アークとフラウは高級レストランの別室に移動しました。宿屋のようになっていて、フカフカのベッドが置いてあります。
「ここなら誰も聞いてない。壁も防音になっているから安心して良いよ?」
「そう?それじゃ心置きなく…」
フラウはアークをベッドに押し倒しました。アークは無表情のままで慌てる素振りも見せません。
「すごい腕力だな。本気でもがいても抜けられそうにない」
「あなた無防備すぎるわ?私が女だからって油断してたでしょ」
「困ったな…。ナタに浮気がバレると離婚問題になり兼ねない」
「言わなきゃバレないでしょ?」
「それがナタは我々使い魔に感覚共有の呪いをかけているから、浮気したら即行でバレる…」
「何?その感覚共有の呪いって…!」
「君が僕にキスしたらナタにすぐバレるって事だよ?」
「えっ…それじゃ…今まで私たちがしてた事も…全部、ナターシャちゃんにバレてたの?」
「そういう事になるな。僕も最近までその事は知らなかったんだが…」
「は、恥ずかしい…!」
フラウはアークから離れました。
「もう浮気はしないと決めたんだ。すまない」
「もしかしてゲイザー様と…私がしてた事も…全部、ナターシャちゃんは知ってたの?」
「この呪いの本来の用途は、使い魔の危機を察知する為だ。我々が傷を負えば、その痛みも共有される。ゲイザーの死に際の苦しみも共有していたそうだよ」
「ううっ…私が悪い女だとナターシャちゃんに知られていただなんて」
「ナタは僕たちが思っている以上に何でも知っているよ?その上で使い魔を大事にしてくれていたんだ。ゲイザーの悪いところも全部好きだと言っていたよ」
「私は…ゲイザー様の事も…こうやって襲ったの。ゲイザー様は何も悪くなかった…。悪いのは全部、私よ…」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第112話。