No.883394

Triangle Goddess! 第39話「ロキ」

Nobuさん

ラスボス戦です。来週でTGは最終回です。

2016-12-14 17:49:36 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:402   閲覧ユーザー数:402

 ラグナロクの元凶、不和と悪知恵の神、ロキとの最終決戦が始まりました。

 

「シャープネス!」

 ゲールはまず、戦闘を有利に進めるため、ジャンヌの魔力を強化しました。

「ウィンドカッター!」

「ぐおぉぉ!」

 ゲールの能力で強化された風の刃がロキを切り裂きます。

 無数の風の刃は、巨大な魔獣すらも挽肉にするほどの威力です。

「その程度か?」

「まだ倒れないの!?」

 しかし、ロキはそれを受けても平然と立っていました。

 流石は高位の悪神と言ったところでしょう。

「今度はこっちから行くぞ!」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ロキが手をかざすと、ゲールの頭上に闇の雷が落ちました。

 それをもろに受けたゲールは大ダメージを受けてしまいます。

 その隙にロキは追撃を受けないように離れました。

「お姉ちゃん、今助けるよ!」

 バイオレットは高速で動き、ロキのところに行った後、影の能力で彼を縛り付けて攻撃しました。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「グボハァ!」

 バイオレットの渾身の力を込めた拘束により、ロキに大ダメージを与える事に成功しました。

 

「どうして……どうしてあなたがこんな事を……起こしたんですか!」

「単なる暇潰しさ」

「やはり……」

「聞くだけ無駄でしたね。では、全力で行きます!」

 そう言って、三女神は全力でロキと戦いました。

「ああ、全力でかかってくるがいいさ。その方が、『楽しい』からな!」

 

 一方、トールの方はというと……。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……っ」

 トール単独で、フェンリルとヨルムンガンドを撃破したところでした。

 しかし、彼が負った傷もまた大きく、上手く動けずに膝をついてしまいます。

「あの毒液を食らったのがまずかった……ぜ」

 狂戦士と化し、周りを顧みずに突っ込んでいったのが原因で、

 ヨルムンガンドの毒液を浴びてしまったのです。

「すまねえ……オレ……は、もう、長く、は……な……い……」

 ガタン、とトールはミョルニルを落とし、そのままバタリと倒れてしまいました。

 そして彼の体から魂が抜け出し、どこかに去っていきました。

 

「……ん?」

「ロキ?」

「……どうやら、俺の子がやられてしまったようだな」

 ロキは、フェンリルとヨルムンガンドが撃破された事を、魔力感知で知りました。

「やりましたね!」

「だが、戦争というのは必ず犠牲者が出るものだ」

「犠牲者? ……まさか!」

「ほうら、集中しろよ!」

「きゃぁ!」

 ロキに不意打ちを受けたゲールはよろめいてしまいます。

 ゲールは態勢を整え直して集中し、ヒールライトで自らの傷を癒しました。

「エアリアルブラスト! からの、ウィンドソード!」

「がぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ジャンヌは、風の能力を使ってロキを転倒させた後、接近して風の剣で斬りつけました。

「くそぉ! ダークネスソード!」

「危な……いやぁぁぁぁぁぁ!」

 ロキは闇の剣を形成し、バイオレット目掛けて振り下ろしました。

 バイオレットは影の能力で受け止めようとしましたが、

 ロキの魔力には勝てず切り裂かれてしまいます。

 

「バイオレット!」

「……よくも」

「え?」

「よくも、このあたしに大怪我を! 許さない……絶対に!!」

 そう言うとバイオレットは虚空から巨大な影の刃を取り出しました。

「バイオレット! 無茶はしないでください!」

「嫌だ! あたしはお姉ちゃんを守る!

 だって……お姉ちゃんは、大事な家族なんだから!! シャドウエッジ!!」

 バイオレットは空を覆いつくすが如き量の影の刃を一瞬にしてロキに投げました。

「行って!!」

「くっ、このくらい……! ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 そしてバイオレットの合図と共に、大量の影の刃がロキを貫きました。

 ロキは避けようとしましたがこの量では避けられず、全て食らって大ダメージを受けました。

「やったぁ!」

「……ぐ……」

 この技によってロキを撃破したかと思われましたが、

「まだ、俺は負けてなどいない!!」

 強烈な執着を力に変え、ゆっくりと立ち上がりました。

「まだ倒れてないのですか!?」

「ああ、そうだよ。何があっても俺は負けない。絶対にな!」

「あなたを倒さなければ、ラグナロクは終わりません!」

「だから、何があっても、あなたを倒すよ! お姉ちゃん!!」

 ゲールは頷くと、バイオレットの攻撃力を上げました。

「シャープネス!」

 ゲールに強化されたバイオレットは、ロキに突っ込んでいきました。

 そして影の刃を形成しロキに切りかかりましたが、ロキもまた闇の剣を出し、鍔迫り合いとなりました。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「このっ……その剣を止めろ……!」

「嫌だ……あたしは負けない……!」

 ロキに押されていたバイオレットでしたが、姉の事を思い出すと張り切り、

 ロキの闇の剣を気合で押し切りました。

「せやぁぁぁぁっ!」

「ぐぁぁぁぁぁぁぁ!」

 バイオレットの影の刃がロキを貫くと、そこから大量の血が溢れ出し、ロキも口から血を吐きました。

 

「ぐぅぅぅっ……俺は、ま、だ……!」

「……」

 ジャンヌは無表情でロキに少しずつ近づきました。

 彼女の両腕には、強い風の魔力が溜まっていました。

「……いつか、終わりは来るものです。

 ですが……その終わりを個人的な理由で引き寄せるとは……あなたは本当に許せない神だ」

「貴様ぁ……下級神の癖に、生意気な……」

「……その下級神に倒される時が今、来たのですよ」

 ジャンヌが纏う魔力はさらに強力なものとなりました。

「畜生……畜生……畜生!!」

「これでとどめです……。神技……ゼピュロスジャッジメント!!!」

 そして、ジャンヌは両手の魔力と自らの体内の魔力を解放し、

 ロキ目掛けて風のエネルギー弾を放ちました。

 それがロキに命中すると、そこから白い光が溢れ出しました。

―ドゴォォォォォォォォォン!

「ぐあああああああああああああああ!!」

 ロキの悲鳴と共に、三女神でさえ目を覆うほどの大爆発が起こりました。

 そして大爆発が治まった後、そこには三女神のみが残っていました。


 
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