リンクとカービィと別れたマリオとピカチュウは、残り一人の仲間を探していた。
「残りは一体誰だろうな」
「そりゃ、見つけてみなけりゃ分からないだろ」
「それもそうだな……おっと!」
襲ってきたゾンビをマリオはファイアボールで焼き払う。
「あーったく、邪魔するなっつーの!」
「よこせぇぇぇぇぇぇ!」
「しかも、食糧を狙ってくる奴もいるぜ……」
マリオとピカチュウを襲ったのは、魔物だけではなかった。
水や食糧を奪おうとする人間も、彼らに牙を剥く。
「可哀想だが、これも俺達が生き残るためだ」
「すまない……眠っていてくれ……!」
マリオとピカチュウは、申し訳ないと思いながらも彼らを倒しながら仲間を探した。
その頃……。
「敵が多いな……」
宇宙服を着た男性が、小さな生き物をゾンビにぶつけて戦わせていた。
彼の名はオリマー、ホコタテ運送の社員である。
そして彼が連れている小さな生き物はピクミンといい、か弱いがオリマーにとっては重要な存在なのだ。
ピクミンが組み付いてゾンビを攻撃した後、
ゾンビの攻撃を受けて瀕死の状態になった後に笛で回復させ……を繰り返す。
「行け!」
オリマーが近くにいるゾンビに紫ピクミンをけしかける。
紫ピクミンは足が遅いが力が強く、近距離の敵を攻撃するのに最適だ。
結果、紫ピクミン三体でゾンビを一撃で倒せた。
周囲にゾンビがいなくなったのを確認したオリマーは、先に進んでいった。
他に何かあるかもう一度確認してみたが、何も見つからなかったようだ。
「目印がないから道を探すのが難しいな。せめて、何らかの痕跡があればいいのだが……」
だが、オリマーとピクミンがいくら歩き回っても痕跡が見つかる事はなかった。
オリマーは仕方なく、前へ進んでいくのだった。
マリオとピカチュウは辺りを見渡しながら歩いていた。
「一体どこに仲間がいるんだよ」
「かなり遠い場所にいるってアスティマが言ってたぜ?」
「でもよ、漠然とし過ぎて全然分かんないぜ。かれこれ10分も歩いてるのに、見つからないなんて……」
マリオとピカチュウは根気よく歩き続けたが、やはり仲間の気配は見つからなかった。
本当に仲間は見つからないのか、それとも、すれ違った可能性があるのか……。
マリオ達は後者を信じたかった。
「なあ、気付いてくれよ……俺達は必死なんだぜ……?」
「死にたくないなら、早くこっちに来いよ……!」
「「おーーーーーーーーーーーーーーい!!」」
耐えられなくなったマリオとピカチュウは、力いっぱい叫んで自分達の位置を知らせた。
「!」
「!」
「!」
「どうした、何かあったのか?」
急にピクミン達が騒ぎ出したため、オリマーは何があったのか彼らに聞いてみた。
すると、向こうで誰かが叫んでいる、といった様子である事が分かった。
「声はどっちから聞こえてきたんだ?」
オリマーがそう質問をしてみると、ピクミン達は声が聞こえてきた方を向いた。
「あっちに行けばいいんだな」
ピクミンが頷くと、オリマーは先ほどピクミンが向いた方向に歩いていった。
「誰だ、さっき大声を出したのは!」
オリマーが歩きながら声を出した方に怒鳴ると、マリオとピカチュウと出会った。
「って、あなた達は……」
「やっと見つけたぞ! 残り一人は、お前だったのか!」
「な、なんだ? 何を騒いでいる?」
何故マリオが喜んでいるのか訳が分からず、オリマーは頭に?マークを浮かべていた。
そんな彼にピカチュウは事情を話した。
「なるほど。あなた達はこの世界に散らばった仲間を探していたのか」
「ああ……」
「ん? そういえば、あなた達は今日は二人だけなのか?」
ふと、オリマーはいつも一緒にいるリンクやカービィの事が気になったため、
マリオにそれを聞いてみた。
「リンクとカービィは、こどもリンクとトゥーンリンクを治療しにラストホープに戻ったぜ」
「そうか、分かった」
あっさりと返事をするオリマー。
「なんでそんな返事なんだよ」
「仕方ないだろう、作者がキャラ掴みにくいから」
「メタ発言乙」
「それで、あなた達はこれからどうするのだ?」
「もう仲間は見つからなさそうだから、リンクとカービィと合流する意味でラストホープに帰るぞ」
「こんなところにいては危険だからな。いいな?」
オリマーは頷き、マリオとピカチュウについていった。
その後ろを、ピクミンはぴょこぴょことついていった。
「……はぁ、ここは地獄だな」
オリマーが初めて不時着したピクミンの星は、
猛毒の酸素に危険な原生生物と、まるで地獄のような惑星だった。
その時はピクミンに助けられて何とかパーツを全て回収し、脱出する事に成功したが、
この世界は未だに脱出手段が見つかっておらず、
しかも原生生物以上に危険な魔物もいるため、それ以上の地獄だとオリマーは言った。
「うおっ、今度はゾンビ犬と狂った鴉か!」
ゾンビ犬と狂った鴉がマリオ達を襲ったが、ファイアボールや電撃、ピクミン攻撃で撃退する。
オリマーはピクミンが瀕死の状態だったので、笛を吹いて回復させた。
「やるな、オリマー」
「伊達にピクミンと何度も惑星を探索していないからな」
「この調子でラストホープに戻ろうぜ!」
マリオが腕を上げたその時、突然辺りが暗くなり、マリオ達の目の前に黒い鎧を着た男が現れた。
「ガノンドロフ……!」
「ここから先は、通すわけにはいかん」
「何故通さない、答えろ!」
「ハオス様に命じられたからだ、この世界を滅ぼせとな」
「何っ!?」
ハオスという名前を聞いたマリオが目を丸くする。
まさか、ハオスに操られているのか、とマリオが思っていると、
ガノンドロフは闇のオーラを全身に纏った。
「ハオス様に逆らう者は、全て消し去ってくれる!」
「今はリンクがいないが……」
「戦うしかないみてぇだな!」
「皆、行くぞ!」
そう言って、マリオ、ピカチュウ、オリマーは戦闘態勢を取った。
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ピクミン&オリマー登場。そして魔王も登場。