も言わなかった。

 

 「そしてもう一つ、それは、あなたとの同盟よ」

 

 「私達との、同盟ですか・・・?」

 

 「そ、あなたってなかなか将来有望そうだし、周りの臣下も有能そうだからね。

 今のうちに手を組んでおこうと思って。あなたにとっても悪くない話よ?」

 

 「・・・朱里ちゃん、どう思う?」

 

 雪蓮の言葉を聞いた劉備は、隣にいた朱里に意見を求めた。

「・・確かに今の私達にとっては悪くない話ではあります。ですが・・・」

 

 「裏切るかもしれない、と?」

 

 冥琳の言葉を聞いた朱里は、躊躇した末、口を開いた。

 

 「・・・はい。失礼かもしれませんが、私達と孫策様達は初対面です。

 ですのでそう簡単には信用はできませんので・・・」

 

 「ふむ、まあこの乱世ではしかたのないことだな。むしろ我々がいきなり同盟を組もうといってきたのだ。疑って当然だな」

 

 朱里の言葉を聞いた冥琳は肩をすくめてそう言った。

 実際同盟を組んだと思ったら裏切られたなんて例、結構あるしな。

 疑って当然か。

 

 「だから、同盟締結の証として今回の戦で、協力しようって話なのよ」

 

 雪蓮が冥琳の言葉に続けて話す。雪蓮の言葉を聞いていた劉備はしばらく考えていたようだが、

 

 「・・・孫策さん、孫策さんは一体、この大陸でなにをしたいんですか?」

 

 と、突然雪蓮に質問をした。

 

 「私?私は今のところは孫呉の独立といったところよ。

 そして妹達や冥琳達と平和に暮らせる世をつくることね。

 正直天下統一なんてどうでもいいし」

 

  雪蓮の言葉を聞いた劉備は顔を上げた。

「分かりました、同盟の件、お受けします」

 

 「桃香様!そう簡単に・・・」

 

 「愛紗ちゃん、私達の理想はみんな仲良く暮らせる世界を作ることだよね?

 その為にも孫策さんとの同盟は必要だと思うの。

 それに、孫策さんの理想と私達の理想は同じものだと思うから、孫策さんとも分かり合えると思うし」

 

 劉備の言葉を聞いたこの世界の関羽は反論を止めてしまう。

  ・・・みんな仲良く暮らせる世界、か・・・。

 かつて俺は、そんな世界を目指して戦っていたっけ・・・。

 でも思想や考え方の違いがある限り、必ず争いは起こるものだ。

 だからといって、人々の考え方を無理矢理統制して争いを無くす、これも平和とは言い難し。

 だから向こうでも争いは少なくなりこそすれ無くなりはしなかったな。

 難しいよな、理想って言うのは。

 まあその理想をあきらめない心が、劉備の魅力なのかもしれないけど。

 

 「なら、あなたとの同盟締結ってことでいいわね?」

 

 「はい!よろしくお願いします、孫策さん!」

 

 「ええ、こちらもよろしくね、劉備」

 

 と、雪蓮と劉備は握手をしていた。

 やれやれ、これで同盟締結か・・・。

 関羽以外はそこまで批判的ではなさそうだし、大丈夫かな・・・。

 

 

「さて、では汜水関についてなのだが、貴公らは何か情報は?」

 

 冥琳の言葉を聞いた朱里は、すぐに返答する。

 

 「はい。汜水関を守る兵は約3万、率いる将は華雄さんと張遼さんだとか・・・」

 

 「華雄?」

 

 朱里の言葉を聞いていた雪蓮は突如反応を示した。

 

 「雪蓮、知ってるの?」

 

 「私は知らないけど、確かお母様と戦った将だったわね・・・。

 勝ったのはお母様だったけど」

 

 ああ、そういえば孫堅と華雄は正史で戦っていたっけ。演義では関羽と戦っていたけど。

 

 「まああの時の華雄はまだ戦場に出て間もなかったみたいだし。

 昔よりは確実に強くなっているでしょうね」

 

 雪蓮の言葉を聞きながら俺は前の外史の華雄のことを思い出していた。

 華雄、ねえ・・・。正直愛紗に一刀両断された、それだけしか印象無いな・・・。

 ここは愛紗に戦ってもらうかな・・。今の愛紗は恋と一対一で戦っても負けないほど強いし。

 そしてあとの一人は張遼、霞か・・・。

 向こうでは曹操軍に捕らえられて曹操に仕官したけど・・・。

 この二人、引き抜けないかな・・。どの道月達を助けるのなら彼女達も仲間にしたいけど・・・。

 あとで雪蓮に相談してみるか。

「・・・と、いうわけで、基本戦術は、敵将華雄を汜水関からおびき出す事、ね」

 

 その後、軍議は冥琳、朱里、鳳統ちゃんを中心に進んだ。

 で、軍議の結果、作戦はとにかく華雄を挑発して汜水関からおびき出す、ということになった。

 そしておびき出した華雄を愛紗が食い止めている間に俺達が汜水関を攻める、ということになった。

 

 「ところで御使い様と天将様は、どうして孫策さんのところにいるんですか?」

 

 と、突然劉備が俺と愛紗に質問をしてきた。

 いきなりそんな質問されてもな、俺と愛紗もたまたま雪蓮のところに来ちゃっただけだし。隣で愛紗も困った顔をしている。

 

 「う~ん、そう言われても、俺達は気がついたら雪蓮達の所にいたからなあ~。

 まあ強いて言うなら、天命、かな?雪蓮と一緒に乱世を治めろって」

 

 「そうかもしれませんね。私もご主人様と同じ意見です。雪蓮はこの世を平和にしようと行動している。だから天は我々を遣わしたのだと考えている」

 

 「へえ~そうなん・・「ならばなぜ桃香様の元に来られなかったのです!

  桃香様もまた、この世の平和のために戦っていなされるのですよ!!」

・ ・・ちょっ、愛紗ちゃん!」

 

 俺と愛紗の説明に突然この世界の関羽が割り込んでくる。

 だからそんなこと言われても俺達はたまたま雪蓮の所にいったから・・・。

 それにはっきり言って劉備の所には居場所無さそうじゃないか。

 

「だから、俺達は気がついたら雪蓮達の所にいたから、自分の意思じゃないんだよ。

 それに、劉備さんの所は十分人材いるじゃないか、俺達の出る幕はないよ」

 

 「ご主人様の仰るとおり。文句があるのなら天に言うのだな。関雲長殿」

 

 「くっ・・・」

 

 愛紗の言葉にこの世界の関羽は悔しげな顔で沈黙し、俺達を睨み付けてくる。

 その視線を愛紗は軽く受け流している。

 どうやら愛紗とこの世界の関羽は相性悪そうだな・・・。

 同盟に支障でないといいけど。

 

 「あ~、それではそろそろお開きとしようか、雪蓮」

 

 「そ~ね、それじゃあ劉備、また戦場で会いましょう」

 

 「え、あ、は、はい!」

 

 突然の雪蓮の言葉に劉備は少しばかり驚きながら、返事をしたため、

 軍議はお開きになった。

「それにしてもあの関羽って子、関平にそっくりよね~」

 

 「ああ、まるっきり生き写しだな。関平、本当に姉妹ではないのか?」

 

 軍議の後、陣地に向かう帰り道で俺達は雪蓮と冥琳からそんな質問をされていた。

 やれやれ、外史うんぬんの話をしても余計混乱させるだろうし、どうしたものやら・・・。

 

 「実を言いますと私達の世界にも関羽という人物は存在しているのです。

 そして私はその関羽の子孫なのです」

 

 俺が何か解決法を考えていると愛紗が突然そんな説明をした。

 まあ確かにその方が外史うんぬんを説明するよりも分かりやすいけど。

 

 「へえ~、天の世界にも関羽っているんだ~。じゃあじゃあ私と冥琳は?」

 

 「はい、いますけど・・・」

 

 と、突如愛紗が沈黙する。

 

 「どうかしたか?」

 

 「いえ・・・その・・・いいにくいのですが・・・」

 

 「なに~、気になるじゃない~、早く言ってよ~」

 

 雪蓮がそう急かすため愛紗はしぶしぶ口を開く。

 

 「・・・全員、男ですよ」

 

 

 

 

「「・・・・はい?」」

 

 突然の話に雪蓮と冥琳は沈黙してしまった。

 ん?そういえば、何か忘れているような・・・。

 確か、何だったけ?

 

 

 

「あ、あはははは。結局私、出番なかったな・・・・」

 

 劉備陣営で、完全に忘れられた公孫賛のつぶやきが、空しく空に響いた。

 

 「ぱ、白蓮ちゃん!ご、ごめんね!忘れたわけじゃあ・・・」

 

 「・・・お前はいいよなぁ、桃香・・・・。・・・どうせ私なんて・・・・」

 

 劉備の慰めも耳に届かず、公孫賛はただやさぐれていた。 

あとがき

 

 第二十一話、読んでいただきありがとうございました!

 

 しかし長いものでいつのまにか二十一話まで書いてしまっていました。

 

 まあ他の人物の会話やらなにやらを書いていたらこんなに長くなってしまったから

 

 しかたないといえばしかたないんですけど・・・。

 

 まあ、次はようやく戦闘編に入りますのでお楽しみに!

 

 あとコメントもよろしくお願いします!

 

 


 
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