No.140701

『偽・悲恋姫†異聞録』21

Nightさん

GW特別企画深夜便の投稿です

どなたか一人でも面白いと思っていただけたら僥倖です

2010-05-04 01:43:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4576   閲覧ユーザー数:3975

「貴様も死兵か、死兵は大人しく地の底で眠れっ!」

 恐ろしいほどの正確さと、速さで

 唯一の弱点である足の甲を射抜かれた

 地に縫い付けて動きを止め、止めを刺しにくる

 

 流石は秋蘭さん、こんな状態でも冷静にこんな攻撃をしてくるなんて

 

 華琳さんが小さいころから離さないのも、良くわかりますわね

 

 しかし、麗の行動は秋蘭の予定を大きく覆す。

 そのまま、射抜かれ、地に縫い付けられたその足で地を蹴る。

 まるでそれすらも、自らを飾り付けるただの装飾でしかない

 そういわんばかりの微笑を、欠片も曇らせることなく・・・

 

 秋蘭さんは、全然わかってませんのね・・・私が死兵に見えるなど

 

 こんな所で死ぬつもりなんて、毛頭ありません

 

 それに・・・御主人様の命も無しに、私が死ねるはずがありません

 

 サイドステップで避け様に矢を放つ秋蘭

 麗の微笑みを湛えた深い緑の瞳が、すっとその動きに合わせて動き

 いっそう笑みを深める・

 

 だから・・・それが、舐め過ぎなんです秋蘭さん

 

 私を、何時の私と重ねているのかしらね、貴女は

 

 それを体で受けながら麗の方天画戟が繰り出した攻撃は

 石突き側の槍による突きではなく

 方天画戟の穂先による薙ぎ払いだった。

 

 今まで矢を叩き落すのも

 突進からの攻撃も

 全てが直線的な突き

 仕込みに仕込んだ、この一撃のために

 目を直線の動きに完全に慣らさせていたのだ・・・

 

 そう、自分の運を信じ、上空からの矢になど毛ほども注意を払わず、秋蘭を仕留める為に

 ・・・その一撃に渾身の力をこめて。

 


 
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