”文章力の成長速度は、一年書けばなんとなく、分かって来る。”
電車内で、文章を打ちながら探偵こんとんは座席で
隣には情報屋のクリス、助手をしてくれるそうで、彼女のゆえに今ある所に向かっているところだ。
揺れる電車の中でクリスがこんとんに耳打ちする。
クリスティーン「次ですよ」
と。
次の駅で、停止させたスマートフォンを片手に降りるこんとん。それに続くクリス。
こんとん「同じ情報屋ですか?」
とクリスに問うと、
ク「違いますよ。専門家です。」
とこんとんに返事が飛ぶ。
スマートフォンをしまいながらの出来事だが、その数分後。
高層ビルの目の前にこんとんはいた。
こ「このビルで本当にいいんですか?」
とこんとんは戸惑いながら問うが、
ク「大丈夫ですよ。」
とクリスは答える。
透明な自動ドアからエレベーターへ。
目的地は43階だが、情報屋はその情報を直前まで明かそうとしない。
エレベーターガールのいるエレベーターに若干揺られて数十秒。到着を知らせる音が鳴る。
ク「彼女の名前はガブリエラ。遠慮なさらずギャビーと呼んでください。」
と、クリスは目的地にいる人物の名前を明かす。
こ「は、はい。」
と若干、緊張した面持ちでこんとんは答える。
クリスは、軽くそのドアにノックをする。
どうやら、その部屋の主が目的の人物のようだ。
ガブリエラ「どうぞ。」
と、やや低い女性の声がする。
ク「失礼します。ギャビー。」
と情報屋クリスがドアを開く。
こ「・・失礼します。」
と探偵こんとんも後に続いて部屋へと入る。
ギャビーと呼ばれた女性は部屋の中央にいた。部屋は七畳程度であった。
こ「こんにちは、ギャビー。」
とこんとんは軽いお辞儀をして、あいさつをする。
こんとんは昔から他人とのしゃべりは上手い方だ。
ガ「こんにちわ、こんとん。話は聞いているわ。」
とギャビーは同じような調子で、あいさつを返す。
ガ「カーチス夫婦の
とギャビーは続けてキーワードを出す。
カーチス夫婦は依頼人コンスタンスを含む夫婦の事だ。
ガ「来てもらって悪いけど、この書類を渡すだけなの。」
ギャビーは書類をさも名残惜しそうに、こんとんに手渡す。
こ「それでも、今日はありがとうございます。お金は必要ですか?」
とこんとんは礼を述べる。
ガ「お金は必要ないわ。さ、早く。」
一瞬の出来事に思えたその受け渡しは、ビルを出てから頭の中で繰り返し繰り返し、再生された。
ク「この書類は警察との情報共有を行うためのものですよ?」
とぼーっとしているこんとんを見て、クリスは説明する。
こ「あの方はどういう方なのですか?」
とのこんとんの問いに、
ク「私の上司にあたります。」
とクリスが返す。
こ「え?」
とこんとんが呆けるところを腕を引っ張って、
ク「さ、次の目的地に行きましょう。」
ということで、電車に乗り込む二人だった。
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