No.933054 SAO~黒を冠する戦士たち~ 英雄外伝 第20話 レンファの小さな嫉妬グルメ96さん 2017-12-12 11:37:53 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:771 閲覧ユーザー数:766 |
第20話 レンファの小さな嫉妬
「それにしても、血盟騎士団って…全体的にもっと堅いイメージを持っていたけど、さっきの人を見ていると…そうでもないように思えてきたわ。」
観客席に向かいながら廊下を歩くゼウス一行、レンファは歩きながらコウに話しかけた。
「いや、レンファのイメージは合っていると思うぞ、規律も結構厳しいし…アスベルと団長は…まぁ、例外だと思うけど。」
「そうよね、血盟騎士団の団長は「仕事もせずに放浪する」って噂で聞いたことはあるわ……そういえば、さっきの様子からにしてコウはアスベルとヒューバートと知り合いなのかしら?」
レンファがコウに尋ねた。
「ああ、アスベルもヒューバートも知り合いだな。というよりも家の如水亭(旅館)の常連客だ。ああ見えて結構二人で来ることが多いぞ。」
「えっ、そうなの?とても二人で行くとは思えないけど。」
少し驚くレンファ、先ほどのアスベルとヒューバートのやり取りを見ていたので、とても二人で旅館に来るとは思わなかったのだった。
「まぁ確かに、さっきの様子を見て、一緒に旅館に来ていると聞いたら、そう思うのも無理はないよな…ヒューバートはアスベルに対してどこか冷たくあしらっているけど、なんだかんだ言ってアスベルのことは嫌いじゃあないと思うぜ。多分、素直になれないだけだと思う。」
「その証拠に…」と前置きコウは話し続ける。
「この前、ヒューバートに聞いてみたのだ。『二人でよく来てるよな?』って、そしたらヒューバートが『好きで来ているのはありません。兄さんが旅館と旅館のお客様に迷惑をかけてないか見守るためです』って言ってたんだよ。心の底から素直じゃあないなと思ったぜ。」
「本当素直じゃあないわね。」
ヒューバートが言っていた言葉にクスと笑うレンファ。
「まぁ、そんな訳で二人はよく来るわけだし、自然に顔を合わせる機会も多いからアスベルの方から声をかけてきてさ。歳も近いから話しもよく合って、二人が来た時は俺ら五人で風呂入ったり、飯食ったりして過ごしたかな。」
そう話しながら旅館の大浴場で一緒にお風呂に入ったりご飯のを食べたことを思い出すのだった。
「へぇ、そうだったのね…。」
コウの話しを聞いて納得をするレンファ、それと同時にレンファの心の奥からあるものがこみ上げてきた。
「……ちょっと妬いちゃうかな。」
「え?」
レンファのつぶやいた言葉に驚くコウ、レンファは続けて言葉を紡ぐのだった。
「あの二人、アスベルとヒューバートをみているとね、昔を思い出したのよ。‘私’と‘姉さん’のやり取りを……すごくそっくりだもの。叶うならもう一度姉さんがいた頃に戻りたいとも思ったわ…」
でも、と前置き。
「それは叶わない夢…‘たった一人の家族’だった姉さんは、あの日私をおいて消えちゃった…今でももっといろんなことを話しておけばよかったと思う時があるわ。だからなのかな……それが今でもできるプレイヤーを見ていると妬いちゃうのよ…。」
「レンファ…。」
儚く笑うレンファに困惑するコウ、ここぞという時に何か一言言うべきだと思うのだがそれが全くもって思いつかない、「何か言わなければ」と考えていると、レンファもふとここで言うべきことではないと思ったのか。
「あっ……ごめんなさい、こんな話ししちゃって…気分悪くなるわね。」
「いいや、いいんだ。レンファが思っていることが知れたし…その、気にするな。」
コウ、レンファの間にどこか気まずい空気が流れる。幸いにもこの会話はケンタ、ジュン、アヤ、シュンには聞こえていなかったのか楽しく談笑を続けていた…この男を除いて。
「(こればっかりは口出しできねぇよな…。)」
そう思ったゼウス、変に言葉をかけて落ちこまれても困るし、何より想い人(コウ)が解決してくれるだろうという期待もあった。
「(まぁ、相談くらいのってやるかな……ん?)」
そんなことを考えていると広いロビーに出た。そこに一団に駆け寄ってくる人物がいた、「旦那ァー」と言って手を振っており、見た目はキリトと同じくらいの身長の大きさで全体を朱色で染めた軽装の青年だった。
Tobecontnued…
あとがき
第20話いかがだったでしょうか? レンファはただのヒロインではありません、色々と抱えているものがあります。そして本人の口から姉がいるということがわかりました。最もそれも過去の話しですが…レンファの姉にいったい何があったのか、このことも先になると思いますが回想として書いていきたいと思います。
ちなみに姉についてですが、レンファのモデルが’アレ’でしたら、当然、姉のモデルは’アレ’になりますww
察しがよい人は分かると思います。
さて、話しは変わって。皆さんはギャンブルはお好きでしょうか?私は競馬を少々嗜む程度にやっております。何故このようなことを尋ねたかと言いますと、次回のお話しは、賭けについて関わるからです。賭け事が好きな青年の登場とみんなである賭けに挑みます。
最初に書いたように、これが年内最後の投稿になると思います。次回は早くて年明けの1月に出来たら投稿したいと思います。
それでは、皆さん。少し早いですがよいお年をお迎えください。
では、また…
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どうも、グルメです。
今年最後の投稿になると思います。少し短いかもしれませんが楽しんでいただければ幸いです。
さて、今回のお話しはレンファが負っている心の傷について少し触れたいと思います…
それでは、どうぞ。