〇600形(1956年製造)
601~612号の計12両がナニワ工機(現・アルナ車両)および日立製作所で新造された。
駆動方式こそ従前どおりの釣り掛け式のままであるが、間接制御を採用し、台車にも防音車輪を用いるなど
当時としては破格の乗り心地を誇った車両である。
車体は東京都電7000形をモデルに設計されているが、全長が窓1個分長く、車幅も広く取られていて印象が異なる。
1989年より冷房化を開始。全車現役で使用されている。全長13620mm、全幅2300mm、定員110人。
〇780形(1972年入線)
もとは札幌市電の路面ディーゼルカーD1040形1042号(1964年東急車輛製)を譲り受けたもの。
「架線なしでも走れる」ことに目を付け、応急牽引車として買い付けたようだが、
この頃すでに自動切換式ポイントの整備が進み、そのままではトロリーコンタクターに対応できないことが判明した。
同じころ、「応急修理用の部品程度にはなろう」ということで神戸市電から購入していた台車
(もと神戸市電1152号に取り付けられていた住金FS-352および関連する電装品一式)があったことに目を付けた天空電鉄の技術陣は、
「このまま車体を遊ばせるのは勿体ない」と思ったのか、この台車・電装品と先ほどのD1042号の車体を組み合わせて1両作り上げてしまった。
したがって車体は札幌市電、足回りは神戸市電のミックスという奇妙な車両に仕上がっている。
改造内容としては固定窓の開閉化(一部除く)、一部座席のクロスシート化、エンジン・燃料タンク・排気管の撤去、
あわせてパンタグラフと主回路装置・電動台車の取り付け、方向幕の大型化と尾灯移設など。
1988年には冷房化も行われた。FS-352台車が高性能用のものだったため平行カルダン駆動。
警笛は気動車時代の電子ホーンをそのまま装備している。781号の1両のみ。
全長13100mm、全幅2230mm、定員90人。
〇1070形(1974年入線/1991年引退)
静岡鉄道21形(1958~1961年静鉄長沼工場製)5編成10両を譲り受けて竣功した。1071~1080号の番号が与えられた。
もともとが小私鉄の小さな工場でつくられただけに、各編成で少しずつ形態が違い、
「一つとして同じ形態の編成がいない」というものであった。
入線に際してはヘッドライトの大型シールドビーム化、台車の交換(阪急電鉄より購入のブリル27MCBへ)、
連結器の交換(トムリンソン式連結器へ)、付随車の電動車化、塗装変更などが実施されている。
1988年に冷房化されたが、この頃になると森野中線はほとんどの列車が市内線からの直通に変わっており、
5編成とも後継形式の連接車3700形に置き換えられて1991年に全廃された。
1両の全長14390mm(1071~1074号は14140mm)、全幅2700mm(1071~1074号は2630mm)、定員110人。
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第7弾は「都電のそっくりさん的な自社発注車」と、
もと札幌市電のディーゼルカーに神戸市電の足回りを組み合わせた魔改造車、
そして森野中線用の高床車(もと静鉄)をば。