タニグチリウイチの出没!
TINAMIX

タニグチリウイチの出没!

分かったこと、変わったこと。

仕切りの良さも従前どおり。すこし前、花火見物の人が通路いっぱいにおしよせて将棋倒しが発生して、亡くなった人も出た事故があった関係で、通路にぎゅうぎゅう詰めに人を押し込むようなことはせず、一部でボトルネックが発生したけれど、それでも間近に巨大な観覧車をのぞむ場所から、45分程度で東館の端の入場口へとたどりつくことができた。場内に入ってもとりたてて変化はなし。傍目にはホールいっぱいに並んだ机の上に、一所懸命作られたガレージキットが並べられ、熱気と活気が会場いっぱいにあふれていた。

イベント企業ブース
フィギュアの同人イベントが今やメーカーのマーケティング場、時代は変わる

ただ、見る人が見れば空気とか、出ているものとかに変化を感じたかもしれないし、現実問題、俗に「ガチャポン」と呼ばれるカプセルトイや、ペットボトルの上に取り付けるボトルキャップのグッズ、会場限定のアクションフィギュアといった、完成品で色もあらかじめ塗られていて、組み立てが必要なものでも凹凸をはめこむだけ、といった出来合いの品物が結構な種類出ていて、それを買おうと会場内でもまた行列が出来ていたりする光景が、前にも増して目立って来ていた感じがあった。このあたり、後日発売された模型雑誌などのリポートでも指摘されているから、読めばなるほどと説得される類の変化ではあるけれど、現場に行き、並んだことでより身に伝わる空気というものもがあった。

同じことは、8月26日に開催された『C3PRE』というイベントについてもいえる。今回が初の開催となるこの模型イベントは、事情は知らないけれどいろいろあって、『機動戦士ガンダム』をはじめとしたキャラクターの版権を管理する創通エージェンシーという会社と、『ガンダム』関連の商品を展開している玩具メーカーのバンダイが強く関わり、ほかにも模型関係のイベントに詳しい人とかも手伝って立ち上げたもの。目玉はやっぱり『ガンダム』関連のガレージキットやバンダイが作るプラモデルの限定品で、根強いファンがいるアイティムだけに、1時間前の『東京ビッグサイト』到着時にすでに、『ワンフェス』ほどではないものの結構な長さの行列ができていた。

行くイベント、来るイベント

ザク
『ガンダム』が集客にデカかったのか、デカかったのが『ガンダム』だから集まったのか。『C3PRE』最大の目玉がこの12分の1ザク。120体完売とは凄いの一言。

来ている人の種類はとりたてて『ワンフェス』と変わらず、あえていうなら若めの女性の割合が少ないというかほとんど見られなかった程度。もっとも、『ワンフェス』が取り扱うアイティムの種類も幅もひろげてさまざまな層のファンを呼び込み、どんどんと膨らんでいるのとは対照的に、オンリーとはいわないまでも『ガンダム』がメインの『C3PRE』が、これから大幅に客層をひろげて来るとはちょっと思えない。可能性でいうなら、老舗イベントで、夏の有明・模型関連イベントラリーの先陣を切って7月29日に開催された『JAF-CON10』の方に、水平方向・垂直方向へのひろがりがあるように見える。


『ワンフェス』と双璧だった時代も今は……来年からは『ホビーエキスポ』

『C3PRE』スタートの影響もあって、『ガンダム』関連の出品物に大きな変化が見られた今回の『JAF-CON10』。タイトルに『ホビーエキスポ2001』と盛り込まれたことが示しているように、ガレージキットやフィギュアだけのイベントから、トレーディングカードゲームもミリタリーグッズやモデルガンも含めた総合的なホビー関連イベントへと、イベントの質を転換させていこうとしている。行列をせず、午後からゆっくりとかけつけた関係で、朝方の熱気の程は不明だったけど、『東京ビッグサイト』のコの字型になった西館1階のホールの、片方の端でガレージキット絡みの展示が行われ、中央あたりをミリタリー、反対の端をトレーディングカードゲームのデュエルスペースが占めていた場内には、「『ガンダム』命!」みたいな一直線の熱さとは違った、キャラクターグッズを楽しんだり、ミリタリーのコスプレを楽しんだり、カードゲームでの対戦を楽しんだりする、さまざまな種類の人たちが混じり合って醸し出されるごった煮の熱さが漂っていた、ように見えた。

老舗イベントが後発におされて質的な転換を図ろうとしている一方で、ガレージキット・イベントとしての初期のこぢんまりとして和気あいあいとした雰囲気を持ちながら、それなりの存在感を徐々にだけど出しつつある、といわれている模型関連イベントもある。9月2日、模型関連イベントラリーのラストを飾るタイミングで開催された『ワールドホビーフェスティバル有明5』がそれ。歴史は2年ちょっとでまだ浅く、規模もほかの3つに比べて全然小さいものの、今年2月に『ワンダーフェスティバル』が開催されなかった、その間隙を縫うような形で横浜でのイベントや、その後の有明でのイベントが開催されたことで、『ワンフェス』から流れたディーラーが作品を出し、ファンを集めて注目された。 >>次頁

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