ゲイザーがアークを背負って帰宅すると、ナタが玄関で二人を迎え入れました。
「もう!おじさん、またお酒飲んで来たの?おばさまが怒ってたよ?」
「アーク殿の介抱をお願いしても良いかな?フラウのご機嫌を取りに行かないと…」
「なんで喧嘩の途中で酒場に行ったりするの?さっきまでフラウおばさま、カンカンだったんだからね!」
「少し頭を冷やして来たんだよ?そうしないとフラウとの言い争いは堂々巡りになる…」
ゲイザーが二階に消えたので、ナタは一階のキッチンで水を汲むとリビングのソファーで寝転がっているアークに、水の入ったグラスを渡しました。
「これ飲んで、アーク」
突然、ナタは腕を掴まれて抱き寄せられて濃厚な口づけをされました。
「アーク…お酒くちゃいよ」
「もう我慢出来ない…」
「こんなところでダメだよ?おじさんが降りて来るかもしれないのに」
「愛してる…、ナタ…」
「あっ…、初めてナタって呼んでくれたね…」
「誰にも渡さない…。君は僕のものだ…」
「どうしたの…?今日のアーク…、いつものアークじゃないみたい…」
「これが本当の僕だよ?君も本当の僕を知ったら逃げて行くのかい?」
「酔っ払ってるだけじゃない?」
「本当はゲイザーなんて大嫌いなんだよ?僕がゲイザーのそばにいたのは、ゲイザーの事を研究して、ナタに愛される為だった…」
「そうなんだ…。アークがおじさんに似てると思ってたのは、わざとおじさんに似せる演技してたのね?」
「そうさ?なのに…ゲイザーは…僕を信頼して…笑っちまうよな」
「おじさんはそういう人なんだよ」
「ゲイザーは僕の事を親友だと言っていた。僕はそれを聞いて…なぜか嬉しかった。嫌いなはずなのに…」
「初めてアークの本音聞けた気がする…。もうおじさんの真似なんかしなくて良いよ?アークはアークらしくしてて」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第127話です。