風天中学校3年1組。
「それでですね、これは聞いた話なんですけど」
クラスメートたちの前で話しているのは寺内菜乃花。
「…出るらしいんですよ。ほら、あの…」
その話に、ムサシ君こと宮本久司が割って入る。
「出るってアレか?まさかこの学校の七不思議だかそんな」
「そう!そのまさかなんです。出るらしいんですよ。音楽室に…」
菜乃花が話しているのはこの学校に夜な夜な伝わる怖い噂話の類。
ベタにも程がありそうなものだが、要約すれば「音楽室に幽霊が出る…」というのである。
「こ、怖いなあもうっ、やめてよただでさえ怖いの苦手なのに…」
と、震えあがるのはアード・来迎寺。
「いや、こういうのって逆に怖いもの見たさで行ってみたくならない!?」
目を輝かせるのは飯田橋ミウ。
「えー!?やめといたほうがいいって絶対さぁ!テムナもなんか言ってあげて!!ミウってば行く気満々で…」
「んー、それはー…興味あるなぁwwほな行こかミウ」
「駄目だこの犬っっ!?」
残念!アードの意見は天満橋テムナには届かなかった!
「音楽室の幽霊ねえ。それなら心当たりがないことはないけど」
「「うんうん」」
と、話に割りこんできたのはエリシア・グレイ、ミュア・ブリーズ、キャメロン・ベルの3人…Emceeだ。
「え、Emceeのみんなも体験してるの?」
頭にクエスチョンマークを浮かべるアンネ・フライベルク。
「うーん、放課後に音楽室で曲作りとかやってたりするとねー…」
「そうそう、突然後ろの楽譜が落ちたりさ」
「あたしなんかベースの音程が急に狂ったりなんかしてさ…」
そこに、ドラゴ郎こと龍野吾郎が現れる。
「…うーん、これはひょっとしたらひょっとするんじゃないか…?」
「ひょっとするって何がですかドラゴ郎くん」
「ほらアレだよ。噂は本当だったってことに…」
と、ドラゴ郎が言いかけたその時であった!
「ひーっ!や、やめてよもうっ!これ以上怖い話なんかさぁ…!!」
女子生徒の悲鳴が聞こえた。ふと、声のしたほうを見ると頭を抱えて震え上がっている少女が一人。
少女の名は児玉麗子、彼女もまたクラスの一員だ。
「いや、まだ噂が本当だったって決まったわけじゃないんだけど…」
ドラゴ郎がなだめようとすると、アンネと久司が口々に話し始める。
「でもこういうポルターガイスト現象って、霊的なエネルギーとかが作用してるらしいってママ言ってたなあ」
「俺が忘れ物取りに戻ったときなんか、誰もいない音楽室でピアノが鳴ってたらしいしな…」
「うわーっ!やめてやめて!そういう幽霊とかの類はホント耐性ないのよぅー!!」
その時、話を聞いて震え上がる麗子に、テムナのツッコミが炸裂した!!
「…だーっ!幽霊が幽霊にビビってどないすんじゃーいっ!!」
「あ……そ、そうだった、あたし幽霊なんだったw」
「…おいおい、しっかりしろよクラス一のオカルト要素…」
「あ、あははははは…はぁ、幽霊って大変だなぁ…」
呆れ果てるドラゴ郎、赤面する麗子。クラスは今日も平和だった。
…ちなみに音楽室の幽霊の噂に関する真相は…まだ謎のままである。
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幽霊のくせしてホラーが苦手、というネタ。
■出演
菜乃花:http://www.tinami.com/view/739115
ムサシ君:http://www.tinami.com/view/789726
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