??「ああ~、疲れた!!」
夜道を一人の女の子が歩いていた。
??「まったく、お婆ちゃんたら明日から学校だっていうのに、休みの間中ず~と稽古なんだから。」
学校の寮への近道に公園を横切ろうとするとカップルが目に入った。
「やだ~、もうトシったら。」
「いやいや、ユカリは可愛いって。」
??「はあ~、いいな、私もカッコイイ彼氏がほしいな。」
彼女の通う聖フランチェスカは共学になったばかりで男子の数が極端に少ないのである。
そんな彼女の頭に浮かんだのは二人の男子。
??「いやいやいや!ありえないから、及川だけはダメ、アレは論外!」(ひどい、当然だけど)
??「アッキーもな~、妹はダメでしょ、妹は!」
??(どうしてこう、理想の男の子っていないのかしら?)
ブツブツブツブツ
??(やっぱり、男の人はこう優しくって、笑顔が素敵で、行動力があって、すべてを包み込む包容力があって、力も…ううん、強くなくてもいいの。こう、正しい方向に引っ張っていっくれる正義の心があれば!!」
ザワザワ、
彼女は、考え事に熱中すると知らず知らずに声に出してしまう癖があった。
??「そうすると、やっぱり、理想の男性は劉備様よね、劉玄徳様。三国志、最強のカリスマ性を持つ最高のヒーロー!!ああ、私があの時代に生まれていれば絶対に私が守ってあげるのに。」
(………そうか、なら旅立つがよい………)
??「えっ!?」
ふと、気付くと彼女は暗闇の中にいた。
??「な、何、どういうこと、ここはどこなの?今の声は何?」
そして、突然足もとの感触が無くなった。
??「え、え、え、き、きゃあああああ~~~っ」
彼女は暗闇の中、真直ぐ下に落ちて行った。
??「きゃあああ~~っスカートがめくれる~~っパンツが見られる~~っ!」
(そういう問題か?)
??「今日はよりによってキャラものなのよ~~~っ!!」
(なるほど、そいつは大変だ!)
??「い~~や~~~!!」
やがて彼女は光の中へ吸い込まれていった。
??「う、うう~ん。」
チビ「へへへっアニキ、こいつは上玉ですぜ!」
アニキ「ああ、高く売れそうだな、へへへへ。」
デク「か。かわいいんだな。」
??「う~ん、何よ、うるさいわね、寝不足は美容の大敵なのよ。」
アニキ「お、へへへ、目が覚めたかい、お譲ちゃん!」
??「え?・・・・・・・キャアアアアアアアアアーーーーーッ」
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパーーーーン!!
ビンタ百列拳(周りにこう呼ばれている)
アニキ「ひでぶっ」
??「この変態!なに勝手に女の子の部屋に忍び込んでるのよ!!」
デク「ア、アニキ、しっかりするんだな。」
チビ「こ、このアマ!まわりをよく見てみろ!どこに部屋がある!」
??「え、まわり?……」
あきらかに日本じゃない風景、どう見ても大陸、そして目の前に悪党面した、三バカ。
??「何、何なの、これ、何ていうレッドクリフ??」
アニキ「く、この、分けわかんねえこといってんじゃねえ、おいっ売っ払っちまう前に可愛がってやるぞ!」
チビ「待ってました、へへへへへへへ。」
デク「お、おとなしくしててほしいんだな。」
??(じょ、冗談じゃないわ、私の初めては理想の男性にあげるのよ、え~と、私の槍は、あった!)
少し離れたとこに、鞄と一緒に落ちていた祖母からもらった槍に彼女は飛びついた。
チビ「あ、このアマ!」
アニキ「いいのかい、嬢ちゃん、そんなことしたら、オレたちも本気になるぜ。」
スラリッ男達は剣を抜いた。
??(ヤバイッあの光り方、まちがいなく真剣だ。)
カタカタカタ、
彼女は震えていた、当然ながら彼女は真剣を相手にしたことはないのだから。
アニキ「無駄な抵抗はやめときな譲ちゃん、ケツにクマなんか付けてるガキに俺、たち…が………」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
アニキ「あ、あれぇ・・・」
??「ミタノ?」
チビ「え、ええと・・・・・」
??「ミ・タ・ノ・?」
デク「は、はい。やりにとびつくときにみえたんだな。」
アニキ「バ、バカ!」
チビ「素直に白状する奴があるか!」
??「そう、見たのね、じゃあしかたないわよね。」
ブン ブン ブン ブン ブン ブン
彼女は頭の上で槍を激しく回しだした。
ブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンブンッ
ピシッ
アニキの頬に切り傷ができた。槍が起こす烈風がかまいたちを起こしたのだ。
三バカ「「「ひいいいいいいいっ」」」
??「聖フランチェスカ、烈風の朱雀と呼ばれた私の恐ろしさ、とくと味わいなさい!!」
ドゴゴーーーーーン!!
三バカ「「「ギャアアアアアアアアアーーーーーッ」」」
キラーーーンッ三バカは星になった。
彼女はそのままへたりこんだ。
ペタン
??「ううう、こ、こわかったーーーっうえええええーーーーーんっ」
安心したとたん、さっきの恐怖がぶり返してきた。
??「うええええーーーん、か、隠れてないで、で、出て来なさいよーーーーっ!うえええーーーーーーーーん!!」
??「あは、ば、ばれてたみたい~。」
??「やはり、ただものではないようですな。」
??「うにゃ~、お姉ちゃん泣いてて可哀そうなのだ、だから助けてあげようっていったのに、愛紗は意地悪なのだ。」
岩陰から三人の少女がバツが悪そうに出てきた。
??「しかしだな、本当に天の御遣いならば、力を見定めてだな、」
??「はいはい、まずは先にあやまりましょう。」
??「助けてあげられなくてごめんなさいなのだ。」
??「うう~、ひっく、あ、あなたたちは~?」
まず、黒髪の少女が前に出てきた。
??「力を試すような事をして申し訳ない、私は姓を関、名を羽、字を雲長と申します。」
??「……へ?………」
次に小柄な赤い髪の少女が出てきた。
??「鈴々は張飛というのだ、と~~ても強いのだ!!」
??「……え~と、関雲長に張翼徳??」
張飛「すご~い、鈴々の字をあてたのだ!!」
関羽「おお、さすが。やはり、あなたは天の御遣いなのですね。」
??「でしょでしょ、私の言ったとおり、流星に乗ってきたこの人はこの乱世を収める天の御遣い様なんだよ。」
彼女は恐る恐る聞いてみた。
??「じゃあ、ひょっとしてあなたが…劉玄徳??(違うわよね、お願い、違うって言って!)」
桃色の髪をした少女は喜びに満ちた表情で答えた。
??「はいっ!私が劉備玄徳です。」
ピシイッ
劉備「あ、あの、どうかしたんですか?」
ピシシシシッ
張飛「お姉ちゃん、大丈夫なのか?」
ピシシシシシシシシシシッ
劉備「大丈夫ですか?ご主人様!!」
パッリーーーーーーーーーーーーン!!
彼女の中の白い歯を光らせて微笑むイケメン劉備は音を立てて崩れ去った。
(わ、私の、私の劉備様ーーーーーーー。orz)
張飛「どうしたのだお姉ちゃん、何落ち込んでるのだ?」
関羽「大丈夫ですか?」
劉備「うう~、私何か気に障ることしたのかな?」
??(ええいっ何時までも落ち込んでてもしかたない、まずは現実を見定めなきゃ。)
??「ごめんなさい、もう大丈夫よ。それより私には分からない事だらけだから色々教えてね。」
関羽「はい、それはもちろん!」
劉備「何でも聞いて下さい。」
張飛「ねえねえ、それよりお姉ちゃんの名前は何ていうのだ?」
??「あっごめんなさい、私の名前は一姫。」
張飛「かずき?」
一姫「そう、北郷一姫、よろしくね!」
「一姫✝無双・蜀~乙女達の烈風三国志☆~」
第一話・「烈風の朱雀・北郷一姫、降臨!」
続くのだ!(マジです)
必ず書くので待っていて下さい。2009/06・14/
《次回予告》
なぜか突然、三国志の世界に迷い込んだ私は劉備さん達からとんでもない事を頼まれる。
「お願いです、天の御遣いとして、私達と一緒に闘って下さい!」
そんな事、突然言われても私には何もできないよ!
この世界の事を色々聞いていたらとんでもない事件が舞い込んできた。
啄県の街が黄巾党に襲われている!?
「私達は戦います、弱い人達を守るために!」
私はどうするの?
ねえ、お婆ちゃん、私はどうしたらいいの?
迷ってなんかいられない。そうよ、私は!!
次回、第二話「信念のままに、私は天の御遣い!!」
絶対に見るのだ!!
あとがき
左慈「……で?」
干吉「で、とは?」
左慈「何で俺達があとがきなんぞしなけりゃならんのだ?」
干吉「ここに来ると北郷にひどい目にあわされると作者が来たがらないんです。」
左慈「しかし、北郷め、あんな姿になってまで外史に来るとは。」
干吉「なら、始末しますか?今ならたやすいですよ?」
左慈「い、いや、(チラッ)そ、そんなに焦る事は……(チラッ)」
干吉「……………左慈?」
左慈「ち、ちがう、べつに可愛いなんて、そんな事思って……」
干吉「私は何も言ってませんよ?」
左慈「き、貴様ーーっ」
干吉「あっ北郷に風のいたずらが……」
左慈「何っ!おお、うひょ~。」
干吉「そんな、あなたが愛おしい♡」
乱A「言い忘れてた事がある、一姫は俺の嫁!一姫は俺の嫁!×20一姫はおr…」
一刀「つーかまえたっ♪」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
ちゃんちゃんっ
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恋姫ランド、二桁突入記念の新作です。
正式タイトルは最後で!
(バレバレだろうけど)
予告、追加しました。