No.815942

宝城双斗のIS学園生活 第4話双斗と簪と天災

destinyさん

天災襲来!!

2015-11-27 13:02:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:393   閲覧ユーザー数:392

 side双斗

 

 それから30分後、お互いにお腹が減っていたこともあり、今は学園の購買で買ったサンドイッチを部屋で食べていた。

 

 「それにしても簪は凄いね」

 

 「えっ?」

 

 「代表候補生なんてそう簡単になれるものじゃないからね。きっと僕がいない間も凄い努力をしてたんでしょ?」

 

 僕は束さんからISに関しての知識を徹底的にたたき込まれた。だから代表候補生になるのがどんなに大変なことか僕には分かる。

 

 「そういえば代表候補生になったということは専用機は持っているの?」

 

 「・・・・・」

 

 僕がそう聞くと簪は暗い顔をした。

 

 「・・・何かあったの?」

 

 「私の専用機・・・まだ完成してないの」

 

 「え?」

 

 「実は・・・」

 

 簪はそう言い、専用機が完成してない理由について説明した。

 

 簪の専用機である『打鉄・弐式』は倉持技研という研究所で開発が進められていたがあるとき急に開発が中止になった。理由は世界初の男性IS操縦者織斑一夏の専用機を開発するためである。その後、簪は開発途中だった打鉄・弐式を引き取り、それから一人で打鉄・弐式を組み上げていたらしい。

 

 そのことを聞いた僕は簪の頭を優しく撫でる。

 

 「簪、今日まで本当に頑張ったね。」

 

 「双斗・・・///」

 

 「これからは僕と一緒に頑張っていこう」

 

 「うん・・・。双斗、ありがとう・・・」

 

 気がついたら簪は泣いていた。今まで1人で頑張ってきたが相当辛かったようだ。

 

 「よし! そうと決まれば、すぐに簪の専用機を組み上げに行こうか」

 

 「うん!」

 

 簪は涙をふき、笑った。その笑顔に僕は思わず見惚れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼食も食べ終わり、僕と簪は学園にあるIS整備室に来ていた。入学式前ということもあり、他には誰もいない。しかし・・・

 

 「ソウく~ん!!」

 

 僕たちに向かって勢いよく走ってくる人物がいた。それは・・・

 

 「た、束さん!?」

 

 「えっ!? あの人が・・・!?」

 

 ISの生みの親である篠ノ之束その人であった。予想外の人物の登場に僕と簪は驚きを隠せない。

 

 「やあやあ待っていたよソウ君!」

 

 束さんは僕と簪の手前で綺麗に止まった。

 

 「束さん、どうしてあなたがここにいるんですか?」

 

 「それはね~」

 

 束さんは視線を簪にずらす。

 

 「!!」

 

 簪は束さんと視線が合い、思わず僕の後ろに隠れてしまう。

 

 「簪がどうかしたのですか?」

 

 「うん、実はIS学園の至る所に私が作った監視カメラを置いていたんだけど、その時にたまたま2人の会話も聞いてね~。私もぜひ協力したいと思ったんだ」

 

 「本当ですか!?」

 

 「うん。簪ちゃんの専用機、確か『打鉄・弐式』だったかな。この機体のシステムや武装には以前から興味があったからね。天才の束さんが手伝ってあげるんだから感謝してね~」

 

 「はい! ありがとうございます篠ノ之博士!」

 

 「簪ちゃん、私のことは普通に束さんと呼んでくれておっけーだよ」

 

 「はい、束さん・・・」

 

 ISの生みの親である束さんに手伝ってもらえるのがよほど光栄なのか、簪は少々興奮気味に感謝の言葉を述べると、束さんは簪に普通に束さんでいいと言った。

 

 こうして簪の専用機の開発が始まった。ちなみに現在の時間は13時、整備室は18時に閉まる。つまり作業ができるのは5時間しかない。なので急いで作業を始めることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 sideナレーション

 

 「ここがこうで・・・」

 

 「へぇー、なかなか面白い武装だね~」 

 

 「やっぱり2人とも処理速度が速いね」

 

 双斗は調整を行っている簪と束を見て思わずそう呟いた。

 

 双斗がそう思うのも無理もない。2人の処理速度は本当に人間なのかと疑うほどのスピードなのであるから。

 

 「敵う気がしないよ」

 

 「双斗もかなり速いと思うよ」

 

 「簪ちゃんの言うとおりだよ。全然ソウ君は遅くないよ」

 

 確かに双斗の処理速度も常人に比べれば比べ物にならないくらい速い。しかしISの生みの親である束、中学の3年間の間、ISに関して全てを注ぎ込んできた簪、ISに乗り始めてたかだか1年の双斗では差が歴然だった。

 

 ちなみに作業の分担は束がOS、簪が武装、双斗が一部システムの調整を行っている。

 

 「こっちは99%終わったけど、2人はどう?」

 

 「私の方は96%完了してます」

 

 「僕は87%ってところです」

 

 しかし、束や簪にしっかりついていく所を見ると双斗も流石といったところだろう。

 

 こうして簪の専用機は順調すぎるほどのペースで完成に近づくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side簪

 

 「・・・よし、なんとか間に合ったね」

 

 作業開始から3時間後、打鉄・弐式は見事に完成した。そのあとは起動テストも順調に進み、何とかアリーナが閉まる前にファーストシフトまで完了させることができた。

 

 「あ、そうそう、ソウ君」

 

 「何ですか束さん?」

 

 「君の専用機だけど、何とか4月中には渡すから」

 

 「えっ、僕にも専用機があるんですか?」

 

 双斗は自分にも専用機があると聞いて驚いていた。

 

 「うん。でもソウ君の専用機は私が作ってるわけじゃないけどね~」

 

 「それってどういうことですか?」

 

 「詳しくはその時に本人に聞くといいよ」

 

 そう言うと束さんは帰り支度を始める。すると何かを思い出したかのように束さんは私たちのもとに戻ってきた。そして

 

 「どうかしたんですか束さん?」

 

 「いや~1番大事なことを忘れててね~」

 

 「「???」」

 

 私と双斗は何か分からず頭に?マークを浮かべる。

 

 「これこれ」

 

 そう言って束さんは目の前にディスプレイの画面を1つ出した。そしてそこに映ってたのは寮の部屋で双斗が私に告白している所が映っていた。

 

 「いつの間に撮ってたんですか!?」

 

 「今日の午前中に誰もいない時に超小型の隠しカメラを設置しておいたのだ! ちなみにもう部屋には無いから安心してね!」

 

 「恥ずかしい・・・///」

 

 私はその時のことを思い出し、恥ずかしくなる。

 

 「私としてはソウ君の告白シーンが見られてとても満足だよ! それと遅くなったけど2人ともおめでとう。これからも仲良くね~」

  

 そう言うと束さんは嵐のように去っていった。

 


 
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