■「快感・フレーズ」への誘い
♪濡れていこうぜ!!
えっ、「何、その歌?」って……。これ、リュシフェルの『永遠のサティスファクション』の最初のとこだよぉ。えぇ、リュシフェル知らないのぉ? 人気No.1ビジュアル系バンド、リュシフェルだよ。ほら、歌詞がすっごくHくさくってさぁ、CD出せば当然オリコン一位、この前多摩川の河川敷使って前人未到の30万人ライブやったじゃん。遂に前に一度ポシャッった海外進出も本格的にやるみたいだしさぁ。それに、ヴォーカルの咲也、すげーキテるし。やれ女優とできてるだの、女子高生囲ってるだの、引退宣言したりだの、交通事故で危篤だの、スキャンダル続出。ワイドショー&写真週刊誌の常連。でも、かっこいいから何やっても許されるみたいなところあるよね。「やっぱり、聴いたことない」って!? ちょっとぉ、ふざけないでよ、信じらんない。メル友してたときは、いい感じかなぁとも思ったりしたけど、何それ。あたし、帰るね。リュシフェル知らない引きこもり野郎に、あたしのキチョーな時間を割くなんて勿体ないもん。
いやぁ、女子高生口調ってむつかしいですねぇ。この程度だと、チャットしてりゃ五分でネカマってばれるよなぁ。
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「快感・フレーズ」15巻
(c)新條まゆ/小学館
小コミフラワーコミックス
本体価格 390円+税 (現時点の最新刊)
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って、それはさておき、「快感・フレーズ」。去年、『KAIKAN PHRASE』という名前でアニメ化されて、一年間放送されていたので、ご存知の方も多いだろう。また、このアニメを契機として、本当にΛucifer(リュシフェル)というヴィジュアル系バンドがデビューしてオリコンTOP10ランクインしたりしてるので、ああややこしい。ちなみにこの文章、リュシフェルのCD聴きながら書いてます。
もちろん、冒頭の記述は、少女漫画作品『快感・フレーズ』、現在も少女コミック誌にて大人気連載中、現在単行本も第15巻まで出てる、についてのものである。「あぁ、いかにも漫画っぽいデタラメぶりだなぁ…」と思った人、まだ早い。この漫画のデタラメ・パワーはこんなもんじゃすまされないんだよ。そこんとこ徹底解説するんで、よろしく。
ちなみに作者である新條まゆは、1994年にデビュー。90年代に生まれた新しい才能である。それ頭に入れて、以下読んでもらいたい。
■「快感・フレーズ」徹底解説 (ただし5巻まで)
主人公雪村愛音(ゆきむらあいね)は、平凡な女子高生、国語だけが取り柄の女の子。雑誌で見かけた、作詞オーディションに応募しようと、詞を書いてたりする女子高生。そんなある日、車に轢かれそうになる。車から降りてきたのは、瞳がブルーで黒髪のかっこいい男。降りていきなり「俺はまだ人殺しになりたかないぜ」と、失礼な一言。そして、痛いのはどこか?と愛音の足を触りまわし、「それとも…感じた?」。とことん失礼、でもとにかくかっこいい男。そして人気No.1バンド、ルシファーのライブのバックステージパスを渡して立ち去っていく。もらったもんだから、ルシファーのライブに行ってみる愛音。そこで、びっくり。
びっくりその1 ルシファーが自分の書いた詞を歌いだした!
びっくりその2 車の男が、ルシファーのヴォーカル、咲也(さくや)だった!!
びっくりその3 そいつが、いきなりステージを降りて自分のところに来た!!!
びっくりその4 そして、「会いたかった」と、のたまった!!!!
びっくりその5 そのまま、楽屋裏までお姫様だっこで連れていかれた!!!!!
びっくりその6 そこで「ルシファーの作詞家になってくれ」と言われた!!!!!
と、いうことで咲也に処女特有のHに対する想像力を買われた愛音は、「女の気持ちを掴める詞を書ける奴」としてルシファーの専属作詞家になったのである。
しかし、人目はばからず愛音に抱きつく咲也。おかげで、ルシファーのファンにいじめられるようになった愛音。そんな愛音を救うために、咲也はどうしたか? 愛音の高校に転校してくる。
ちなみにここまでで、最初からたった80p。以上が、この作品の初期設定部分である。この調子で最新刊である第15巻まで記述していくと読みづらくなってしまうので、以下おもろいところつまみ食いです、ポリポリ。
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「快感・フレーズ」1〜5巻
(c)新條まゆ/小学館
小コミフラワーコミックス
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□愛音ピンチ(その1)
愛音を許せないルシファーのファン。男を使って愛音をレイプしようとする。でもブラジャーはずされたところで咲也が助けにきた。よかったね。 (第一巻)
□世界のメディア王の御曹司登場
世界のメディア王の御曹司、ラルフ・グレイザーが来日。実は、咲也は世界のメディア王の私生児だった。咲也に敵意を剥き出しにするラルフは、愛音を奪おうとする。世界のメディア王の御曹司が、日本の女子高生ふぜいを奪わんでもいいのに。(第二巻)
□初体験
ラルフの魔の手を逃れた二人。そこへいきなり咲也が、
「今夜は…帰るな…」。
そしてついに
「俺…お前を壊しちまうかもしんねェ…」
「咲也さんになら壊されてもいいっ」
「ならメチャクチャになるくらい愛してやる」
と結ばれる二人。なおこれで、処女特有のHに対する想像力がいい詞を書くという初期設定は早くも崩壊した。(第二巻)
□愛音ピンチ(その2)
怒ったラルフは、咲也を捕まえてシャブ漬けにしてしまう。咲也を助けるためにラルフのいいなりになる愛音。しかし、咲也を忘れられない愛音に対して、「ほかの男を想っている女を抱いてもおもしろくないからだ」つーて、一線は超えないラルフ。結構、紳士的な奴。(第三巻)
□色気の誘惑
咲也にドラマ出演依頼。相手役は、咲也の過去を知る女優、佐倉綾子。綾子は、大人の女っぽいフェロモン+大人の女っぽくない謀略で咲也を誘惑する。しかし、超一流女優が芸能人とはいえ高校生男子を誘惑してるってのは、あまりかっこよくないかも。(第四巻)
□美形シスコン
愛音の高校に転入してきた人気バンド「ジーザス」のヴォーカル智之。死んだ妹そっくりの愛音と仲良くなる。しかし、こいつ実はシスコン。でもって、妹とやれなかったもんだから、愛音をその身代わりにしようとする。顔は美形なのにねぇ。(第四巻)
□愛音ピンチ(その3)
愛音に執着する智之。ある日TV収録してると、たまたま隣のスタジオでは催眠術師が出演中。催眠術を教えてもらった智之は、愛音にかけて妹と信じこませようとする。その程度のインスタント催眠術に簡単にひっかかる愛音…(第五巻)
えーと、このくらいで止めておきますか。もちろん、全15巻なんで、この後も盛りだくさん。まだまだ続きますよ、愛音ピンチ! まぁこのあたりで止めとかないと、ただストーリーを垂れ流し書きしてるって思われそうだから。もちろん垂れ流してるんだけどね。
補足しておきますが、各エピソードをつなぐのは、愛音と咲也のベッドシーンです。何かといえば、すぐセックスしてるこの二人。>>次頁
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