No.815474

宝城双斗のIS学園生活 プロローグ

destinyさん

この作品は自分がハーメルンで投稿していたものを一部リメイクしたものです。またよく内容を修正する事があります。

2015-11-24 14:58:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:624   閲覧ユーザー数:601

 

 ある所に1人の少年と1人の少女がいた。

 

 「双斗、本当に行っちゃうの・・・?」

 

 少女は少年に向かって問いかける。

 

 「うん、明日にはね。 ごめん、もう決めたことだから・・・」

 

 「そうなんだ・・・・・」

 

 少女は少年の言葉に黙ってしまう。

 

 「大丈夫だよ」

 

 少年は少女を安心させるように少女の手を握る。

 

 「絶対に僕は戻ってくるから。だから、その時まで待ってて」

 

 少年は明るい笑顔を少女に向けてそう言った。

 

 その瞬間、少女はじわっとの目から涙が零れる。少女はすぐに自分が泣いていることに気づいて手で涙を拭う。平静を装いながらも少女の目のまわりは赤くなっていた。そして少女は

 

 「うん。双斗、約束だからね」

 

 少女は笑顔でそう言った。すると少年は明るい笑顔で頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 それから間もなく、少年は旅に出た。

 

 そしてそれから3年近くの月日が流れ、あるニュースが世界中を震撼させた。『ISを男が動かした』のだ。

 

 IS 正式名称『インフィニットストラトス』

 

 当初は宇宙空間での活動を目的として作られたマルチフォームスーツだったが、現在はスポーツとして世間に広がっている。また、ISの性能は今までの兵器では歯が立たないほどの超高性能であり、一部の国や地域では兵器として使われている。そしてこのISの最大の特徴は『女性』にしか扱えないということだ。そのため今では立場が逆転し、女尊男卑の風潮になってしまった。

 

 そんな時に男がISを動かしたら世界の大ニュースになってもおかしくない。むしろ必然であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある薄暗いラボ。そこには童話の『不思議のアリス』を思わせるような服装をした1人の女性がいた。

 

 彼女はラボのモニターからニコニコしながらテレビのニュースを見ていた。そのニュースの内容は世界で初めてISを動かした男『織斑一夏』のことである。彼がISを動かしてからというもの、彼のニュースばかりになっている。すると、後ろのドアが開き、1人の少年が入ってきた。

 

 「束さん、お待たせしました」

 

 「あ、ソウ君!」

 

 入ってきた少年は束の異様な服装に一切触れずに束に声をかけた。少年にとって束の服装はもはや見慣れたもので、特に気にすることもなかったからだ。

 

 少年に気付くとは乗っていた回転イスから飛び、少年の前に綺麗に着地した。

 

 「それでどうかしたんですか?」

 

 「うん、ソウ君もいっくんのことは知ってるよね?」

 

 「いっくん? ・・・ああ、千冬さんの弟さんですか」

 

 「うん! そうだよ」 

 

 「そのいっくんがどうかしたのですか?」

 

 少年が束にそう聞くと

 

 「いっくんがIS学園に強制入学するのは知ってるよね?」

 

 「ええ」

 

 「それでね、ソウ君にもぜひIS学園に行ってほしいんだ!」

 

 「・・・はい?」

 

 少年は束が言ったことを一瞬理解できなかった。

 

 「僕が、IS学園に・・・ですか?」

 

 「うん、そう」

 

 束は簡単にそう言って続ける。

 

 「あと、IS学園には昨日のうちにソウ君がISを動かせることを言っておいたから」

 

 実はこの少年も織斑一夏と同じようにISを動かせる。しかし、このことを知っているのは数人である。

 

 「そうですか・・・。ならしょうがないですね」

 

 しかし、少年は特に気にしてはいなかった。

 

 「ソウ君、リアクション薄いよ~」

 

 「だって過ぎたことを気にしても仕方ないじゃないですか。それに他にも僕をIS学園に送る理由があるんでしょう? 僕の考えだと、そのいっくんの護衛が僕をIS学園に送る理由だと思いますが・・・」

 

 「残念だけど、それは違うよ」

 

 「えっ?」

 

 束の言葉に驚く少年。少年は束と過ごしている時間が長く、ある程度束のことは理解しているつもりだった。しかし、束は少年の推測を否定した。

 

 「ソウ君、君は知らないと思うけど、IS学園には『彼女』がいるんだよ」

 

 「それって・・・」

 

 「君もそろそろ彼女に会いたいだろうと思ってね」

 

 「束さん・・・、ありがとうございます」

 

 少年は束の心遣いに感謝するのと同時に

 

 「(待っててね、簪・・・)」

 

 少年は3年前に再会を誓った水色髪の少女のことを考えていた。

 

 
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