恋姫†無双 真・北郷√00 プロローグ
始まりの外史
呂布奉先。真名、恋は北郷一刀という存在によって自らの居場所と戦う意味を見つけ、彼のために戦い共に歩んだ。
彼の回りは暖かく、皆が笑顔で支え合い、他人との付き合い方がお世辞にも上手いとは言えない彼女でさえ、その笑顔の中に溶け込めた。
それは外史の恋と正史の呂布にとって、孤独という牢獄から開放された理想郷だった。
そして外史は終端を迎え彼女は、彼と彼の選んだ一人の女性を送り出すために戦い、消える運命だった。
「……ご主人様……愛紗……さよな……」
閃光が辺りを包む。
「愛紗ぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!」「一刀さま……っ!」
恋の目の前にいる大好きな二人の手が互いに伸びるが届かない。
「……駄目……二人を引き離すなんて……駄目っ!」
閃光が弱まっていく中、間に合わないと判断した恋は、二人の手をとりその力の限りでつなぎ合わせようと近づくが……。
ザシュッ
と、肉を裂く音が聞こえ同時に恋の背中に激痛が走る。
「……くっ……邪魔」
白装束には目もくれず二人のそばに駆け寄る恋。
「「恋っ!?」」
一刀と愛紗が叫ぶ。かなり深い傷なのか恋は小刻みに震えている。
「……二人は離れちゃ……駄目」
力を振り絞り二人の手を近づける、その為か口から血が流れ出す。
「……愛紗……恋のこと一杯かまってくれた……大好き」
俯いたまま苦しそうに想いを告げる恋。
「~っ恋!」
涙を流し恋の手を握り返す愛紗。
「……ご主人様……っ~~いっぱいいっぱいありがとう。……恋うまくいえないけど……」
顔を上げた恋はまっすぐ彼を見つめて、
「……ご主人様……いっぱい……愛して……る」
最後に驚くほど綺麗な笑顔で一刀と愛紗の手をつなぎあわせた。
役目を終えて恋は力尽き、蹲る瞬間……。
「「恋っ!」」
そのまま一刀と愛紗のもう一方の手につながれる。
そして三人は一際輝く閃光の中に消えた。
「主……私はまた貴方に会えそうな、そんな予感がするのです。愛紗、恋、それまで主をよろしく頼むぞ」
閃光がおさまり崩壊を始めた外史で、満足気に微笑む趙雲、彼女達もひとり、またひとりと、光に包まれ新しき外史へ送られていくのであった。
つづく
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恋姫†無双は、BaseSonの作品です。
初投稿作品です。
自己解釈、崩壊作品です。
2009・10・29修正。