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「流れ星・・・・・まるで貴方と出会ったときのようね」
そうこちらを見て話しかけてくる美しく、まるでガラス細工のような
端麗な少女はこちらを見て微笑みながらつぶやく
「そうなのですか?曹操様あいにく私はこの世に落ちたときの記憶は一切ありませんので」
「ええそうよ、しかしその話し方はどうにかならないの?それと真名を呼ぶことも・・」
そういうと我が主、曹猛徳は不機嫌そうに眉をしかめる
「そのことは前も申しました通り、私は貴方に臣下の礼をとったのですから・・・」
そういうとため息をひとつ
「ふぅっ、まあいいわ春蘭!秋蘭!準備は出来て?」
「はっ!いつでも出撃可能です、華琳様」
「ではこれより賊の討伐に出る!無知な悪党どもに奪われた貴重な遺産、なんとしてでも
とりもどすわよっ!・・・・・出撃!!」
「「応」」
その声に答え陳留の兵士たちは声をそろえ士気も高く答える
「うわぁっ!!!」
土煙を上げて地面に転がり、その口からは血を流し着ている服も切り傷で血にまみれ
痛々しい傷口が衣服を濡らす
「兄貴、こいつまだ抵抗しますぜ」
背の小さい男は兄貴と呼ぶ背の高い男に話しかける
「兄ちゃん、いい加減に諦めな!陳留の刺史なんかに駆け込まれてもやっかいだからな」
そういうとその手に持つ刃こぼれしている剣を振りかざし、それを振りおろそうとしたとき
がきぃ
鈍い金属音を立て振り下ろそうとしていた剣が中を舞い地面に突き刺さる
「だ、だれだ!!!」
「おとうさ~ん、むこうでだれかたたかってるよ~」
手作りの望遠鏡から目を離し頭を上にあげて話しかけてくるのは最愛の娘、遊び道具にと
眼鏡屋で作ったものを今日は持ってきたようだ
「む?涼風、よくやったお手柄だぞ!曹操様、左前方に賊らしきものを発見しました」
そういって涼風の頭を優しく撫でる、するとにへらぁ~と音が出るくらいの満面の笑みを浮かべ てくる
「よくやったわね涼風、しかしこんなところに子供を連れて来るなんてよく秋蘭が許したわね」
「それが、今日はずっと一緒にいると前々から約束をしていたもので、それに私は後方支援です
から賊相手に危険はないと・・・・・・・・」
苦笑いをしながら答えやれやれといった顔でかえされてしまう
(やはり泣いてもここはおいてくるべきだったか?でも泣き顔を見たり約束を破ったり
「おとうさんのうそつき~」なんていわれた日には・・・・・あぁぁぁぁぁ)
「どうせ泣き顔を見たり、約束を破ることが嫌だったのでしょう?秋欄もこの子の泣き顔には
弱いしね、それよりも先の見えない約束などするほうが間違っているわこれからは
気をつけることね」
そういいながら口の端を持ち上げる、その瞬間背中に冷たいものが流れる、これは
小さいころから一緒にいる俺がわかることだがこの感じは帰ったらオシオキが待っている
といっても秋蘭達にするようなことではなく、無抵抗に頬をたたかれ正座させられ縄で縛
られただ「ドS」の欲求を満たすためだけの・・・・・・・ガクガクブルブル。
「はい、モウシワケゴザイマセン・・・・・・」
そんな俺を見て心配そうに涼風が覗き込んでくる
「おとうさんどうしたのぉ~???」
「あははははは・・・・だいじょうぶ、だいじょうぶだよぉははははははは」
乾いた笑いしか出てこない、どうせいいんだ昔からそうなんだ俺はおもちゃと同類なんだぁ
泣いてない!ないてないよぉ~アハハハハハハ
「へんなおとうさん、えへへへぇ」
そうこうしているうちに賊らしきものがいたところに到着し秋蘭が報告しにくる
「華琳様、どうやら賊は逃げたようで襲われていた物が一人残されただけです」
隣にいた春蘭が戦えなかったことで不満いっぱいの顔をしながら
「華琳様!まだ近くにいるやも知れません!捜索と追撃をさせてください!」
「落ち着きなさい春欄、どこに逃げたかもわからないし闇雲に探しても糧食を無駄にするだけよ
それよりも襲われていた者から詳しい人相や情報を聞いたほうが確実だわ」
「うぅ~」などと唸りながら、しぶしぶ「わかりました」と了承する
「さて、それで襲われていた者は?」
「今は傷の治療を、致命傷は無くただ襲われていた恐怖で混乱をしているようですが・・・」
そう報告を受けるとこちらに目線を向ける、貴方にまかせるわと目で訴えてそれを
俺は微笑みで返す
「では私が参りましょう曹操様、秋蘭案内してくれ」
歩き出そうとすると服の裾を引っ張られそちらに顔を向けるとニコニコしながら両腕を広げる
涼風がいる、俺がひざを折り目線を合わせると首に手を回し抱きついてくる
そんなやり取りを見ながら秋蘭は微笑みながら案内をする
「ああ、こっちだ」
「うぅぅぅ・・・・・」
案内されて見れば自分と同じくらいの青年を見つける、その体には包帯があちこちに巻かれ
恐怖の度合いが伺える
(逃げ惑いながら何とか致命傷だけは避けた、と言った感じだな)
「おにいちゃんだいじょうぶ?」
「う、うう、あぁ・・・・ああ、大丈夫・・・・・だよ、ありがとう」
涼風の顔を見て少し落ち着きを取り戻したのか青年はどもりながら返事をしてくる
「あんた達は?」
「俺達は陳留の刺史、曹操様に使える者だ良かったら名と何があったかを教えてもらえないか?」
「あ、ああ、私は姓は劉、名は封、この近くの邑に住んでいたんですが・・・・・・・」
(劉封?あの劉封か?俺の記憶が間違っていないなら早いような気がするがこれまでの経験上
この世界は名だけなら確実に信用はできるな)
「っと、どうしました?私、何か変なことを言いましたか?」
眉根を寄せて見つめていたらしく、怪訝な顔でこちらを見て少し顔を青くしてしまう
それを見た涼風は俺のほうを見て顔を膨らませ
「おとうさん、いじめちゃだめぇ~!おかあさまにおこってもらうよ!!」とぺちぺちと
両手で顔を挟んでくる
「いや、すまないそういうわけではないんだ、そうだ名を教えてなかったな」
と、無理やり話を変えて涼風をなだめすかし
「俺は性は夏侯で名は昭、こっちは娘の夏侯衡だよろしく頼む、それで悪いんだが陳留まで
着てくれないか?話からすると賊の人相も知っているようだし詳しい話をまとめたい
出来れば賊の討伐に協力してくれると助かるんだがどうだろうか?」
その言葉を聴き、膝を着き目からは涙を流しながら訴えるように答えてくる。
「え、は!はい!ぜひお願いします!邑には私の家族もいました友もいました
それらを全て賊に奪われたのです!それを打ち倒すのに協力を拒むわけがありません!」
「ありがとう、では共に陳留へ行こう向こうで話を聞くよ」
そう笑顔で返し、陳留へと戻ることを曹操様に進言する
劉封か・・・なるべくなら仲間になってもらいたいな、詳しいことは曹操様に話さず
能力だけを見せれば問題は無いだろうがあまり歴史を狂わすと先が読めなくなる
それだけは避けねば、幼きころの彼女との曹操様との約束がはたせないからな
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続きなのですが
私は書くのも遅く小説などこれが初めてなのでもの
すごく文章も読みづらいと思いますもうしわけありません
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