これこた
TINAMIX
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4.マンガ、アニメレビューの不足

編集部:いま砂さんが語られたことは、「エロ」という特殊な環境ではありますが、オタク出身のクリエイターが抱える葛藤にある程度重ねることが出来ると思います。東さんの側、砂さんの側、両者葛藤があって、このままでは世の中変らないという結び付けから、なぜTINAMIX創刊なのかというお話を伺いたいのですけれど。

砂:商業誌にデビューしてみていよいよ分かってきた困難な状況、それにとりまかれている作り手を励ますような言論活動の場を用意するという形での、自分なりの評論活動の再開という側面もあるんですけどね。

評論といっても、自分が読みたいし、また読ませたいのは、レビューなんですよね、クリティックではなく。とにかく今は適切なレビューが不足し続けているじゃないですか。マンガに限ってみても、マンガレビューとかはいろんな雑誌にぽつぽつとか、そもそもマンガ雑誌にレビュー欄がないとか、うまく定着していない。アニメやゲームも、批評誌とか上手く定着してないですよね。とにかく、慢性的に作り手はレスポンスに餓えていると思うんですよ。

そこでやはり、TINAMIXはまずジャンル別に適切なレビューを載せていきたいですね。面白いものを作っている人に、面白いからもっとやってくれと伝えたい。そういう、当たり前のレビューが不足してますよね。たとえばアニメとかだと、メディアを問わず、やたら作画の歴史実証主義に偏った評論とか、根拠の無いパラノイアックな深読みとか、誉められてるけど的外れで唸る感想とかに分裂している。真ん中というか、適切なところ、上手いレビューがない。これは鋭い批評とかに劣らず難しい仕事ですからね。旧TINAMIXで僕と東さんでやったアニメレビューも、とにかく適切に誉めたい、作り手を励ましたい、ということでやっていたわけですし。今回創刊になるTINAMIXは、その点、各ジャンルに精通した書き手に参加してもらえたし、また今後も募っていくつもりなんで、作り手の皆さん待っててね、という。正しく励ます。これはTINAMIXのモットーの一つですよね。


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