テスト期間が始まり、ナタが学校に行くとヒソヒソ話をしている生徒がいました。処罰を受けていた生徒は釈放されたようでしたが、ナタを恐れて誰も声をかけてきません。
「ナターシャ、一緒にお昼食べる?」
「何、ナターシャに話しかけてるの?やめといた方が良いよ…」
「えっ…!どうして?」
「アラヴェスタ・タイムス、読んでないの?」
「一応、読んでるけど」
「だから、やめときなって!あの子に関わるとロクな事ないんだから」
「悪いけど、一人で食べたいから…」
ナタは学食で買った焼きたてパンをもぐもぐしていました。
「ああこのパン、マジウマ!これだけが楽しみで学校に来てるのよね」
誰も待っていない家に帰ります。アークが帰ってくるとナタを抱き締めました。
「サルバドールがいないと寂しい…」
「僕はあの子供がいると邪魔だった」
「わかってたよ?だからフラウおばさまに預けて来たの…」
「テスト期間中だから預けたんじゃなかったのかい?」
「アークのストレスを減らしたくて…。私も悩んでるのよ」
「僕はナタを喜ばせたくて、頑張ってるんだけど、空回りばかりしてる…」
「それもわかってる…。アークに悪気がないって事はね?」
「どうしたらナタを傷つけないで済むのか、ナタから愛されるようになるのか、いくら考えても答えが出ない」
「私もアークの事、好きになってあげたいの。だけど自分の心なのに自分でコントロールできない…」
「ナタは僕の事が怖いんだね?僕は絶対に君を傷つけたりしないと誓うよ」
「アークは一緒にいると、すごく気を使うの。おじさんと一緒にいる時はリラックス出来てたのに…」
「僕の何が足りないと言うんだろう?ゲイザーにあって、僕にないものはなんだ…」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第87話。