その頃、神界では……。
「あぁ~、やっぱりこうなってしまったか」
少年の姿をした神が、下界の様子を見ていました。
彼は、ある人物が敗れ去ったのを、面白がって見ていたのです。
「一体誰が倒したんだっけなぁ? うん? あの神力は……」
やけに弱い神力だな、とその神は思いました。
それもそのはず、ある人物を倒したのは最下級の神だったからです。
「ま、それでも人と神の差は歴然だよな。色んな意味で。……ああ、次にどんな楽しみが来るんだろう!」
神はケラケラと笑いながらその光景を見ていました。
ふと、彼は何かを見て、それをじっと凝視しました。
「……アレは、俺の……! おお、興味深いな。よし、少し手を出してみようか!」
そう言うと、神は姿を消しました。
一方、下界では……。
「おはようございますぅ」
「早いなぁ。といっても3時間か」
三女神が起きて宿屋を出ました。
現在時刻は午前6時。
寝る前に何をしていたかというと、アイテムの収集でした。
次の戦いに備えて、三女神とトールはしっかりと準備をしていたのでした。
「さて、これからどうするべきかな……」
これから何をすればいいのか、トールは(珍しく)考えていました。
すると、宿屋のドアを誰かがノックする音が聞こえてきました。
「ん? 誰だ?」
トールがドアを開けると、彼の目の前に黒い髪と同色の瞳の少年が立っていました。
「やあ、何か探しているのかい?」
「ああ、オレ達は四使徒っつー奴を探しているんだ。今は土と水を倒したところ」
「うん、分かった。残っているのは火と風だね」
「一体、どこにいるのでしょうか」
「それなら、一番近いのを教えてあげるよ」
そう言うと、少年は目を閉じました。
どうやら、精神を集中しているようです。
「……」
ジャンヌ、ゲール、バイオレットは、少年をじっと見ていました。
しばらくして、少年の目が開きました。
「……見つけたよ。次の四使徒が」
「え? それは誰ですか!?」
「風のリシア。四使徒の紅一点で、短剣使いさ」
「ほう……それは一体どこにいるんだ?」
「この大陸の西にあるセフィードという都市に、彼女はいる」
どうやら、次に戦う四使徒は、風のリシアという人物だそうです。
「セフィード……」
「神聖な場所に闇が入れば困るよな? な?」
「はい」
「んじゃあ、頑張って倒して来いよ!」
そう言うと、少年は姿を消しました。
「あの少年、一体誰でしょうか」
「さあな……でも、オレ達の味方っぽいかもしれないし、敵っぽいかもしれないな」
「……」
トールは、少年を怪しんでいました。
ジャンヌ、ゲール、バイオレットはどういう意味か分からず?マークを浮かべていましたが、
やがてこう結論を出しました。
「じゃあ、裏切ったら制裁しましょう!」
「うわ」
(オレの考えが移ったようだな……)
しかし、神界では……。
「なるほどねぇ、そうだったのか。うん、いい情報を得たよ」
神が、不気味な笑みを浮かべていました。
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当初は違うタイトルでしたがネタバレになるため変更しました。