No.977036

新ビーストテイマー・ナタ137

リュートさん

書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第137話です。

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2018-12-17 19:48:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:90   閲覧ユーザー数:90

翌日、開票結果がアラヴェスタ城の前に張り出されました。アラヴェスタ・タイムスの臨時版が刷られて路上販売しています。

 

「号外、号外ーーー!!メサイアのアークが初出馬にして他の立候補者と大差を付けて当選!さあ、買った買ったー」

 

「アーク様の挿絵付きだわ!買いまーす」

 

大量に刷られた臨時版は飛ぶように売れています。アークはゲイザー邸で荷造りをしていました。

 

「ナタも荷物をまとめてくれ。今日中に引っ越すから」

 

「えっ、私も引っ越すの?そんな話、聞いてないよ…」

 

「君と僕は婚約してる。恋人が婚約者と一緒に住むのは当然の話だろう?」

 

「うーん、まだ結婚式は挙げてないから、アカデミーを卒業するまではここにいるよ?」

 

「それは僕が困る…。ゲイザーとは別の派閥に属してしまったから、もう僕はここには住めないんだ」

 

「そんなのアークが勝手に決めた事じゃない?私はまだおじさんから離れたくないし…」

 

「君は恋人の僕よりゲイザーを選ぶと言うのかい?そんなのおかしいだろう?」

 

「私、まだ奥さんになれる自信ないし、おじさんと会えなくなるのは嫌だよ…」

 

「くっ…!ゲイザーの奴、これも計算していたのか?それであの余裕だったのか…。相変わらず食えない男だ」

 

アークはマルヴェールのゲイザーの執務室に向かいました。

 

「アラヴェスタの議員当選おめでとう、アーク殿」

 

「あなたにお願いがあって参りました…」

 

「ん?何のお願いかな」

 

「僕を後二年間、家に置いて欲しいのです。家賃は払います。物置でも何でも良いので部屋を貸してください」

 

「それは無理な相談だな。私も敵に手の内を晒すほど愚かではないのでね。反対派の者を家に置くわけにはいかない」

 

「こうなる事は全て計算づくだったと言うわけか?ゲイザー!」

 

「私は計算などしていませんよ?あなたのような優秀な部下を失って、頭を痛めているところです。他の部下にあなたの代わりは務まらないのでね」

 

「テオドールとはもう契約を結んでしまったから、今更反対派から離脱する事は出来ない…」

 

「しかしテオドールが反対派の推薦をしていたとは…」

 

「あなたが親友だと思っているだけで、テオドールはあなたを親友だなんて思っていません。ミカエルと同じくらい腹黒い男だと思います」

 

「なるほどな…。これからあなたと私は敵同士です。次の議会のディベートで会いましょう」

 

…つづく


 
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