それは華琳が凪を襲い、
桃色な雰囲気になってしまったため、
その後華琳は凪に口を聞いてもらえず、
凹んだ華琳を凪が許してから
数日たったときだった。
蜀と呉から伝令がくる。
内容は両国の国境にある城が五胡の大軍に
攻撃を受けているというものだった。
この知らせをうけ華琳はすぐさま武将達を招集した。
華琳「どう思う? 桂花、稟、風」
桂花「はっ、遠からずこの魏にも五胡の襲撃があるのは間違いないかと」
稟 「ですが、三国の同盟を考えればここで両国に援軍を出さないのもいかがなものかと」
風 「ぐぅ~」
稟 「風!起きなさい!」
<ビシッ!>
風 「おおっ! 寝てしまいましたか~」
華琳「風、あなたの意見は?」
風 「ふむ。二人の意見に異論はないのですよ~、ただ・・・」
華琳「ただ?」
風 「それこそが、五胡の狙いだと風は思うのですよ~」
春蘭「どういうことだ?」
秋蘭「つまりだ、姉者」
秋蘭「蜀、呉に援軍を出さずに万が一両国どちらかが五胡に落とされれば後々の脅威になる」
秋蘭「だからと言って両国に援軍を出してしまうと国の守りが手薄になる」
秋蘭「どちらにせよ、五胡が有利になるということだ」
春蘭「なるほど」
春蘭「だが、どこが問題なのだ?」
春蘭「どちらも倒せばよい話ではないか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
秋蘭「姉者・・・」
季衣「春蘭さまぁ・・・」
霞 「惇ちゃん・・・」
春蘭「うん?」
華琳「たしかに、春蘭の言うとおりね」
桂花「華琳様!?」
華琳「五胡などに我らが魏の大地を踏み荒らさせてはならない!」
華琳「そしてそれは蜀と呉も同じこと」
華琳「秋蘭、沙和と稟を連れて呉へ向かいなさい!」
秋蘭・沙和・稟「御意っ(なの~)!」
華琳「蜀は霞、真桜、風に任せるわ」
霞・真桜・風 「了解や!(です~)」
華琳「残りの者は、私と共に五胡を向かえ打つ!」
6人 「御意!」
華琳「五胡の雑兵共に、我が魏の精兵の力を見せ付けてやりなさい!」
全員「はっ!!!」
魏の援軍が、呉、蜀両国で戦闘を開始した頃、
予想通り、魏の国境にも五胡の軍勢が現れる。
その数およそ100万。
魏の三大軍師の予想よりもはるかに多かった。
桃香と雪蓮が援軍を請うほどの軍勢も囮。
五胡はその圧倒的な兵力でもって三国を襲撃したのであった。
蜀と呉に向かわせた軍勢もそう簡単には戻ってこれない。
しかし黙って蹂躙されるわけにはいかない。
曹操軍は国境近くで五胡を迎撃するべく準備を急いでいた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
出陣前、華琳は北郷一刀の部屋の前にいた。
華琳「一刀と魏の皆で作り上げたこの国を五胡などに荒らさせはしないわ」
今はいない部屋の主に誓う。
華琳が北郷一刀の部屋の前を離れようとしたとき、
<カタン>
誰もいないハズの部屋の中から物音がした。
侍女が掃除でもしているのかと思い、部屋を覗いてみる。
誰もいない。。。
華琳「あっ・・・・・・」
部屋を出ようとしたとき机の上のものに気付いた。
華琳の休日に一刀を街に連れ出し、
街一番と噂の絵師に"つーしょっと"で描かせたものと、
その絵の横に置かれた美しい装飾の首飾りだ。
華琳「綺麗・・・・・・」
首飾りを手にとり、眺める。
首飾りには小さな鏡が付けられていて、
その鏡のまわりは紫と金で装飾が施されていた。
また、鏡の裏には文字のようなものが彫ってあったが、
華琳にはその文字が読めなかった。
が、何故かその文字が自分宛のような気がして、
絵の中で笑う最愛の男に向かって言う。
華琳「あなたの代わりに持っていくわ」
五胡襲来の報告の数日後、
曹操率いる魏軍は国境周辺で五胡の軍と相対し、戦闘が開始される。
戦闘開始から数日間は春蘭や凪の奮闘により互角の戦いをしていた。
しかし自分達の半分ほどの戦力、しかもこれといって援軍が来る様子もないとみるや
五胡が大攻勢にでる。
五胡の圧倒的な戦力の前には桂花の策も効果なく、
前線は混乱し、乱戦に突入。
しかも混乱が混乱を呼び、
華琳率いる本隊までもが乱戦を強いられる事態に陥っていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
凪Side
凪「どけぇっ!!猛虎蹴撃!!」
北郷一刀が消えたときの落ち込みから立ち直った凪が始めにしたことは
自身を鍛えなおすことだった。
5年間鍛錬を重ねた凪は、
蜀の武将"呂布"と三国の交流戦などで互角以上の戦いができるほどになっていた。
その凪を五胡の雑兵が止められるわけもなく、
凪「邪魔だぁっ!!猛虎強襲撃!!」
凪の蹴りから氣が放たれ、五胡の兵が吹き飛び道ができる。
凪「華琳様ーっ!!」
普段の凪であれば、華琳が負けることなど露にも考えないだろう。
だが今日は違う、先ほどから背中にまとわりつくようなイヤな予感が消えない。
その感覚が華琳の危機を訴えているものなのかはわからないが、
五胡の圧倒的な兵力の前に分断されてしまった華琳を見つけるため、
凪は五胡の兵を蹴散らしながら戦場を駆けていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
華琳Side
華琳が率いていた部隊は、
五胡の大軍により分断されて各個撃破されていき、
今では何人生き残っているのかもわからなくなっていた。
そして退路を断たれた華琳は
絶望にも等しい数の五胡を相手に"絶"を振るっていた。
そんな華琳の前に異形の五胡が立ちはだかる。
華琳「なっ・・・・・・」
身の丈は華琳の倍以上ある巨躯だった。
さらに目を引くのは異形の五胡が持つ巨大な剣、
いや剣の形をした岩とでも言うべきだろう。
その岩剣が華琳を襲うが、これを紙一重でかわし、
華琳は愛鎌"絶"を振り下ろす。
五胡もその巨躯からは考えられないような体捌きでかわし、
岩剣を華琳に向け振るう。
華琳「くっ・・・・・・」
異形の五胡の剣撃はさながら暴風のようだった。
凪Side
凪「あれは・・・?」
華琳が巨躯の五胡と打ち合って数合後、
ようやく凪は華琳を見つけることができた。
しかしすでに巨躯の五胡に対し、華琳の劣勢は明白だった。
凪「華琳様ーっ!!」
凪は華琳の加勢に向かおうとするが、五胡兵の壁がそれを阻む。
凪「くっ! どけぇ!!虎王強襲撃!!」
凪が氣を放ったあとに見たのは華琳の"絶"が砕けるところだった。
凪「!!」
焦る凪を嘲笑うかのように五胡達が凪を取り囲む。
凪「(私にとって華琳様は隊長と同じくらい大切な方だ)」
凪「(なのに私にはまだ大切な人を守る力はないのかっ)」
凪「イヤだっ! 失いたくないっ! もう誰も失いたくないっ!」
凪の叫びに、意思に呼応するように、
凪の身体から氣が溢れだし無謀とも言える突撃に力を与える。
より強く、より速く、より激しく。
すでに凪の目には周りの五胡は見えていない。
凪に見えるのは大切な主のみ。
<ビキィッ!!>
異形の五胡との戦いでついに絶の刃が砕けた。
華琳「(よくここまで持ってくれたわ)」
と華琳は愛鎌に感謝する。
ここまで何千という五胡を屠り、
さらに目の前の巨躯の五胡と何合も打ち合ったのだから。
武器を無くし、追い詰められた華琳にすでに逃げる場所はなかった。
華琳「(我が覇道もここまでか・・・・・・)」
異形の五胡が華琳にゆっくりと近づいてきて、
華琳「(春蘭、秋蘭、桂花、季衣、流琉・・・・・・)」
今まで回りを囲み傍観しているだけだった他の五胡達も近づいてくる。
華琳「(稟、風、真桜、沙和、霞、そして凪・・・・・・)」
異形の五胡が岩剣を構え、
華琳「(みんなごめんなさいね、先に逝くわ)」
他の五胡達も弓を構える。
華琳「(もう一度・・・・・・、一刀に会いたかったな)」
岩剣を華琳に向け振り下ろす。
華琳「(・・・・・・一刀・・・・・・)」
華琳は一刀の部屋から持ってきた首飾りに手をやり、目を閉じた。
???「このおおおーーーーっ!!」
華琳を取り囲んでいた五胡達が白銀の光に吹き飛ばされる。
???「間に合えーーーーっ!!」
その白銀の光は五胡の兵達を吹き飛ばした勢いのまま、
今まさに振り下ろされようとしている岩剣の下にいる華琳に向かう。
???「かりーーーんっ!!」
岩剣が振り下ろされるのと華琳と岩剣の間に白銀に光が割り込むのは
ほぼ同時だった。
<ごっっ!!!!!>
大量の砂塵が舞い、斬撃によって削られた地面が四方に吹き飛ぶ。
砂塵の落ち着いた斬撃のあとには丸い窪みができ、
その中心には・・・・・・・・・・・・、
粉々になった首飾りがあった。
あとがき的な
たっくさんコメントいただき感謝感謝です!!
本当にありがとうございます(;´Д⊂)
"Re:TAKE"2話目でした。
いや~苦労した苦労した(笑)
書きたいことは決まってるのに
そこに持ってくのが大変でした(;´Д`)
(ちなみに華琳様がボコボコにされた名も無き五胡も書きたかった)
戦うシーンって難しいですね~。
(ちなみに作者の好きな戦い方は "突撃!粉砕!勝利!" です)
そろそろ彼にも登場していただこうと思います。
かなり無理矢理進めてしまいましたが、
コメントいただければ幸いです。
てか華琳様の「凪GETだぜ!」があんなに反響あるとはおもわなかった(笑)
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真・恋姫無双の二次創作です。
誤字脱字あるかと思いますが、
よろしくお願いします。