タニグチリウイチの出没!
TINAMIX

タニグチリウイチの出没!

自業自得のイベント疲れ

『ユンケル スーパー黄帝液』のさらなる連続投与と『アリナミンEX』のピッチをあげてのまるかじりが効いたのか、買い物かごに放り込まれた形でベッドの上に山と積まれた本を、普段座っている椅子の上へとズラして布団で眠ることすら億劫で、椅子の上に背中をあずけてベッドの上へと足をのばし、背骨の歪みから来る痛みに耐えながら眠る日々からもどうにか脱却。三日に二日は本の山をエイヤッと持ちあげ、ベッドの上に寝る場所を作るだけの気力が、涼しい秋風の訪れとともに戻って来た。

それでもやっぱり、未だに三日に一度の億劫さを覚える程度、イベント絡みの疲れが残っているのも事実。というより秋風が訪れようとも一向に衰えを見せず、むしろ連休の多さも手伝って、週末ごとに開催されるイベントの種類や数が増えている関係で、朝早く起きてはいそいそと現場へとかけつけ、1時間なり2時間といった行列に並んで過ごす機会もやっぱり増えていて、衰えかかった体力をさらに消耗しているからに他ならない。自業自得っていえばいえるけど。

正直にいえば、『幕張メッセ』とか『東京ビッグサイト』で開催される大規模イベントを見物するだけなら、開場時間中に行けばなにも行列までしなくても、中には入れて置いてあるものだって見物できる。欲しいなあ、と思っていたものが品切れになっている可能性は大きいけれど、そういったものは実際のところ、朝いちばんで並ぶか規則違反を承知で徹夜して並ぶかしないと、買えないことが多いから、1時間2時間の行列なんて時間のムダづかいでしかない。

行列、その役割と意義

あるいは「報道」という必殺技を繰り出して、行列を横目で見ながら受付へと歩み寄って名刺を差し出し、ササッと中に入ってしまう手もないわけじゃない。それで欲しいものを売ってる場所へとかけつけて、徹夜までして並んで入って来た人の列に紛れて買ったところで、気こそとがめるもののバレて袋だたきにあうものでもない。ないけれどもただ、行列に並んでこそ浮かんでくるものが幾つかある。対象になっているものの人気とか、どんな人たちがそれを好きなのか、といったニュアンスは、行列に並ばないより並んだほうが、より濃く感じられるものだろう。

行列
3時間まってなかに入ってまた行列を1時間、欲しい人は辛い!

例えば。この夏に『東京ビッグサイト』を会場にして開かれた4つの模型関連イベントのうち、3つに行列して感じたのは、イベントによってやっぱり格段に人気の差があるんだということだ。そんなことはいわれなくても自明の理と、事情に詳しい人とか長く模型関連イベントに参加している人なら思っているだろうし、使われている会場の広さとか、出ているブースの内容とかを見てもそれはうかがえる。ただ、開場する2時間前に現場へと到着して見る行列が、8月5日に開かれた『ワンダーフェスティバルリスタート2001』のように、逆台形をした建物をはるか遠くにのぞみつつ、『東京ファッションタウン』の横を抜け、横断歩道を幾つもわたって丘を越え橋を過ぎ、数百メートルにも及ぶ長さで続いていたりするにつけ、1回休みもなんのその、『ワンフェス』が未だに模型関連イベントで、厳然たるビッグイベントの地位を占めているんだな、ということを強く肌身に感じる。

何年か前の『ワンフェス』では、早朝から照りつける強い日差しに、はいていた短パンの裾を堺にくっきりと日焼けの後がついてしまい、それが半年経った冬の『ワンフェス』の頃も、腿にしっかり残っていたけど、幸いにしてこの夏は、どんよりとした曇り空で待っている間もそれほど暑さを感じることがなく、持っていた本を読みつつカタログの内容を確かめつつ、割と快適に開場までの2時間を過ごすことができた。見渡すと、並んでいる人たちの雰囲気にそれまでの『ワンフェス』との違いはない。去年の夏のイベントで出された、『ワンフェス』を1回休みにして、ヌルくなったガレージキットを作る人、愛でる人たちに"悔い改めよ"と訴えた、『ワンフェスリセット宣言』に腹を立てて「もう行かない」と見限った人は、ほとんどいなかったように見受けられた。 >>次頁

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