紅蓮side
覚悟はしていたがやはり熊や猪を切るのとは感触もそうだが何かが違う
命に重いも軽いもないというが何かがのし掛かる感じがするこれが命、そして人生を終わらせた責任と
これから背負い続ける十字架なのだろうか
私は少し離れた鳳統を歩きながら見据える、彼女はおそらく私を軽蔑するか、怯えるかだろう
しかしそれは当たり前だ、躊躇なく人を次々に切り平然とこちらに歩いてくるのだしかもまだ彼女は7歳普通ならこんな場面に会うことはないだろうそれに対する恐怖もあるだろう
私は快く思われないと確信しながらも彼女の目の前で肩膝になり紐をほどきマントを彼女に包み話しかける
「鳳統怪我はなかっただろうか?」
どんな罵倒を浴びせられるだろうか私はそう考えいると
鳳統は私の予想外な行動をした
「ぐ、紅蓮しゃ~~~ん............ぐすっ.....ヒック、怖かったです~」
鳳統は私の懐に飛び込むように抱きつき顔をうずめる、今まで我慢していたように泣く
私は呆然とする何故私を怖がらないのか私は鳳統に訪ねる
「鳳統、何故私を怖がらないのだ?」
「ぐすっ、なんで紅蓮さんを怖がるんですか?」
鳳統は顔を私から離し顔を上げ涙をぬぐい逆に何故という顔をする
私はどこか戸惑うように彼女の真意を問いかける
「私を山賊たちを容赦なく殺したのだぞ?決して許されない事をしたのだぞ」
私の言葉に鳳統は私の胸に頬を付け頭を横にしてどこか諭すように語りかける
「 ...確かに人を殺すのは山賊だろうと変わらずに許されない事かもしれません一生背負っていかないといけないのかもしれません.......」
鳳統の言葉に私はうつむく
「でも・・・・・・それと同じくらい紅蓮さんは命を奪われるかもしれなかった人たちの命も救ったんですよ
私は勿論朱里ちゃんや塾のみんな、水鏡先生もそして街の人たちも紅蓮さんに救われたんです......
それに紅蓮さんは命の危険を省みず私を助けてくれました!そんな命の恩人な人を怖がる分けないじゃないですか!」
私に微笑みながら言った
子どもだと思っていたが、何て事はない彼女は私よりずっと大人ではないか、私は彼女の言葉にどこか救われた気がした
「鳳統、ありがとう・・・・」
私は鳳統を抱きしめ返した、何故か?は分からないしかしこうしないといけない一種の本能に似た何かだろう
「あわわわわ////、紅蓮さんそんなに改まらないでください、後私のことば雛里と読んでください」
「いいのだろうか?」
「命の恩人なのですから当然です」
「後雛里すまなかった私が君の機嫌を損ねなければこんなことにならなかったのに」
私の言葉に鳳統は
「い、いいえやめてください///)あれは私がどうかしてたので気にしないでください!」
「わ、わかった」
雛里か顔を赤くしあまり必死に言うので了解してしまう
それはそうとあまりゆっくりはできないのだった
「雛里ここを出ようかみんなが待っている」
「はい、わかりました・・・・・・あれッ」
雛里は立ち上がろうとするが腰が抜けたようだ
仕方ないだろうあんな事があった後なのだから私はリュックを前に背負い
「雛里ほらっ、私がおぶっていこう」
私は膝を落とし背を向ける
「えっでも・・・・・はい、わかりました」
少し迷っていたが雛里は私の首に手を回し体を預ける
「よしいこう」
私は出来るだけ死体を見せないように歩く
やはり軽いないつも道理歩くのとあまり変わらない
私は塾を目指し雛里にわからぬように早足で行った
半刻程で塾の門の前についたすると
「雛里ちゃん、紅蓮さん!!!」
朱里がこちらに走ってきた
私は雛里を降ろしリュックを後ろに背負い直す
「朱里ちゃ~ん!」
朱里と雛里は抱き合い無事を喜びあった
「ううう、よかったよ~」
「こめんね、朱里ちゃん心配かけて」
「もういいよ無事で良かった、紅蓮さんも無事で何よりです」
朱里は私を見て言う
「心配いらないと言っただろう?」
「そうですけどー!」
朱里は声を大きくして言う本当はゆっくり無事なことを喜びたいが私にはやらなければならない
「朱里、雛里悪いが私はもういかなければならない」
私の言葉に
「そ、そんな!」
「どうしてですか!」
二人は慌てて言う
「急に用事を思い出したのと、こんなことがあったのだ私はここにいれない」
「そんなことっ!」
「そうですよ、もう少しだけでも」
二人は納得してくれない
「すまない、しかし人を躊躇なく切った私を君らは怖がらなくても、ほかの人全員がそうとは限らない
用事の方も緊急を要するんだ、頼む分かってくれ」
私は頭を下げる
「分かりました・・・・・・あの、また会えますよね?」
と雛里
「そうです、永遠をお別れじゃないですよね?」
と朱里
私は少し考える、ここで彼女らに安易な返答はできない
「すまないが、それは約束できない」
彼女らは少し落ち込んだ顔をする
私はこの先どうなるか分からない、そのうち山賊を数えきれない程切るかもしれない
実際このあと別れた後も・・・・・・だから簡単に死ぬつもりはないが保証はできない
でも・・・・・・・・
「しかし・・・・・・おそらく運命がまた私と君らを引き合わせるだろう
だからまた会ったときは御飯をご馳走しよう」
何となく、勘だったがそんな気がした
私の言葉に彼女らは安心したようだ、そして少しの間私に聞こえないように何か話した後
「はい、私も雛里ちゃんもそうなるように願います」
「あの、最後にこれまでのお礼をさせてください」
「私は別に・・・・」
「いいえ、私の気がすみませんお願いします、なにも言わずに膝立ちになってください」
あまりの強引さに私は膝立ちになる
朱里と雛里は少し顔を赤くしながら.....
「紅蓮さん、本当にありがとうございました、こんなことしかできませんがあなたのこれからの旅の無事を願って・・・・・ちゅ」
「私はあなたにまた会えることを願います・・・・ちゅ」
朱里は私の右頬に雛里は左頬に口を添えた
私は敢えて何も聞かなかった、数秒後口を離し私を恥ずかしそうに見る
「ありがとう、ありがたく受け取る・・・・ではまた.....」
ここでぐずぐずしているとまた別れにくくなる私は彼女らに背を向け歩き出す、彼女らが見えなくなった後私は山のふもとに走った
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15話