アークはまた懇願するように言いました。
「ナターシャ様、どうか命令をお願いします」
「命令なんかしたくないよ?アークの好きなようにして!」
「それが命令ですか?かしこまりました」
アークはオズワルドの方へ向かって飛びます。
「おお、戻って来たか?よしよし!」
オズワルドの首根っこを掴むと天高く放り投げました。オズワルドは真っ逆さまに落っこちて行きます。アークは急降下すると槍を天に構えて、オズワルドを串刺しにしました。
「急所は外してあります。ジワジワと苦しみながら死になさい」
「グフッ!なぜ…裏切った…アーク」
「なぜだかわからないのですか?本当に愚かな人ですね。私は最初からあなたには忠誠など誓っていなかった」
「わしの呪いは…完璧だった…はずなのに…」
ナタとユリアーノとアークはマルヴェールのゲイザー邸に戻りました。ナタが合鍵をアークに手渡します。
「これはアークが持ってて良いよ?」
「わかりました。家事全般なんでも出来ますので、何かご用があれば、お申し付けください」
アークはキッチンに行くと冷蔵庫を開けて食材を取り出し、手早く調理して高級料理のテリーヌを作りました。
「オーブンで焼けたら冷蔵庫で冷まします。保存が効くので好きな時に食べたい分だけ切って食べてください」
「今まで見た事ない料理だよー。でも美味しそう」
ナタが部屋で勉強を終わらせてキッチンに戻ると、ワクワクしながらテリーヌを切り分けてもらいます。目をキラキラと輝かせながら口に入れます。
「美味しー!こんなの初めて食べたよー」
「ナターシャ様のお口に合って良かったです」
「うん、おばさまも料理は上手なんだけど、アークはもっと上手だね」
「お褒めに預かり光栄です」
「こんな使い魔がナタずっと欲しかったのー」
「うーむ、わしもこんな使い魔が欲しいのぉ」
ユリアーノも絶品のテリーヌに舌鼓を打っていました。
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第24話。