華琳「よい月ね・・・・・・、凪」
大陸の覇王-曹操は夜空に輝く月を見上げながら呟く。
凪 「はい、華琳様」
その横で同じように月を見上げながら楽進が答える。
並んで月を見上げながら思うは、同じ思い人のこと。
ともに生き、ともに戦い、ともに死地を超え、
ともに笑い、ともに泣き、ともに愛し、
そしてともに大陸に平和をもたらし、
その天命を果たし消えた彼のことを・・・・・・。
天の御使い-北郷一刀が消えてから5年の月日が流れていた。
華琳「ふふふ・・・・・・」
華琳が凪を見つめながら笑い、ちょこに注がれた酒を飲む。
凪 「? な、なんでしょうか?」
凪が頬を赤らめながら問う。
華琳「いえ、一刀が天の国に還ったと皆に伝えたときのことを思いだしたの」
凪 「か、華琳様、それは・・・・・・」
凪は顔を真っ赤にしながら慌てる。
天の御使い-北郷一刀が天の国に還ったことを華琳が魏の皆に伝えたとき
ある者は激怒して、華琳に掴み掛かろうとし、
ある者は泣き崩れ、そしてそれを支える者も泣き、
ある者は平静を装いつつも動揺を隠せず、
またある者は鼻血の海に沈んでいた。
華琳「・・・・・・、あれは何を勘違いしていたのかしらね?」
凪 「た、たぶん、驚きすぎたのではないでしょうか」
華琳は呆れたように言い、
凪は「私は見ていませんが・・・・・・」と苦笑しながら付け加え、
華琳のあいたちょこに酒を注ぐ。
華琳「あのとき、あなたは殴り掛かろうとしたものね、この曹孟徳に」
華琳は微笑ながら凪をからかう。
凪 「あのときは申し訳ありませんでした」
凪は恥ずかしいのかさらに顔を赤くしながら答える。
華琳が北郷一刀の消滅を伝えたとき、
凪は怒り狂いながら華琳に飛び掛かったのだが、
凪の拳が華琳に届く寸前に秋蘭の当身によって気を失っていたのだった。
華琳「以前にも言ったけど、咎めているわけではないわ。咎める以上に嬉しかっただけよ」
華琳「覇王に拳を向けるほど、一刀は愛されていたのだ・・・・・・、とね」
凪 「はい・・・・・・」
華琳「でも、そのあとのあなたは見ていられないほど落ち込んでいたわね」
凪 「・・・・・・」
華琳「そう、自身の命を絶ってしまうのではないかと思うほどに・・・・・・」
凪 「たしかに考えたこともありました」
凪 「この命を絶てば、隊長のいる天の国にいけるのではないかと」
月を見上げながら語る凪を華琳は黙って見つめる。
凪 「ですが、真桜が・・・・・・、沙和が・・・・・・、そして誰より華琳様が私を支えてくれました」
凪 「自暴自棄になっていた私を諌め、進む道を示してくれたのは華琳様です」
凪は華琳を見つめる。
凪 「今こうしていられるのも、華琳様のおかげと思っています」
華琳「いいえ、凪」
華琳「あなたが立ち直ったのは、あなた自身の力よ」
華琳「わたしはただ無理矢理立ち上がらせただけだもの」
凪 「そうかもしれません、でも華琳様がいなければ立ち上がることすらできなかったかもしれませんから」
華琳「まぁ、いいわ///」
華琳「ほら、あなたも飲みなさい」
少し照れた様子の華琳が凪に酒を勧める。
凪 「はっ、いただきます」
凪はしばし注がれた酒を見つめたあと、また華琳を見つめる。
凪 「華琳様、ありがとうございます」
華琳「?」
凪 「華琳様に誘って頂けるこの月見の酒の席が、私の楽しみになっているのです」
華琳「あら、うれしいこといってくれるわね」
凪 「華琳様だけですから、隊長のことを笑って話せるのは」
他の者達と北郷一刀の話をすれば会話にならないのは目に見えていた。
話題に上げてしまえば、否が応にも思い出してしまうからだ。
北郷一刀との騒がしくも幸せだった日々を…。
華琳「そうね・・・、私も凪だけね」
それは忘れたわけではなく、信じているから。
凪 「華琳様と隊長のことを話題にするたび思います」
凪 「隊長は必ず帰ってきてくれる・・・・・・」
凪 「そう、信じています」
また月を見上げながら凪は言った。
華琳「ふぅ・・・・・・」
華琳「駄目ね、全然振り切れていないのね 私達」
普段は絶対に見せない弱々しい表情を浮かべながら、華琳は笑う。
そんな華琳を見つめなおして凪は言う。
凪 「振り切る必要はないと思います」
凪 「なぜなら隊長は帰ってくるのですから・・・・・・」
華琳「そう・・・・・・、ね」
華琳はそう語る凪の笑顔を見つめ、
いつもの不敵なそして綺麗な笑みを浮かべながら、
華琳「でもこんなにいい女を二人も待たせるなんて、一刀には罰が必要ね?」
と凪に問う。
華琳「去勢でもしてやろうかしら」
凪 「か、華琳様、それは・・・・・・」
華琳のトンデモ発言に凪が慌てる。
凪 「隊長が去勢なんてされたら・・・・・・、その・・・・・・、私も困るというか・・・・・・/////」
凪 「あああっ、私は何をっ/////」
そんな凪を笑顔で見つめながら、
華琳「そうね、去勢はやめておきましょう]
華琳「その・・・・・・、私も困るし・・・・・・/////、ね」
そう言って、頬を赤らめる。
華琳「でも相応の罰は覚悟してもらうわ」
華琳「私達をこんなに待たせてるんですもの・・・・・・」
凪 「そうですね」
華琳「一緒に買い物をして・・・・・・」
凪 「一緒に食事もして・・・・・・」
華琳「一緒に散歩もして・・・・・・」
凪 「喜びも悲しみも分かち合って、そして・・・・・・/////」
華琳「そして?」
意地の悪い笑みを浮かべながら、華琳は続きを促す。
凪 「そして・・・・・・/////、あの~、その~・・・・・・/////」
凪が言いにくそうに顔を真っ赤にしながら言いよどむ。
華琳「そうね、待たされたぶん愛してもらわなきゃね」
凪 「はいっ!!」
月明かりの下、二人は笑う。
華琳「さぁ飲みましょうか、凪」
凪 「はっ」
華琳「それにしても今日は饒舌ね? 凪」
凪 「さ、酒のせいではないでしょうか?」
華琳「・・・(ジー)」
凪 「・・・?」
華琳「・・・・・・(ジー)」
凪 「・・・(な、なんだろう?)」
華琳「・・・・・・、可愛いわね 凪」
凪 「なっ!、なっ!」
華琳「・・・じゅるり」
凪 「しっ、失礼します!!」
凪は逃げ出した!
華琳「逃がさないわよ!」
しかしまわりこまれてしまった!
華琳の手が怪しげな動きをしながら凪にせまる(笑)
凪 「か、華琳様? お気をたしかに・・・」
華琳「な~ぎ~、うふふふ可愛いわぁ~♪」
凪 「たっ、助けてください!隊長ー!!たいちょー!!」
華琳「大人しくなさ~い、ふふふふ」
凪 「いやーーーっ!!たいちょー!!」
あとがき的な。
え~、ここまで読んで頂きありがとうございます///
今年の初めに恋姫無双→真・恋姫無双と連続プレイして見事に嵌りました。
で、最近TINAMIや他のサイトの恋姫SSを読み漁り、
「俺も書いてみてぇ!!」
と無謀な思いの結果がこれです。
駄文ではありますが、
できればコメントいただければうれしいです。
作者は個人的には、華琳様、凪、雪連が好きです。
なので、華琳様と凪を中心に書いてみました。
雪連も出したいけど、力及ばず。。。orz
一応続き物の予定なので、
お付き合いいただければ幸いです。
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真・恋姫無双の二次創作です。
初投降、初作品です。
誤字脱字あるかと思いますが、
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