No.826396

艦隊 真・恋姫無双 99話目

いたさん

宴が延長してしまいました。 

前作の『北斗の艦これ』続編も短いですが付けました。

2016-01-23 13:00:44 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1024   閲覧ユーザー数:918

【 相互する関係 の件 】

 

〖 司隷 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

会場の中では、大賑わい。

 

料理上手の鳳翔、瑞穂達が率先して作り上げた料理は、諸侯達に大評判。 更に天からの酒類まで入り、騒ぎは大きくなっていく。

 

★☆☆

 

雪蓮「これを………引っ掛けてぇ取る? わっ!? あ、泡が───」

 

隼鷹「そうそう! そんでさ……口に付けてぇグイッと──」

 

雪蓮「へえぇ──────ブホッ!? な、何これっ? 喉がジュワァ~とするぅ! でも、結構………美味しいじゃないっ!!」

 

隼鷹「この味を知らないってのは、人生かなり損してるって。 慣れれば、こうやってイッキ飲みにぃ―――――――プハァ!!」

 

雪蓮「………………ゴクリ……」

 

隼鷹「───かぁぁぁっ! うめぇえええっ!! やっぱぁ──コレが無いと、あたしって生きて行けないもんでさぁ!! おっ? ほらほらぁ、見てないで、ジャンジャン呑みなってぇ!!」

 

――

 

祭「────! 水のように透明じゃが、これが酒だとぉ? うぅ……うむぅ、確かに良き香りが漂う。 すまぬが………『一献、如何です?』──っと、これはこれは──御遣い殿! 自らとは………恐悦至極!」

 

神通「いえ………私達が未熟だった為に………何名かの兵士さん達が。 御迷惑を………御掛けして………」

 

祭「………戦場での被害は当然。 だが、戦いで散った者達の想いに報いるのも……生き延びた我らが役目よ。 御遣い殿、悔やむ事は幾らでもできる。 だが、平和な世を信じて逝った者達の想い、忘れんでやってくれんか?」

 

神通「……………はい!」

 

祭「では、申し訳ないが………別の杯に一つ、注いで貰えんかな? 手に持った美酒を呑み前に、亡き兵達へ捧げてから………頂こうか」

 

神通「…………直ぐに、御用意致します!」

 

★★☆

 

流琉「季衣ぃ──この『さつま揚げ』美味しいよ──食べてみな………あ、あれっ? 此処にあったのが………」

 

 

恋「…………モグモグ………美味しい!」

 

加賀「………補給は大事、だから………譲れません」

 

 

流琉「ええ──っ? 大皿に山盛り二皿分……さっきまで此処に置いてあったのが…………!?」

 

季衣「お~い、流琉ぅ──何か呼んだぁ!? あ──っ! さつま揚げが………全部無くなっているっ! 折角、楽しみにしてたのにぃぃぃ!?」

 

 

恋「美味しい物は………早い者勝ち。 ……………これ、戦場の掟」

 

加賀「そうね、 迷いは自分を殺すことになるわ。 …………ここは既に戦場、良い判断ね………」

 

★★★

 

 

桂花からの衝撃な話。

 

─────『天の御遣い……北郷一刀を思い出して欲しい!』

 

秋蘭が、桂花の言葉を聞いて頭が痛くなり……一人で離れる事を華琳から承諾を得て、様々な円卓を巡りては歩いて考える。

 

秋蘭「…………忘れている………か。 北郷の事で、桂花どころか姉者さえも覚えていて……華琳様や私が。 フッ………なんとも可笑しな話だ。 だが、私の心の奥では………妙に納得している自分も居る………おや?」

 

そんな折、この部屋に入室する少女達二人を見付けた。 一人の少女は体の半分程の大鍋を両手で持ち、動く度に鍋の中が動くのか、千鳥足で前に進む。

 

ーー

 

菊月「……………ぐっ……この菊月、この程度では……!」

 

如月「菊月ちゃん、やっぱり一人で大鍋を運ぶのなんて無理よ。 如月も一緒に手伝わせて。 ねっ?」

 

菊月「……………こ………これは、この菊月が………司令官より受けた任務。 だから………菊月だけの力で……任務を達成して………」

 

如月「───菊月ちゃん!」

 

ーー

 

もう一人の少女は、鍋を持つ娘よりも年上らしく、一生懸命説得して手伝いを申し入れるのだが、その娘は頑として譲らない様子。

 

二人の娘は、菊月と如月。 

 

一刀より菊月に『デザート運搬任務』を命じられ、話を聞いていた如月が、二人で持つように提案。 しかし、菊月が『一人でも成し遂げれる』と……鼻息も荒く如月の提案を許否。 

 

そのため、如月が心配して付いている状態であった。

 

 

秋蘭「ふふ、昔の姉者と私を見ているようだ。 姉者も、『華琳様から受けた命令は私だあっ!』と言って、私に手伝わせず一人で行動していたな。 懐かしい物だ。 私達は、あの頃より華琳様を守らんと頑張った───!?」 

 

 

その姿を見て、幼かった華琳と春蘭を思い浮かべた秋蘭は、昔の記憶を辿りつつ二人の様子に重て……頬を緩める。 

 

───だが、その表情も急に険しくなり、二人の下へ駆け出す!

 

 

菊月「……………! …………!!」

 

如月「菊月ちゃん、無理しちゃ駄目よ! ほらっ、如月にも──」

 

菊月「頼む、最期まで………菊月に………」

 

如月「…………だけどぉ!」

 

 

しかし、鍋を持つ白髪の少女は既に限界。

 

鍋を持つ手は既に震え、口を半開きにしている姿。 あのままでは、苦労して持って来た料理を溢して、台無しになる様子が容易に想像できた。

 

秋蘭は、自分の悩みも忘れ、疾風の如く二人の少女に近付いて行く!

 

 

菊月「………任せて『ガッ!』───うわっ!?」ガクッ

 

如月「ああ──っ!?」

 

 

菊月の身体が、急に前へ大きく傾いた! 

 

限界が近かった為に足が上がらず、前方の視界が大鍋で奪われ、如月も菊月の様子に注視していたので…………床の一部が盛り上がっていた事に、気づけなかった!

 

案の定、爪先を引っ掛け、大鍋と共倒れしようとする菊月!

 

如月も、急な事態で手が出せず、驚いた表情を顔に付けたまま、黙って見守るしかない!

 

 

菊月「ぐっ! こ、この………程度でぇ───」

 

如月「菊月ちゃん!?」

 

 

菊月が、一刀より預かった運搬任務は、侮りと嘆きの中で………失敗に終わる────筈だった!

 

ーー

 

菊月「うぅぅ…………な、何だ? この菊月が……倒れ伏していない──あっ?」

 

秋蘭「───鍋なら無事だ。 間に合って良かった………」

 

陸奥「………菊月も大丈夫ね。 ───でも、駄目よ? 提督の期待に応えたいのは分かるけど……せっかくの料理も、菊月の身体も……何かあれば悲しむわ。 自分よりも他人を優先する……私達自慢の提督なんだから………」

 

如月「あ、ああ………………」

 

――

 

駆け付けた秋蘭が、咄嗟に鍋を掴んで押し止め、倒れようとした菊月の身体は、後ろより現れた陸奥に、強く抱きしめられていた。

 

菊月のふらつく様子に心配して、物陰より様子を窺っていたそうだ。

 

ただ……菊月如月の姉妹にとっては、何が起きたのか分からない。

 

ーー

 

如月「む、陸奥さん! それに………貴女は!?」

 

――

 

秋蘭「ふむ………余計な事をしまったかな? 私の名は、夏侯妙才。 曹孟徳様配下の者だ。 この大鍋を幼き者が持つには、些か無理がある。 場所を示してくれれば、その場所に鍋を置こうと思うのだが………」

 

陸奥「ふふふ、貴女が手を貸してくれた御蔭で、菊月が哀しまずに済んだわ。 私は『長門型 2番艦 戦艦 陸奥』………御礼を言わせてね、ありがと」

 

ーー

 

少々強張った顔をする菊月に安否を確認した後、ニッコリと笑い菊月達と共に、場所を案内する陸奥であった。

 

 

◆◇◆

 

【 お目当ての将 の件 】

 

〖 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

川内「う~んと…………何処に居るのかな~?」

 

ーー

 

川内は、『とある将』を捜して、目当ての陣営に向かって行く。 

 

その場所とは………董卓陣営。 

 

ただ、将達は思い思いに行動を起し、月が一人で寛いで居る。

 

ーー

 

月「あ、あの………誰か、お探しですか?」

 

川内「ああ………丁度良かった! 貴女……董卓ちゃん……だったよね?」

 

月「は、はい………姓は董、名は卓、字は仲穎です。 あの………貴女様は……」

 

川内「あっと……自己紹介が遅れちゃて、ごめんね? 私は『川内型 1番艦 軽巡洋艦 川内』っていうの! 気楽に川内って呼んでね、董卓ちゃん!」

 

月「あ、貴女が………川内さん………!!」

 

川内「──ん、そうだよ? 何々、なんか用事でもあるぅ?」

 

月「い、いえ! そうでは……無くて……!!」

 

ーー

 

本来、『姓+名』で呼ぶのは……敵対行動を示している相手に呼び掛ける時だけ。 普段は『姓+字』が正しい。 中には、特殊な場合(字が不明……とか)もあるが、これが普通である。

 

だから、川内の言い方は、本来──失礼にあたるのだ。 

 

しかし、前の世でも『董卓』と名乗っていた月は、指摘どころか………憧憬の眼差しを見せた。

 

★☆★

 

《 月 回想 》

 

月の頭に過るのは───洛陽都城に戻った時に、左慈と于吉から……記憶を持つ恋姫達だけ知らされた真実。

 

ーー

 

左慈『貴様らに教えてやる。 ───あれが深海棲艦の攻撃だ! しかも、あれでも………威力を抑えられた残り火に過ぎん! 本来なれば、貴様達は死んでいた………骨すらも残らず、巨大な大穴が残るだけだったのだ!』

 

『『『『『 ──────!? 』』』』』

 

ーー

 

────『天を焼き焦がす灼熱の炎』

 

────『地に降り注ぐ兇悪なる風』

 

今まで見聞した事も無い、凄まじい事象が次々と起こり、何名かの恋姫が倒れ、兵達にも死傷者が少なからず出した──この異変!

 

一刀に仕える『艦娘』達、そして敵対する『深海棲艦』との応酬で生じた………余波である事に………愕然と知らざる得なかった。 

 

あの己の武に自信を持つ華雄でさえ、余波を食らい命が危なくなった。 他にも、衝撃波で吹き飛ばされた冥琳も居る。 

 

その圧倒的な実力の差を───身を持って思い知らされたのだ。

 

ーー

 

桂花『じゃあ──なんで、私達は生き残れたの? それだけの圧倒的戦力を保持しているのなら、片手間で皆殺しにするのも可能だったじゃないの!?』

 

冥琳『いや、片手間じゃない──全力で私達を狙っていた。 明命からの報告では、深海棲艦は別の場所にも現れていたという。 そうだな、于吉よ?』

 

于吉『……………さすが、情報収集においては随一ですね。 その通りですよ………白波賊を隠れ蓑にして、挟撃を行い私達や御遣い達も潰滅させるつもりだったようで。 まあ……然うは問屋が卸しませんでしたがね?』

 

詠『───じゃあ、アンタ達が!?』

 

左慈『正確には、北郷の配下《艦娘》と呼ばれるアイツらの手柄だ。 どうなるかと思っていたが、着実に実力を付けて来たようでな。 くくくっ……深海棲艦を二隻、返り討ちにしてくれたようだぜ!』

 

月『じゃ、じゃあ………天を赤黒く染まったアレは……………』

 

于吉『……深海棲艦の攻撃で、確か《16inch三連装砲》とか呼ばれる砲撃ですよ。 ある艦娘が放った矢で破壊、霧散した為に事なきを得ました。 ですが……どう考えても、あのような力を秘めている筈が無いのですが………』

 

★☆★

 

そんな話をして、活躍した艦娘の名前を挙げた。

 

その中にあった名が………『扶桑』『山城』『鳳翔』

 

そして………『川内』 

 

こうして…………川内達の名前は、一部の者に知られる事になったのだ。

 

ーーー

 

月「あ……それでは、先の戦いで……私達を救ってくれた方ですか? その節はありがとうございます! あ、あの……その川内様が、どのような事で……私達の席を見回しておられるのでしょうか?」

 

川内「えー、固い、固いよぉ……董卓ちゃん! うちの那珂みたいに弾けなきゃ、せっかく可愛いのに勿体ないよ! だから………そんな改まった呼び方で喋るのなら、返事なんかしてあげないっ!」

 

月「わ、分かりました! それでは………川内さん、と呼ばせて貰います。 その代わり、私も真名『月』を……川内さん、貴女に預けさせて下さいっ!」

 

川内「………えっ? だ、だって……真名って物凄く大事な物だって、提督から聞いてるよ? それに、まだ少し会話しただけなのに……本当にいいの!?」

 

月「はい………貴女は、ご主人様の信頼できる御仲間であり、私達を救ってくれた恩人だと聞いています。 だがら、真名を預ける事に抵抗などありません!」

 

川内「うわぁ……いい子じゃん! 董卓……いえ、月ちゃん! 何かあったら、私に言ってね? 必ず力になるから!」ガバッ

 

月「───せ、川内さん!? あ、あの!?!?」

 

ーー

 

『会えた時にでも、御礼を言わないと……』と思っていた人物が、目の前で自分に笑い掛けてくれる。 

 

自分達より、年上に見える素振りをするかと思えば、幼い様に思える仕種もしてくる………変わった女性。

 

でも、嫌いになれない──寧ろ好ましい女性であった。

 

ーー

 

川内「あぁ~もう、反応も初々しいんだから! ───ああ、そうだぁ! こんな事してる場合じゃあなかった!!」

 

月「?」 

 

川内「月ちゃん、実はねぇ……月ちゃんの陣営内に居る『山田』って名前の将……捜してるんだけど、知らない?」

 

月「…………………………えっ!?!?」

 

ーー

 

───この一言により、更なる騒ぎが

 

董卓陣営で、引き起こしされる事になった。

 

 

◆◇◆

 

【 山田とは? の件 】

 

〖 洛陽 都城内 予備室 にて 〗

 

川内が面会を求む『山田』なる将に、全く心当たりが無い月は、再度問い掛ける。 『何か、勘違いしてないか』との意味合いも含めて──だ。

 

月「や、山田…………ですか? そんな姓や名の方は………此処にいらっしゃいませんが………?」

 

川内「あれぇ? 確か『ゲーム』の中で自分の名前を叫んでいたから、間違いないと思うよ。 『やまだぁあああ──っ!!』って言いながら、無双してたから。 後は、えーとね………戦場が『合肥』! 夜戦で大勝したんだよ!!」

 

ーー

 

川内が目をキラキラさせて、月に力説する。 既に頭の中で浮かぶのは、『泣く子が居るとやってくるよ』と言われる、かの猛将の姿。 

 

ーー

 

『やまだぁあああ──っ!』

 

『孫呉の喉笛、喰いちぎりに参ったっ!!』

 

『合肥の悪夢、今一度味わいたいのか?』

 

ーー

 

数々の名場面を、頭の中で繰り返していると、月が恐る恐る返事をした。

 

ーー

 

月「そうなんですか? 合肥ですと───此処より遥か南側になりますから、私達とは関係ない土地になります。 誰か………違う軍籍の者では?」

 

川内「えぇ~~、おかしいなぁ? 今なら、この董卓陣営に在籍しているって、青葉から情報を得ているんだよ……。 月ちゃん、山田って将だけど………ホントォ~に何も知らない………?」 

 

月「わ、私も董卓軍を率いている身です! ですから、陣営内の主要な将は把握してますが、その様な将は陣営内にいません! い、幾ら………威厳が無いとか、詠ちゃんに任せ放しとか……そんな事、そんな事ぉ───!!」

 

ーー

 

川内が疑いの眼差しを見せると、心外だとばかりに睨み返す。 

 

しかも、気のせいか───

 

『…………雑魚が………踏み潰されたいようだな!』

 

───副音声で、別の声が聞こえた。

 

ーー

 

川内「ひゃはぁ───アッ、ハイッ! 月ちゃんを信用しますっ! 大丈夫、大丈夫だよっ!! (………青葉の奴、ガセネタ掴ませたなぁ! 今度の夜戦演習での相手、青葉……アンタに決定っ!!)」

 

ーー

 

川内が、月に潜む『何かに』に怯え、島風並みの速さで、首を上下に何回も振る。 そんな川内の様子に、幾らか落着きを取り戻し、再度問い質した。

 

ーー

 

月「…………そもそも、その方は………どういう方なんですか?」

 

川内「えーとぉ…………十万の敵を八百の手勢で撃破、その時に囲まれた兵が居たから、突撃して救出したって話。 お蔭で、その国の子供が夜泣きをすると、『山田さんが来るよ?』と言うだけで、泣き止むんだって!」

 

月「────そ、そんな凄い方なんですかっ!?」

 

川内「そう! だから、夜戦で凄まじい活躍を見聞したから、この機会に会えればいいなぁ……と思ってさ。 それで、ここの陣営に居るって話を聞いて……捜しに来たんだけど。 御迷惑掛けるようだから……帰るね」

 

月「ま、待って下さいっ! 山田さんって方は………恋さんや霞さん、華雄さんでしたら、何か知っているかもしれません! 直ぐに聞いてきますので!!」

 

川内「ああ……いいよ、いいよ! もし、逢えれば話を聞かせて貰おうかなって。 あの戦い振りが印象に残ってたから、夜戦の秘訣を聞きたかったんだけど……うん、疑って悪かったね。 わざわざ教えてくれて、ありがと!」

 

月「いいえ、申し訳ありません。 お力になれず……ごめんなさい………」

 

ーー

 

こうして、川内は『山田』なる将に会う事なく、自分達の陣営に戻って行った。 

 

★☆☆

 

月「(山田さん……か。 どんな人なんだろう………)」

 

霞「おっ? 月やないかぁ……どうしたん?」

 

月「あ………霞さん、丁度良かった。 山田と言う方を………御存知ありませんか?」

 

霞「山田ぁ~? けったいな二字姓やな。 ぜんぜ~ん聞いた事あらへんよ? ───そいつが、何か悪さしたん?」

 

月「実は───」

 

ーー

 

川内と別れて、少し経つと………霞が戻って来た。 

 

そのため、月が先程の話をすると………興味津津(きょうみしんしん)で話に食らい付く! 

 

ーー

 

霞「何やぁ、その化け物はぁ!! 恋でさえ数万の敵を撃破するのが、やっとだと言うに……千満たん小勢率いて、十万を追っ払ったぁっ!? …………そんな奴が居るんなら………ウチとどっちが強いのか、勝負してもらわなぁ!?」 

 

月「ですが…………聞いた事も無いです。 山田さんって言う将は………」

 

霞「そりゃあ……アレや! 何か悪さしくさり、お尋ね者にでもなって、偽名でも使っているかもしれへんでぇ? 有名になれば、名前なんて広まるのは早いわ! ───けど、今もウチらの陣営内に居るんやろか?」

 

月「川内さんは、此方で捜していたので、私達の陣営の中に居ると思います。 ですが、性別も姿も全く分からない人ですから、捜しようが………」

 

霞「いや、諦めちゃあかん! ウチは恋と華雄に言っとくわ!! 月は、詠やねねに伝えて貰えんか!? ウチも兵達に片っ端に聞いて、山田って奴を捜してみる! 必ず捜し出さなぁあかんでぇっ!?」

 

月「───分かりました!」

 

霞「そんな凄まじい猛将が居るのなら早う迎えんと! このままなら、間違いなく、他の諸侯の下に去ってしまうがな! 手を拱(こまね)いたままやったら、えらい大損こくでぇ!?」

 

ーー

 

その後、大規模な『山田を捜せ!』が始まったが、結局……影も形もみあたらなったという。

 

 

ーーーーーー

 

あとがき

 

最期まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

華琳の記憶をどうしようと悩んで二週間。 取り合えず、次回への持ち越しになりました。 申し訳ないです。 

 

できれば、次回で終わらせて、張三姉妹も活躍させたいと………思ってます。

 

 

後、これは『北斗の艦これ』の続き。

 

敵対するキャラの紹介も兼ねて、オマケで出してみました。

 

 

 

◆◇◆

 

【 ラオウに敵する者 の件 】

 

〖  とある海域周辺の島 にて 〗

 

海域内にある島で、三人の強面の男達が集まり、相談を行っている。 

 

南斗最後の将に仕える、五車星の『海のリハク』『炎のシュレン』『風のヒューイ』であった。 

 

正確に言えば、リハクが自分の事を自画自賛し、シュレンとヒューイは、二人して顔を見合わせ………溜息をつく。

 

ーー

 

リハク「やはり………我が目に狂いは無かった! 狂暴星である拳王、そして南斗六星最強のサウザー様が手を組み、我らと敵対する事が!!」

 

 

ヒューイ「俺らって………なんで、コッチ側に付いているんだ?」

 

シュレン「それを言うな。 俺だって配役決められる時は、どこかの鎮守府の提督か司令官になると、思っていたのだぞ?」

 

ヒューイ「あのジジイ………また我らの将に要らぬ事を献策したのか!? せっかく、この話が舞い込んだ時……俺はっ!!」

 

★☆★

 

《 ヒューイ 妄想 》

 

 

広大な大海原の海上に、国王号へ乗馬したラオウが、強大な覇気を纏い眼前の敵を睨みつけた。 

 

その目の前には、腕にある星型の刺青を見せつけるように出す──ヒューイ。

 

――

 

ヒューイ「俺の名は『南斗五車星型 戦艦 風のヒューイ』だ! 我が母星、南斗を脅かす北斗の死拳! 我が『艦隊』の前に消滅する時が来たのだ!!」

 

ラオウ「ぬう──小賢しいわぁ!!」

 

――

 

そして、彼を旗艦として展開する駆逐艦達が、ヒューイからの開戦の合図を聞き、攻撃を開始した!

 

ーー

 

ヒューイ「行くぞぉ! 萩風、涼風、時津風、谷風、浦風、江風!!」

 

 

萩風「み、見つけた! 敵艦見ゆ! 艦隊、左魚雷戦、左砲戦、よーい!」

 

涼風「いよっ! 待ってましたぁー!」

 

時津風「さーあ、始めちゃいますか!」

 

谷風「さぁ~て、いっときますかね!」

 

浦風「砲雷撃戦、開始じゃ!」

 

江風「ふふン、いいねいいね! やっぱ駆逐艦の本懐は戦闘だよなー、いっくぜー!」

 

ーー

 

風の名が付く艦娘で編成された『風の艦隊』が襲い掛かる!

 

ラオウは、相手が駆逐艦の艦娘と知っても、容赦する気は無い! 周りの闘気を倍上させ、艦隊に攻撃を仕掛けた!

 

ーー

 

ラオウ「拳王の力を、その身に受けるがいいっ! ───北斗剛掌波!」

 

涼風「てやんでぇー!  一昨日きやがれぇてんだぁ!」

 

ラオウ「我が剛掌波を……弾いただとぉ!?」

 

 

時津風「打ち方、はーじめー!」

 

ラオウ「ぬ、ぬおぉぉぉっ! こ、この俺に傷をつけるとは………!?」

 

 

ラオウ「───次こそ最後だ! 北斗……一点鐘っ!!」

 

谷風「かぁっ! こいつは粋だねぇーっ!!」

 

ラオウ「───ぬぐっ! これもだとぉっ!?」

 

 

江風「よし、一気に畳み掛けるぜ!」

 

ラオウ「ぐ、ぐおぉおおおっ!! こ、この程度で………拳王の肉体は 砕けぬ! 折れぬ!! 朽ちぬ!!!」

 

 

ラオウ「こ、この拳王を………くっ! ならば、我が全身全霊の拳を!」

 

浦風「そこ退けやー!」

 

ラオウ「ば、馬鹿なぁあああ───っ!?」

 

ーー

 

ラオウは、剛掌波等で対抗するが、風の艦隊からの駆逐艦とは思えぬ耐久性のに阻まれ、素早い連携、強力な砲撃で──為す術(なすすべ)も無かった!

 

そして、最後にヒューイ自身が、ラオウへ最後の攻撃を放ち止めを刺した!

 

ーー

 

ヒューイ「これが……俺達の力だっ!!」

 

ラオウ「フッ……フフ…………見事だ……青いの…………駆逐艦達……よ……」

 

ーー

 

────死闘の末、轟沈するラオウ!

 

勝利を刻んだのは、風の艦隊……だった!

 

★☆★

 

ヒューイ「………となる筈だったのに───ぃぃぃ!!」

 

リハク「………戦艦? 何を咬ませ犬如きが! 拳王相手に身のほど弁えない事、ほざく必要があるのかの? そもそも、お主達は戦艦どころか駆逐艦でも怪しいわ!」

 

ヒューイ「ぐはっっ!!」

 

シュレン「ごほっ!?」

 

ーー

 

背後からリハクの口撃で───シュレンが小破、ヒューイが大破。 

 

いや、ヒューイの場合は───どちらかと言えば実質………轟沈。

 

関係ない奴に、自分の妄想を聞かれた衝撃は、結構大きいからだ。

 

更に、気にする事を馬鹿にされた為、二重のダメージを受けて、ヒューイは息も絶え絶えになり、倒れ伏している! 

 

どうやら、己の慧眼を認めて貰えないのを根に持ったリハクは、ヒューイ達の話を聞いて横槍を入れた模様である。 

 

普通、軍師とは───『冷静沈着に策を行い、行動大胆に示す者』

 

果たして、こんな器が小さい彼に、軍師として役割りが出来るのか……非常に不安である。

 

ーー

 

シュレン「お、おのれぇ…………よくも、我が弟星にぃ!!」

 

リハク「事実を言って何が悪い? 悔しければ実力を示してみるが良いでないか。 そうですな───『飛行場姫』様!」

 

飛行場姫「ソノヨウナ……弱々シキ……チカラナド………役ニ立タヌ! 我ラノ加護ヲ得タケレバ…………実力デ得ヨ!」

 

ーーー

 

リハクの後ろには、いつの間に現れたのか『 深海棲艦 飛行場姫 』が立ち、嘲笑しながらヒューイ達の様子を見ていた。

 

そして、勝ち誇ったように、リハクが声高々と大義名分を上げた!

 

ーー

 

リハク「これは、我が将の意向! 深海棲艦側に立ち、ラオウを討てと! そう申された事、忘れたのか!? 我ら五車星、深海棲艦側に付くのは──当然の事よ!!!」

 

 

 


 
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