第52話 繰り返されるか否か
既に5つのバッジをゲットしていたラカイは今カイナシティの市場で買い物をしていた。
これからここからでる船に乗って次のジムがあるトクサネシティへ行こうと思っていたのだ。
「うん、薬も食料も日用品も揃ったね!」
「らーぐぅ!」
あのラグジーもヌマクローからラグラージに進化し一層たくましくなった。
本当ならラグジーの力を借りていくのもいいが、船にも乗ってみたいという好奇心が働いたので船で行く事にしたのだ。
「しかも私達が今から乗る船は海の中が見えるガラス張りの水族館があるんだって!
楽しみだよねっ」
「ラグッ」
ふいに歩みを止めるラカイ。
「・・・ってはしゃいでる場合じゃないか。
送り火山のおじいさんとおばあさんに珠を取り返すって約束したのに・・・わたしったら」
「ラグ、ラグゥ」
「・・・うん、そうね・・・ありがとう。
今は進める道に進まなきゃだめだよね!」
パンフレットを読んで気持ちを高ぶらせてると乗船時間が近づいてたのでラグジーを戻し船着場へ向かうラカイ。
その入り口にたくさんの人間が集まっていた。
「え?」
こっそり見てみるとクスノキ館長がテレビのインタビューに答えていた。
周りにいるのは野次馬といったところか。
しばらくすると彼はインタビュアーから解放され船着場に入っていった。
「えーと・・・
『クスノキ館長、ついにかいえん一号を開発!
幻の海底洞窟を発見する!』
かぁ・・・」
電子掲示板に表示されたニュースを読み上げる。
幻の海底洞窟がひっかかるなぁと思っているとスピーカーから別の声が流れてきた。
「諸君、かいえん一号は我々アクア団がいただいた!」
「え!?」
突然アクア団という名前が出てきて驚く。
奴らをこのまま逃がすまいと思いラカイは船着場に突っ込んでいった。
「アクア団っ」
「ん・・・?」
男・・・アオギリはラカイを見た。
「なんだ、あの小娘は」
「リーダー、彼女が以前に報告した娘です」
「なるほどな」
「アクア団、かいえん一号を返せ!」
「そうはいかないな。 シグレ!」
「はい、アメモース!」
でんこうせっかを指示しクスノキ館長に攻撃を図るがその一撃は飛んできたエアームドによって遮られた。
「?」
「大丈夫ですか!?」
「あ、ああ・・・しかし君は?」
「私はラカイ、ポケモントレーナーです。
それはそうとアクア団、一体何をもくろんでるのよ!!」
アクア団のバンダナを巻いた大男はほくそ笑む。
「貴様か?
ちょくちょく我々の邪魔をする小賢しい娘は。」
「・・・!!」
彼女の登場にシグレは目を丸くした。
シグレの存在に気づいたラカイは険しい顔で彼に向かって怒鳴りつける。
「あんた・・・まだこんなことやってるの!!?」
「っきみには関係ない!」
「いえ大アリよ!
今度こそあんたたちを逃がさない!」
エアームドにはがねのつばさを指示したがアメモースがまもるで防御してきた。
「アメモース、バブルこうせん!」
「スピードスターでかきけして!」
バブルこうせんとスピードスターが衝突する。
すぐにアメモースはれいとうビームを放ちエアームドを攻撃するがエアームドはもろともせずれいとうビームを浴びながらもアメモースにつっこみドリルくちばしでアメモースを倒した。
「シグレ、いくぞ!」
「はっ・・・」
男は少年にも乗るよう促し先にかいえん一号へ乗り込む。
「待ちなさい、あんたこのままで本当にいいと思ってるの?
よくないと思うなら行動を起こしなさいよ!」
「・・・」
「この前あんたが言ってたのは全部うそ?」
「うそ、じゃない・・・」
そう返事する少年の声は震えていた。
「勇気なんて勝手に出てくるものよ。
イヤでも怖くても、行動しなきゃなにも変わらないの、自分も世界もみんなも!」
「・・・!」
「いくぞ、シグレ」
ラカイの言葉にはっとなるが父の言葉にそむけず少年・・・シグレはかいえん一号に乗り込み去っていった。
「・・・・ラグジー、奴らを追うわよ。
まずはこの近くのキナギタウンへ!」
船乗り場をでてラグジーを出すと彼に乗る。
その様子にさっきまで呆然と立ち尽くしていたクスノキ館長がラカイに向かって叫ぶ。
「頼む、アクア団を止めてくれ!」
「まかせてください!」
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ラカイの短い話。