TINAMIX
桜井恭子のコスプレ脱構築
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桜井恭子[さくらい・きょうこ]
1984年2月4日生まれ。千葉県出身。身長145センチ、B75・W55・H70。血液型=O型。98年1月11日に「OMP・LIVE・GIG」でデビュー。「OMP・LIVE・GIG」シリーズをはじめとする多くのアイドルライブに出演し、トークイベント・撮影会も開催。98年12月18日には「PANDA LOVEUNIT」のメンバーとしてCD「ゲッタ−ラブ」をリリース。アイドルであると同時にコスプレイヤーとしても知られ、99年9月25日には「コスプレ5変化ソロライブ」を行っている。有限会社OMP所属。

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テレビやラジオなどのメディアを通して活動する若いタレントが一般的に言う「アイドル」だとするならば、イベントなどを中心に活動していて、よりファンとの距離が近いアイドルが「プレアイドル」だ。アイドルとファンのその距離の近さゆえ、コアなファン層が形成され、独自の文化圏が生まれている。

99年の春に知った「桜井恭子」というプレアイドルが、その後インターネット上のいろいろな場所でコスプレ写真を見る「桜井恭子」と同一人物だと知った時には、不思議な気分にすらなった。コスプレとはコスチュームプレイ、つまりアニメ・マンガ・ゲームなどのキャラクター、その他有名人などの衣装を着る行為だ。たしかに顔を見れば同じ人物なのは疑いようもないのだけれど、アイドルが個人的な趣味でコスプレをしているというのは驚きと興味をもたらす話だった。

しかもその後の情報では、コミケでは軍服姿の男たちに囲まれていたとか、「未死奈」に改名をしたと思ったらコスプレをやめると宣言したとか、特異な動きばかりが伝わってきた。そして極めつけは、とんでもなくマニアックな選曲による「コスプレ5変化ライヴ」。プレアイドルとコスプレイヤーというそれぞれにコアな文化圏の境界線上にいる存在にして、しかも相当なオタクであるらしいのだ。伝聞でしか知りえないわずかな情報の向こうに、一筋縄ではいかないキャラクターがいる予感がずっとしていた。

プレアイドルにしてコスプレイヤーという二重性をなぜ抱えることになったのかを桜井恭子に聞いうことによって見えてきた、オタク文化も愛するごく普通の少女としての興味深いスタンスを、このインタビューではご紹介したい。

[取材/構成]宗像明将 [撮影]ハヤシイクマサ

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