袁術の所から自城へ戻ってきた雪蓮と一刀。
雪蓮はすぐさま呉の将たちを集め、袁術の所であった事を話した。
「って訳なのよ。どう思う?」
雪蓮の質問に最初に答えたのは冥琳だった。
「なるほど。悪くはないな」
「何で?」
「おそらく袁術に大きな手柄をたてさせ、その勢力を出来るだけ広げておいて、後でそれをそっくり頂こうという魂胆ではないか?」
「ご明察。長い間領地を貸してたんだろ?それ相応の利息を付けて返してもらったほうがいいんじゃないか?」
「さんせ~~い」
「そうね。今まで苦労した分、上乗せして返してもらいたいわね」
一刀に同意する孫家三姉妹の長女と三女。
一方で、次女は難しい顔をしていた。
「そんなに上手くいくとは思えないけど。袁術を強くして、下手をすれば自分達の首を絞めるだけという事も・・・・・・」
「確かに」
「蓮華様の心配ももっともですねえ」
蓮華の意見に同意する思春と穏。
「いっその事、これを期に袁術から離反しては?」
「却下」
蓮華の意見を一蹴する雪蓮。
「蓮華。今回の争いを利用して袁術を討ったとして、私達はどれほどのものを得られるの?」
「それは・・・・・・」
「恨みを晴らせばいいってものじゃないの。色々と奪わなきゃいけないものがあるんだから」
「・・・・・・」
黙り込む蓮華。
「とにかく、今回は一刀の方針通りでいきましょう。詳細はこれから詰めていくって事で」
雪蓮の言葉に頷く一同。
こうして、大望成就を目指し孫呉の者たちは動き始めたのであった・・・・・・
いつでも軍を動かせるよう準備をしていた孫呉一行。
その最中、またもや袁術から呼び出しを受け、雪蓮、一刀は袁術の居城へと足を運んでいた。
「おお、来たか」
「来たわよ。それで、今日は何?軍の準備で忙しいんだから、手短にお願い」
「七乃」
「は~い。実は、袁紹様の連合に参加していた人達を調べたんですが、これだけの人達が参加してまして」
張勲がそう言うと、文官が雪蓮の所へ参加者の目録を持ってきた。
一刀も雪蓮の横から覗き込むように目録を見る。
「曹操、馬騰、公孫瓚、劉備・・・・・・そうそうたる顔ぶれね」
「はっきり言って兵数も将の数もあっちの方が上じゃないですか。いくら賭けと言っても、勝算が無いと・・・・・・」
「そういう訳じゃ。孫策よ。勝ち目があるなら申してみよ。もしも無いというなら、癪じゃが麗羽に与する他無いからのう」
「そうね・・・・・・」
「ちょっといいかな」
そこに再び口を挟む一刀。
「よいぞ」
「また何かいい考えがあるんですか?」
「一つある」
「ほほう。申してみよ」
「袁紹率いる連合に参加する」
椅子からずり落ちる袁術。
「何じゃ。いい考えでも何でもないではないか」
「いや、その上で機を待ち、時が来たら袁紹たちを裏切る」
「む」
「上手く立ち回れば相当有利に事が運べると思うが」
「確かに。連合内部の詳細な情報も手に入りますし、一考の価値ありですね」
「一刀。主は本当に良く頭が回るのう」
「ありがたき幸せ」
「では七乃」
「は~い。袁紹様に連合参加の通達送っておきま~す」
「うむ」
「それじゃ、私達は帰るわよ。まだ出撃準備の最中なんだから」
「うむ。ご苦労じゃったの」
早々に引き上げる雪蓮たち。
戦いの時は刻一刻と近づいていた・・・・・・
どうも、アキナスです。
次回、反董卓連合全員集合の予定です。
果たして、一刀たちの目論見は当たるのでしょうか?
ではまた次回・・・・・・
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