No.1161637

孤高のへら師

新人さん

万葉集で鮒を詠んでいる。 「沖辺行き 辺を行き今や 妹がため わが漁れる 」この詩の情景は、″身分の高い人物が、 恋人のためにあちらこちら必死になって手のひらほどの小さなフナを捕る″ という意味らしい。 フナは古来より身近な食材として利用されてきたそうだ。奈良時代には手間のかかる鮒寿司が、滋賀県周辺から朝廷に特産物として献上されていたという。 フナは釣りの対象としても、昔から親しまれていたそうで「釣りはフナに始まりフナに終わる。」と言う格言もある。初心者が釣りに行って、室内の釣り堀でなら金魚釣りで簡単に楽しめる。 ヘラブナ釣りならベテランが本格的にのめり込むことができる。ヘラブナ釣りはたいへん奥が深いようで、全国各地の池や湖で頻繁に大会が開かれている。 早朝、山奥の静かな湖畔に、突如 サイレンが鳴り響く。それを合図に各自が狙ったポイント目指して一斉に騒がしくボートを漕ぎだしていく。そして 各々が位置についたあとは一気に湖面に静寂が広がる。嘘のような静けさの中、あとは夕刻の終了の合図まで、彼等は ただ無心にじっと浮きを睨み 微妙な当たりを待ち続けるのだ。僕は友人と他の釣りをしながら、そんな彼等を見た光景を思い出した。へら釣りはとてもストイックな世界だ。 2(ふ)月7(な)日は鮒の日だという。それと、以前の2月7日に始まった長野オリンピックのスキージャンプでは、フナの日じゃなくてフナキさんが金メダルを取っている…

2025-02-07 18:07:06 投稿 / 734×550ピクセル

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