夜景の綺麗な窓辺の席で、高級なワインを飲みながら二人は話しています。
「私、ゲイザー様ともあまりデートした事がないの。お付き合いもせずにいきなり結婚してしまったから」
「そうなのか?僕は結婚してからもデートはしているけどね。結婚する前の方がデート出来なかった」
「本当はもっとちゃんとお付き合いしてから結婚したかったのだけど」
「実は今日呼び出した理由は、その件についてなんだ。ゲイザーはどうやって君を落としたのか知りたい」
「私は初めて会った時にゲイザー様に一目惚れしてしまってたから、その時に恋に堕ちていたの」
「そんな話では何の参考にもならない…。一目惚れした理由は?詳しく教えてもらえないか」
「何の利益にもならないのに、私を救う為に戦ってくれたの…」
「利益ならあるだろう?あなたの心を射止める為ならば…」
「そんな打算的な考えで私を助けたわけじゃないわ。だってあの時、私は真っ白な獣の姿をしていたのだから」
「うーむ、ますますわからない…。ゲイザーの元恋人からも話を聞いたが、なぜ堕ちたのかサッパリわからなかった」
「ふふ、ゲイザー様の魅力はわかる人にしかわからないの」
「一つ気になってた事がある。ゲイザーは元恋人に抱いて欲しいと頼まれても断ったのに、なぜあなたとは…失礼だが、ゲイザーは自分からあなたを…襲ったのだろうか?」
「それは…ゲイザー様からは何も…襲われた事などありません」
「色々と話を聞いてわかった事だが、ゲイザーは自分から女に手を出す事が出来ない性格だと思える」
「はい…。初めて結ばれたあの日も…ゲイザー様は何もしようとしなかったのです」
「ではどうやって、結ばれたんだ?」
「そ、そんな事…。は、恥ずかしくてこんなところでは言えません!」
「それなら場所を移そう…。二人っきりで話せる場所に…」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第111話。