No.880430

Triangle Goddess! 第36話「神々の黄昏」

Nobuさん

ラグナロク編です。果たして、アールガルドはどうなるのか……。

2016-11-23 08:17:01 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:441   閲覧ユーザー数:441

―シュン

「やっと……やっと、神界に戻ってきました……」

「でも……」

 三女神は、何とか神界アールガルドに帰還しました。

 しかし、彼女は今の神界の様子を見て愕然としました。

 何故ならば、あれほど美しかった神界が、荒れ果てていたからでした。

「なんでこんな事に……」

 ジャンヌが顎に手を当てて考えていた、その時でした。

 

「何をやっているんだ! もうとっくに戦いが始まってるぞ!」

 彼女達の前に、鎧兜で武装をし、剣を携えた男性が現れました。

 ジャンヌは、その男性に見覚えがありました。

「まさか、あなたはエルダーさん!?」

「そんな事はどうでもいい! 今は、早く相手の戦力を削るんだ!」

「エルダーさん、どういう事ですか!? 戦力を削れ!?」

「早くしろ! 早くしないと……」

「これ以上彼女達をパニック状態にしないでください」

 現れたのは、ジャンヌ達の上司・カイアでした。

 しかし、彼女はいつもと違って重武装をしていました。

「今、このアールガルドでは神々と巨人と人間が激しい戦いを繰り広げているのです」

「……」

「とにかく、一度拠点に戻りましょう」

 そう言い、カイアはジャンヌ達を拠点に連れていきました。

 

「……神々の黄昏(ラグナロク)……」

 ラグナロク、それは「神々の黄昏」を意味する言葉。

 アールガルドに訪れる、世界の終わりの事です。

 アース神族、ヴァン神族、巨人、人間による最終戦争は熾烈なものとなり、

 世界は消滅し、神々すら誰も生き残らないとされています。

「わたくし達はどうすればいいのでしょう……」

「終わりはいつか必ず来るもの。今は、その運命に従いなさい」

「でも……!」

「今はそういう細かい事は関係ない! 早く行くぞ!」

 そう言うと、男性は拠点を出ていきました。

 

「考えている暇はありません。まずは、トールさんを探しましょう!」

「無事ならいいのですが……」

 

 三女神は、トールを探して走り回りました。

 しかし、周りには魔物や巨人などがおり、なかなか先に進む事ができません。

「く……先に進みたいのに!」

「これもラグナロクのせいでしょうか……」

「テンペスト!」

 ジャンヌは全てを吹き飛ばす嵐により、立ち塞がる魔物を一掃させました。

 彼女はただ、先に進むために敵を倒し続けていました。

「マインドアップ!」

「邪魔だよ!」

 ゲールによって強化されたバイオレットの影によって、弱い魔物の動きは止まりました。

 その隙に三女神はトールのいそうな方向に走っていきました。

「お願いします! どうか、生きていてください!」

「手遅れにならないように、急がなきゃ!」

 その頃、トールは……。

 

「はぁ、はぁ……大丈夫かよ?」

「これくらい平気だ……はぁぁっ!」

 エルダーらしき男性と共に、巨人と戦っていました。

「ぐっ、固い!」

「下級とはいえ、タフネスだけは人一倍だな……」

 しかし、トールのミョルニルと男性の剣の一撃をもってしても、巨人を倒すには至りませんでした。

「こんなに巨人がいるとは、聞いていなかった」

「神々と巨人は敵対しているからな! 一体、誰が指揮しているのだろうか?」

「今は、目の前の敵を倒すのが先だぞ!」

「ああ!」

 そう言い、トールと男性は巨人達の軍勢に突っ込んでいき、武器を使って薙ぎ払いました。

 

 6分後、全ての巨人は全滅し、トールと男性は安全地帯で休憩しました。

「オレのおy……父上は一体どこにいるのだろうか」

「父上?」

「ああ、オレはアールガルドの主神であるオーディンの子なんだ」

「そうだったのか!?」

 男性は、トールがオーディンの子である事を初めて知りました。

「側近がいるから大丈夫かもしれねぇが……念のために、おy……父上を探そう」

「ああ!」

 

「っ、ここにはいませんでした!」

「残るはあと1つの道ですね」

「急がなきゃ!」

 南、北、西にトールはいなかったので、三女神は残る1つ、東に向かっていきました。

「……っ!」

「ここにも魔物が!?」

 しかし、東の道にも、魔物は立ち塞がっていました。

「まったく、数だけは多いんですから!」

 ジャンヌ、ゲール、バイオレットが魔物を薙ぎ払いながら先に進んでいくと、

 

「……来たか」

 彼女達の目の前に、炎を纏い、炎の剣を携えた巨人が現れました。

「あなたは……」

「我はスルト、炎の巨人なり」

「……一応聞いておきます。この惨状は、あなたが起こしたものですか?」

 ジャンヌは、風の剣を構えながらスルトにそう尋ねました。

「我はこのレーヴァテインで世界を焼き尽くすのみだ」

「わたくしはトールさんを探しているのです。ここを通してください」

「邪魔をするならば、容赦はせぬ」

「いいから、そこを通してください!」

「ならば、我と戦い、そして勝ち残れ!」

 そう言うと、スルトはレーヴァテインを三女神に向けました。

 やるしかないのか……と三女神は戦闘態勢を取りました。

 

「わたくしは、妹達を守るため、あなたと戦います!」

「世界よりも、お姉様の方が大事なのです!」

「だから、絶対にあなたには負けない!!」


 
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