4.封神演義で同人誌開眼

――特技は絵を描くことだそうですけど、同人誌を描こうとは思わなかったんですか。

描いて出したんですよ、「封神演義」のパロディを。わたし、話がけっこう長くなっちゃうんで1冊全部自分で描いたんです。全然お金なくてコピーして自分で20冊ぐらい作りました。でも、友達に預けてわたしはイベント行ってないんですよ。昔はコスプレをしたり同人誌を買うために、毎週のようにシティやワールドなんかのイベントにも行ってたんですけど、同人誌を出した時にはイベントに行かずに友達に売るのを任せてました。

――シティーとかワールドに行きだしたのはいつ頃です？

去年高校に入学してからで、4月下旬とかにはもう行ってました。お金すごく使うようになったのはスパコミからで、その時は1万円ちょっとぐらい。買うのはジャンプ系が多いですね。今わたしは「封神演義」すごい好きなんですけど、その同人誌がいっぱい出てるから本格的に買い始めた感じですね。

――それ以前はあまり買わなかったんですか。

それ以前はあんまりお金を使わないようにちょっとずつ買ってたんですよ。わたしが一番最初に買ったのは「卒業M」ってジャンルなんですけど、杉崎ゆきるさんが「ASUKA」でマンガを描いてた頃は皆けっこう同人誌を出してたのに、わたしがはまった頃には杉崎ゆきるさんが全部描き終わってたんです。今は新しい人が描いてるんですけど同人誌はあんまり出てなくて、わたしは杉崎ゆきるさんの時の「卒業M」が好きだったんで、その同人誌を一生懸命「まんだらけ」とかで探したんですよ。

――「まんだらけ」とは本腰入れてますね。それはいつ頃？

中3です。で、そこで今まで自分が好きだった本が同人誌で出てるって知って、「あーこれも出てたんだ、じゃあちょっと買おう」と思って買い出しました。それで高校に入学したら友達が「ジャンプ楽しいよ〜」って言ってて、わたしもその頃コミケとかにはもう定番のように行ってたんで、「そういえば『封神演義』すっごくあるなー」と気になり始めたんです。（突然大声で）あー！

――どうしたの？

いえ、大丈夫です。…あー！

――だからどうしたの（笑）。

「ぱふ」はもうベスト10出てました？　もう出てます？　その頃、「ぱふ」っていう雑誌を買ったら「封神演義」が1位で、「そんなにすごいんだ」って買って読んで見事にはまって、同人誌いっぱい出てるからバーッと買って、あっという間に棚がドーッとなって。去年の夏がわたしの中ではかなりピークで、もうすごくいーっぱい買っちゃったんですよ。数えてないですけど、封神演義だけでも70冊はいってますよ。けっこう売り買いしてるから、読んだのは150冊とか。

――そんなに読んだために、恭子さん自身も描いてみようという気に？

描いてた友達に誘われて、「じゃあいいよ」って。去年の5月ぐらいから描き始めて、9月から10月ぐらいに初売りしました。売ったのはオンリーイベントとかシティーとか。

――けっこうアクティヴですよね。

やること早いっすよ。

封神演義
藤崎竜が「週刊少年ジャンプ」で96年から連載中のマンガ。[ →関連サイト ]

シティー
赤ブーブー通信社が全国各地で活発に開催している同人誌即売会「コミックシティ」。

ワールド
エスイー株式会社が全国各地で活発に開催している同人誌即売会「コミックワールド」。

スパコミ
「スーパーコミックシティー」。コミックシティの特別版として、毎年ゴールデンウィークに開催される大規模同人誌即売会。

卒業M
育成ゲーム「卒業」の男版。有栖川ケイ原作・杉崎ゆきる作画のマンガ版は角川書店の「ASUKA」に連載され、現在は西臣匡子の作画による「卒業M＋」が「DX別冊少女コミック」で連載されている。[ →関連サイト ]

オンリーイベント
特定の作品・ジャンルなどに絞って開催される同人誌即売会。

ぱふ
雑草社が発行するまんが・アニメ・同人誌情報雑誌。[ →関連サイト ]