No.86838

心・恋姫†無双 第十七話

南風さん

やっとレポートが終わりました。あとは金曜のテストのみです。それはさておき、今回はちょっと作品の展開をどうするかで悩んでたらここまで遅くなってしまいました。申し訳ありません。
この作品はオリジナルキャラ・要素が多い作品です。苦手な方は申し訳ありません。では、感想をお待ちしております。

2009-07-28 16:55:18 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:14697   閲覧ユーザー数:11717

心・恋姫†無双 ~大陸動乱編~

第十七話 ~劉備の理想~

 

 

 

 

 

キャラ解説

主人公とこの十七話にでてくるオリジナルキャラのみ真名と簡単な解説をのせます。

北郷一刀・・・・・・・言わずと知れたこの作品の主人公なのかもしれない人

馬騰・・・・・・・真名を翡翠(ヒスイ) 馬超(翠)の母親!!

龐徳・・・・・・・真名を蒼(アオ) 日本的な言い方をすると侍っ子。

高順・・・・・・・真名を純(ジュン) 呂布(恋)とそっくり恋二号。

 

希望がありましたので解説をのせました。

不十分かもしれませんがご容赦を・・・・・・・

 

 

 

 

 

「お、お前は・・・・・・・・。」

翡翠の登場で当たりは静まる。

そして、その沈黙を破るのは翡翠の主である北郷一刀。

「・・・・・・・武器をひいてくれないか?」

 

「北郷か・・・・・・・・。」

「北郷殿・・・・・・・・。」

「北郷さん・・・・・・・・。」

一刀に誰もが視線を向ける。

「これは、我らの問題。お前は関係ないぞ。」

「そうはいかない。」

「なぜだ?」

「益州・・・・・・いや今のこの大陸には劉備さんが必要だ。」

 

 

 

「北郷さん・・・・・・・・。」

その一言に劉備の胸が熱くなる。

 

 

 

「そうかもしれんな。」

「なら、ひいてくれるか?」

「それは無理だ。我らは主であった董卓のためにここにいる。劉備がどんな存在だろうと、関係が無い。」

「そうか・・・・・・・なら俺たちも敵にまわすことになる。」

「あぁ・・・・・・・お前には感謝していたが・・・・・・・・・今は!!」

華雄が一刀にむけて駆け出す。

一刀は鞘から刀を抜く。

そして、構えるのだが・・・・・・・・。

「翡翠!!」

「御意!!」

 

「っな!!」

 

翡翠が前に立ちふさがったと思った瞬間だった。

目の前が急に暗くなる。

 

「くそっ!!」

 

目の前を覆っていた布を取り除いたとき、次に目の前にあったのは翡翠の手刀。

そして首筋には関羽の堰月刀があった。

「卑怯だぞ!!」

「あぁ、何とでも言ってくれ。俺は華雄さんと戦う気は最初から無い。」

「私はあったのだがね・・・・・・・。」

「それはまた今度だな。」

「・・・・・・・・・今度とはどういう事だ?」

「劉備さんと関羽さんの話を聞いてみたらわかるよ。」

 

「・・・・・・・・北郷殿、まさか知っていたのですか?」

「・・・・・・・・前に会ったとき劉備の眼を見てわかったって言うのかな。まぁ勘だけど。」

「そうですか。桃香さま、よろしくお願いします。」

「うん!!」

なぜかとっても笑顔の桃香であった。

 

 

――屋根の上――

・・・・・・・・趙雲。あたしが合図したら一斉に三方向に下がるぜ。

・・・・・・・・わかった。

蒼もいいか?

ああ。

 

「・・・・・・・何をしても恋にはきかない。」

 

「それはどうだか!」

三人が恋を囲む。

そして、三人同時に襲い掛かる!!

 

「・・・・・・・無駄。」

恋は全てをかわそうとした。

「今だ!!」

だが、三人は恋に襲い掛かる直前に後ろに下がった。

「!?」

その奇怪な行動に恋の動きと思考が止まる。

そして、その機をずっと待っていた。

無数の兵が屋根のいたるところから現れ、恋に網を投げる。

二重三重に恋に網が降り注ぐ。

そして恋が網に絡まると同時に、三人の槍先が恋の頸の前で止まる。

「悪いな。本当はこんなことは好きじゃないんだけど、ご主人さまの命令なんだ。」

「少し大人しくしてもらおう。」

「・・・・・・・・・卑怯。」

「呂布よ、お主のした事は無駄なのだ。」

「・・・・・・・・・?」

「直ぐにわかる。」

 

 

――路地裏――

「っ!!」

純は苦戦していた。

狭い路地裏では純の戟は長さが邪魔で振りずらい。

しかし、焔耶の金棒は長さはそこまでながくないうえに大きい。

純にとっては壁が勢いよく迫ってくるようなもの。

そして、わずかな隙をみつけ戟を振ろうとしても、後ろの桔梗に邪魔されるのだ。

「・・・・・・・・お前ら、邪魔。」

「知ったことか!!」

「なら、早くわしらを倒せばいいことではないか。」

「・・・・・・・・。」

 

「二人とも強いのだ。」

「そんな事は無い。地の利を利用してるまでよ。」

「そんなものなのか?」

「そんなものなのじゃ。」

 

「どうした!?その程度か!!」

「・・・・・・・・うっとうしい。」

 

「そろそろ、頃合かの。」

「なにが?」

「まぁ見ておれ。」

「焔耶!!」

「はい!!」

焔耶が後ろに下がり桔梗が前に出る。

 

「・・・・・・・・。」

 

そして桔梗は豪天砲を構える。

「ケガをするなよ。」

 

ドン!!

 

「っ!!」

豪天砲から打ち出されたのは先程とは違う黒く丸いもの。

その丸いものは純の前でさらに広がり、大きな鎖の網となった。

 

ガシャン。

 

「・・・・・・・卑怯。」

鉄の鎖は重く硬く、純は抗うのをやめた。

「耳が痛いが、これもお館さまの命令じゃ。」

「あいつは無茶ばかり言う。」

「そう言うな。では行こうかの高順。」

 

 

 

 

 

華雄、恋、純は捕らえられ各自連行された。

そして三人が再開したのは牢屋ではなくとある部屋の前。

「っふ、無様だな。」

「「・・・・・・・・・。」」

三人が三人とも縄で縛られている訳でもなく、ただ連れられているだけ。

 

「じゃあ、私たちはここで失礼します。後は好きにしてください。」

劉備が満面の笑顔で華雄たちにそう告げる。

「どういうことだ?」

「その部屋に入ればわかりますよ。じゃあ、北郷さんたちも行きましょう。」

「あぁ、そうするか。俺たちも忙しいからな。」

「その前に北郷さんにはお話があります。」

「劉備さんが?」

「はい。」

「わかった。翡翠たちは先に出る準備をしてくれないかな?」

「それは構わないよ。・・・・・・・・・・これも仕方がないのかね。」

「我らがお館さまは自分の立場を理解しておられてないからの。」

「大丈夫。じゃあ頼んだよ。」

勝手に話を進め、一刀と劉備はその場を後にする。

 

残されたのは華雄、恋、純の三人。

普通なら確実にありえない。

武人として敵討ちにきて、目的も果たせなかった。

しかも、捕縛されながらも縄もかけられないで部屋の扉の前に放置された。

生き恥と言ってもしかたのない程の屈辱。

だが、劉備の笑顔と北郷がつくったきっかけというかこの不思議な機会。

その事が何を示すのか・・・・・・・・・・三人は正直困惑し期待していた。

そして、怖かった。

扉の先にあるもの。

それが怖かった。

 

その扉に手をかけるのは華雄。

 

そして華雄の手を支える恋と純。

 

ゆっくりと扉が開く。

 

そして・・・・・・・・・・・。

 

その先に待っていたものとは・・・・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・。

 

・・・・・・。

 

 

 

 

 

「ん?どうかした?」

先程から劉備は笑顔のまま。

「何か嬉しいじゃないですか。」

「その気持ちはわかるけど、仮にも殺されかけてたんだぞ。」

「それはそれ、これはこれです。それに、皆を笑顔に幸せにする。それが私の夢です。」

これが劉備・・・・・・・・・・・・・か。

「どうかしましたか?」

「いや、何でもない。」

・・・・・・・・・任せて良かった。

 

さて、こうして劉備についてきたのだが案内されたのは玉座の間。

「で、話ってなんだい?」

「それは中に入ってからいいですか?」

「・・・・・・・・わかった。」

玉座の間に入るとそこには蜀の名だたる将達が勢ぞろいしていた。

ただ一人、チビッ子だけがいないのは・・・・・・・・・今は考えるのをやめよう。

「おっと、これは壮観だね。」

 

「先程は助かりました。」

「いや、俺らがこなくても上手くやれてたと思いますよ。」

「そう、ご謙遜なされるな。仮にも我らの命の恩人ではありませぬか。」

「命を救ったのは俺ではなくて、俺の仲間のですから。」

「そのお仲間の主殿ではないですか。」

「・・・・・・・それもそうだね。皆にも伝えておきます。」

「あと、出来るのであればいつか手合わせを願いたい。馬超と龐徳の二人と。」

「それは私もです。ぜひ、馬騰殿といつか。」

「はい、伝えておきます。」

 

「ちょっと~何三人で話しているの?」

頬を膨らませている劉備。

「申し訳ありません。先程の礼をしていました。」

「では約束しましたぞ。」

 

静かに一刀の前に立つ劉備。

「えっとですね、私は力の弱い人たちのために立ち上がりました。それは北郷さんも同じです。曹操さんも同じだと私は思っています、孫策さんもです。」

「あぁ。」

「曹操さん孫策さんは私たちとやり方が違うだけなんですよ。北郷さんもやり方が違うだけ・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

「やり方が違くても目指すものは同じ。ならなんで手を取り合っていけないのかなって。話し合いができないのかなって・・・・・・・・・・・甘いのはわかってます。理想なのもわかってます。だけど、それでも私は・・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

「だから、私は北郷さんと戦います。剣をとっての戦いじゃなくて話し合いでの戦いって言うんですかね・・・・・・・・・北郷さんたちを支援している邑や郡を回っていこうと思います。それが私の戦いです。戦い方です。」

「わかった。なら、俺は俺の戦いをするだけだ。俺たち反乱軍は荊州に向かう。そして戻ってきた時にどうなっているか・・・・・・・・楽しみにしているよ。」

「はい!・・・・・・・・・・・えっと、それでですね。お願いなんですけど・・・・・・・・・・私たちが益州を無事に平定したら反乱をやめてくれませんか?だからここまで来てもらったんです。私の覚悟を皆にそして私自身に言い聞かせるために!!」

「・・・・・・・・・・・・・・わかった・・・・・・・・・・でも、今ここで約束は出来ない。・・・・・・・・・けど、もし出来たら考えるよ。」

「じゃあ、頑張ります!!絶対に反乱をやめてもらいます!!」

「・・・・・・・・・・あぁ。楽しみにしているよ。」

「はい!!」

拳を握り、俄然やる気満々の劉備。

その劉備を見て俺は笑うしかできなかった。

 

 

 

白蓮ちゃん、私頑張るよ!!

だから白蓮ちゃんも・・・・・・・・・・・勝ってね。

 

 

 

劉備たちと別れ、俺は翡翠たちが待つ場所につく。

そこで見たのは張飛と桔梗が手合わせしている風景だった。

まぁ玉座の間にいなかった時点で想像はしていたけど・・・・・・・・。

「うりゃ!!」

「なんの!!」

良い勝負をしているらしく皆が声援をおくったりして盛り上がってしまっている。

 

俺にこの状況をとめるすべは存在しない!!!!!

 

そうわかった俺は、お茶をすすると決めた。

 

え?逃げだって?

 

そんなん知らんわ!!

 

 

 

 

 

 

時は進み

――幽州、公孫賛居城――

「くそっ!!」

くやしさのあまり壁を殴りつける公孫賛。

戦は当初、公孫賛軍が持ち前の機動力を生かして戦を有利に進めていた。

だが、数の力に徐々に押され敗走してしまったのである。

そして現在は自らの居城にこもり再起を図っている。

篭城戦は援軍がくることを前提に戦うのだが、相手は遠征軍。

公孫賛は持久戦を仕掛けたのである。

「袁紹軍、我が城より西に陣をしいております。」

「あぁ、わかった。ありがとう。」

「っは!」

「私はこんなところで負けてはいけないんだ・・・・・・・・・・桃香と約束したんだぁ。」

 

 

 

そして公孫賛が城でくやしがっている時。

 

 

 

その城に向けて地下から進むものたちがいた。

 

 

 

第十七話 完

 

 

 

 

予告

優しい少女と

 

ある少女の物語

 

次回 心・恋姫†無双 ~大陸動乱編~

第十八話 「公孫賛」

 

乱世のなかの運命

 


 
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