No.124587

真・恋姫✝無双 仙人で御遣い 24話

虎子さん

拙い文章ですが、よろしくお願いします。

2010-02-15 15:10:03 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:3779   閲覧ユーザー数:3164

~洛陽 城内禁裏~

 

屋根の上に登った豪臣は、まず『消』で気配を消して禁裏の方へ向かった。

そして、屋根裏に侵入。少帝・献帝の姿(偉そうな格好をした奴)を探した。

すると、ある部屋で床に座って考え事をしている女の子を見つけた。

女の子は、美しい真っ直ぐな黒い髪を腰より少し伸ばしている。そして、まっ白な肌を持ち目鼻立ちも整っている。その表情から10代の半ば程ではないかと予想される。

だが・・・

(まぁ、こっちの世界では、何故か実年齢と外見年齢が一致しないから、当たってるか微妙だな)

と、思い、豪臣は年齢に関しては保留した。

その女の子は、何故か指を組んでいる。

まるで、何かに祈っているかのように見えた。

(凄く儚げな感じの娘だな。月に雰囲気が似ているかな?)

そう思い、豪臣は女の子に月の面影を見ていた。

すると

「・・・御遣い」

と、女の子が呟いた。

(エッ!)

 

ガタッ!

 

驚いた豪臣は、つい音を立てる。ついでに、集中力が途切れて『消』が解除されてしまう。

(しまっ・・・)

「誰だっ!?」

下を確認した豪臣の眼に、天井を睨んでくる女の子の姿が映った。

 

 

気づかれた豪臣は

(どうする?逃げるか?)

と、考えていると

「降りてきなさい」

と女の子が言ってきた。

「・・・ニャ~」

苦し紛れの猫真似。

「死にたいのですか?降りなさい」

(即バレっ!)

ばれたので、そろ~、と逃げようとその場から後退を始めた豪臣。

すると女の子は、部屋の壁に飾られていた槍を手に取り

「・・・さっさと降りて来い!この侵入者っ!!」

と、叫んで、先程まで豪臣が居た場所に

 

ガスッ!!

 

と、槍を突き立てた。

(おいおいおいおい!!)

豪臣と槍の距離は約30㎝。流石の豪臣も冷や汗ダラダラ。

(さっきまでの、儚げな雰囲気は何処に逝った!)

豪臣が内心叫んでいると

「最後です」

と、天井裏に突き出ていた槍が抜かれ

「今すぐに降りてきなさい。でないと・・・穴のあなを穿り返すぞ!」

そう、ドスの利いた声で言ってくる。

(コワッ!)

豪臣は、大人しく女の子の前に降りた。

 

「何してたの?」

女の子は、槍を構えたまま問う。

「いや~・・・・・・迷子?」

 

ヒュン!

 

「ジョーク、ジョーク!冗談だって!」

ピタッ、と豪臣の喉に突きつけられる槍。

「・・・名と目的を言いなさい」

そう言って、睨む女の子。

豪臣は

(この娘、マジでコワい!)

「紫堂豪臣だ。目的は、劉弁殿下と劉協殿下の顔を見に来た」

と、観念して言った。

すると、女の子はさらに目を細めて

「・・・紫堂?」

と、呟いた。

(・・・?俺のこと知ってる?)

豪臣が首を傾げた瞬間

「御遣い様っ!」

「のわっ!」

女の子が抱きついてきた。

(え?何々、何だ!?)

槍に注意していた豪臣は驚く。

「あ、あの~。いきなり何?」

豪臣が恐る恐る訊くと

「御遣い様!遂に迎えに来てくれたのですね!この劉協。一日千秋の思いでお待ちしておりました!」

豪臣の話を聞いて無い。

(ん?今、劉協って言わなかったか?)

豪臣はそう思い、女の子を無理やり引き離す。そして、床に座らせて自分も対面に座る。

「なあ。今、劉協って言ったか?」

「はい」

笑顔で返す劉協だった。

 

「なるほど。俺の名前が噂に・・・」

 

豪臣は、劉協から何故自分の名を知っていたのかや、何進や張譲たちの権力争いについてなどを教えてもらった。

名前については、鈴花の流した噂だった。

“天の御遣いである紫堂様が皆を導く”みたいな噂らしい。

 

話を聞いて、ふと、思うこともあった。

(面倒な話だな。てか、ある意味俺の方が反逆者として捕まりかねないと思うんだよな、この噂は。やっぱり、愚帝は愚帝か)

である。豪臣は、霊帝の間抜けっぷりに辟易した。

と、豪臣が考えていると

「御遣い様。私を迎えに来てくれたんですよね?」

と、劉協がキラキラした瞳で見詰めてくる。

これは、さっきからずっとである。すでに五回目の質問だ。

(はぁ。最初は儚げ、次は鬼。そん次はキャッキャで、今は夢見る少女。この娘のキャラが掴めない)

喜怒哀楽の激しい劉協に、豪臣の精神は疲れてきていた。

「いや、だからね。皇女ってどんなんだろう、って見に来ただけだから」

豪臣が否定する。しかし、彼女は諦めない。

「ほぉらぁ~。私って可愛いじゃないですか?こう・・・ムラムラして攫いたくなりません?」

何故か誘惑しだす劉協。

(いや、皇女としてそのセリフはどうよ?)

豪臣は、心の中でツッコミを入れる。

「ほぉらぁ~」

体。主に(小さい)胸を重点的に押し付けてくる。

その意図が分かる豪臣は言った。

「ハァ、その体つきで迫られてブヒョッ!!」

ゴリッ!という音と共に、劉協の拳が顔面(鼻)にめり込む。

「酷いわっ!体のことを莫迦にするなんて!」

(ハナッ!鼻にキタ!)

「いや、俺は本当のことブホッ!」

さらにもう一発、同じところに拳が入る。

「酷いわ、また殴らせるなんて!まだ、父上様を殴ったことも無いのに!」

(別に、殴れとは言って無い!・・・あれ?言葉がおかしくなかったか?)

「いや、霊帝を打つのはどうかと・・・」

豪臣は、鼻を押さえながら突っ込む

「いいんですよ!あんな豚野郎!あんな奴、皮を剥いで丸焼きにして食べ・・・たくないから、犬の餌にでもすればいいんです!」

フンッ、とそっぽを向く劉協。

(この娘、過激すぎ。・・・あ、鼻血が。もう、嫌!)

豪臣は、持参していたタオルで鼻を押さえた。

 

~豪臣の部屋~

 

日が沈んだころ。

「で、結局は代わりということで、イヤーカフスを取られたんですか?」

「そう」

豪臣は部屋に戻り、朔夜と約束していた“一日抱っこ”を実践しながら昼のことを話していた。

「それにしても、攫って行け、とは過激な皇女ですね」

「そうだな。何か、自分を政治の道具にされるのが辛かったらしい。だから、皇族と同義である“天”の名を冠する御遣いに連れて行って欲しい、という夢があったらしい。

 何とか、イヤーカフス一つで勘弁してもらえたけど」

ガックリと肩を落とす豪臣。

 

『でも、いつかは迎えに来て下さいね。豪臣様(ハート)』

 

豪臣は、自分が帰るときに劉協が言った言葉を思い出して苦笑する。

「連れて来てあげれば、良かったじゃないですか」

サラリと言うのは、膝の上に乗る朔夜。

「無茶言うな。ま、残ってもらわないと困るしな」

「何がです?」

朔夜は首を傾げる。

「月たちだ。もし、上洛した場合。洛陽には味方が居なくなる。お飾りとはいえ、劉協を味方につけておけば、後々楽になる」

「反董卓が起こった場合、ですか」

「ああ」

頷く豪臣。

すると、そこに

「失礼します。鈴花です。豪臣君は居ますか?」

と、声が掛った。

豪臣が返事を返し、鈴花が入ってきた。

「明日のことについて、話しに来ました」

「そっか。半日掛るんだっけ?」

「いえ、馬でいけばそこまで掛りません・・・」

と鈴花が言ったとき

「豪臣。すいませんが、ちょっと出かけてきます」

そう言って、朔夜が膝から飛び降りた。

「あらあら。朔夜さんも居てもらった方が良いのですけれど」

「豪臣が聞いていれば十分です」

「朔夜。抱っこはもう良いのか?」

豪臣は、約束について訊く。

「莫迦も休み休み言って下さい。後15時間46分の抱っこは、ちゃんとしてもらいます」

「お、おう」

朔夜は、豪臣を一睨みして

「では、行ってきます」

と、窓から出て行った。

 

~洛陽 城壁~

 

「来ましたよ」

城壁に着いた朔夜は、闇に向かってそう言った。

すると、そこから卑弥呼が出てくる。

「流石、と言っておこう」

「御託はいりません。要件は?」

卑弥呼の世辞を、朔夜は切り捨てて訊く。

「せっかちだな。要件はこれだ!」

「っ!・・・仙桃ですね?」

朔夜は、恐る恐るといった感じで訊く。

「そうだ」

「これを食べれば、人間に変身出来る」

「うむ。これを食せばうぬは人の姿を取れる」

朔夜は、待ちに待った仙桃を見詰める。

そして、では、と卑弥呼が地面に置くと跳び付く様にして、仙桃に齧り付いた。

 

食べ終わった朔夜は

「・・・・・・卑弥呼?」

と、卑弥呼を見る。

「どうした?」

「変わった感じがしないのですけど・・・」

「ふむ。儂は動物から人になった訳ではないから知らんぞ」

朔夜の言葉に卑弥呼が首を傾げる。

(無責任な!)

朔夜は、内心抗議する。

「まぁ、いつかなれるときが来るであろう。そのときまでの我慢だ」

ガッハッハ、と笑う卑弥呼。

それを見た朔夜は、フツフツと怒りが込み上げてくる。

「食べれば人になれると言いましたよね?」

「・・・・・・」

卑弥呼は笑うのを止め、自分を睨む朔夜を見る。

「言いましたよね?」

「・・・・・・」

卑弥呼は、自分の命が心配になってきて冷や汗を流す。

「言いました、よね?」

「・・・う、うむ」

卑弥呼は、頷く。

すると

「なら、嘘吐きには、それ相応の報いを・・・」

そう言って卑弥呼に近づきて行く朔夜。身体に氣を込め巨大化し様とした。

そして

 

「・・・え?」

「ぬうぅう!」

 

二人は、驚いた。

朔夜が

 

「あ・・・手があります」

 

女の子になっていた。

 

あとがき

 

どうも、虎子てす。

 

では、作品の話しです・・・

いや~、前回のあとがきに、オリキャラが三人出ると書いて置きながら出て来たのは劉協だけ。失敗です。すみません<m(__)m>

取り敢えず、朔夜を先に書きたくなったので、残りのオリキャラ二人は次回に持ち越しました。

さて、劉協ですが、完全に壊しました。他のクリエーターさんの作品を読んで“子供”“病弱”“礼儀正しい”“可愛い”といったキャラが多かったので、遊んでみました。

鈴花に続き、出したかったキャラの一人ですね。

まぁ、あんまり登場シーンが無い様に思えますが、頑張って出られる様にしましょう。

 

 

次回投稿は、未定です。

 

作品への要望・指摘・質問と共に、誤字脱字等ありましたら、どんどんコメント下さい。

 

最後に、ご支援、コメントを下さった皆様。お気に入りにご登録して下さった皆様。

本当にありがとうございました。

 

ではでは、虎子でした。

 

 


 
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