その頃、ゲイザー邸に預けられているサルバドールはと言うと、フラウにすっかり懐いてしまっていました。元々、年上の女性が好みのタイプだったようです。リズやナタよりも大きな、その胸に顔を埋めています。
「ママやあのお姉さんよりフカフカだー」
「ふふ、可愛い子ね。私、もし子供が生まれたら男の子が欲しかったの。ゲイザー様によく似た男の子が良かった…」
サルバドールが普通の九歳児より小柄なので、まさかそんな大人の男の思考をしているとは、フラウは夢にも思いません。
「お姉さん、未亡人なんだよね?僕が大人になったら結婚してあげるよ!」
「えっ!本当に?でもサルバドールが大人になる頃、私はアラフォーのおばさんよ」
「平気、平気!お姉さん、僕のママより若く見えるし」
「リズさんは確か二十八だったかしら?」
「ううん、ママはまだ二十七だよー。お姉さんはいくつなの?」
「私は今年で三十よ?」
「えっ…、ナタお姉さんと歳、あんまり変わらなく見えるよ?」
「アークもそう言ってくれてたけど、歳を取ったら体の線が崩れて来てるわ…」
フラウが風呂に入ると言うのでサルバドールも一緒に入ろうとします。
「ナタお姉さんとはいつも一緒に入ってたよ」
「そうなの?子育ての経験がないからわからないわ…」
「僕、手が短くて背中に手が届かないからママにも洗ってもらってた」
サルバドールはフラウの裸をじっくり眺めて堪能していました。
「そんなに見つめられると恥ずかしいわ」
「お姉さんの体どこが崩れてるの?ママより綺麗だと思うけど」
「ありがとう、お世辞でも嬉しいわ」
「ママやナタお姉さんちょっとお腹ポコッとしてるし、お姉さんのお腹すごい凹んでる」
「私はまだ子供を産んでないから、子供ができるとポコッとしちゃうみたいね」
「ナタお姉さんはなんでポコッとしてるの?」
「それはちょっと食べ過ぎなのかもしれないわね」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第88話。