怪事件の調査を引き受けるこんとんが考えた事は、つまらない依頼からの脱出だけだった。
適度に短い黒髪を整えると、探偵事務所を出てこんとんが向かう先は情報屋だった。
事務所から出て40分ほど電車を介し、目的の情報屋にたどり着いた。
情報屋の名前は”アニス”。つての一つとして紹介されたのが、この情報屋だった。
?「いらっしゃい。」
陽気な声が鳴り響くような響きをかもす。
店内の、その情報屋の名前はクリスティーン(以下クリス)。外国人だが、日本生まれである。そのため、日本語は
クリスティーン「はじめての方ですか。本日はどのようにご所望でしょうか。」
こんとん「・・・では、シリルという男性について、こういう条件でお願いします。」
さっそくこんとんは戸籍の情報を求めた。
クリスはパソコンを
ク「戸籍は実在します。既婚でして、妻はコンスタンスという名前です。コンでよろしいですね。子が一人、名前がカミラ。・・・それとお名前を聞かせていただければと。」
こ「こんとんです。」
と”探偵 分百こんとん”と銘打った名刺を差し出す。
ここまでは前座だ。
ク「それで、どのような情報をお望みでしょうか。」
こ「一点だけ、夫婦の履歴を調査していただけると助かります。」
どうもこういう”情報屋”は慣れない。そのため、語尾がアイマイになってしょうがない。
ク「半月ほどいただきます。」
こ「まあ、いいです。」
情報屋アニスを出たこんとんが次に向かう先は、依頼人コンの一人娘、カミラの一人暮らしだった。
その住所まではおおよそ20分。カミラの一軒家に着くと、呼び鈴を鳴らす。
カミラ「はい。・・・どなたでしょう?」
流暢な日本語にやや高すぎる声が外部受付機から響く。
こ「探偵です。こんとんと言います。お母様のコンから・・・コンスタンスからご依頼をいただきました。」
・・・家に入れてもらったが、こんとんは大した話を出来なかった。依頼人の娘カミラがあまり焦燥し過ぎていたからだ。
調査にも不慣れで、結局、半月待つ事になった。他に出来る事も手がかりもなかったから。
情報屋にて。
ク「コンは家には不在。夫シリルもまた同様に、シリルの失踪届けがコンから出されており、その時期が1年前です。」
’コンの失踪届けも出されておりました。’とクリス自身が付け足す。
ク「どうでしょうか?前金無しという事で、責任問題もありませんし、私も調査に協力しましょうか。」
屈託の無い表情でクリスは協力の姿勢を見せる。
こ「んー、ではお願いしましょう。」
とその言葉に、こんとんは知的な言葉遣いで承諾した。
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